どうしておしりあるの
だっておしりなかったら
うんちでないでしょ
どうしておっぱいあるの
だっておっぱいなかったら
のめれないでしょ
どうしてはなあるの
だってはななかった ....
少し遅れて冬が訪れた
待っていたということも
疎んじていたわけでもなく
ただポケットに両手を突っ込み
何か特別に思い煩う気持も浮かべず
ぼんやりと立ち尽くしたまま
ひゅうひゅうと喚 ....
そこに
風の道はなかったけれど
風を運ぶものはあった
見えない軌跡を引きながら
きみの空中ブランコが接近してくる
渦まく風のすべり台では
空のクリオネたちが目をまわしていた
宙を満たして ....
懐かしい人に会ったのにうまく話せない
月が綺麗に差し込んでる日曜日の夜
闇の中でしなやかな薬指に光る指輪を見てしまった
少しの間目を閉じた
見つからない言葉 ただ過ぎていく八月の風 ....
プリムラ (永続する愛)
朝が生まれるように君の名を呼び
風が踊るように君と手をつなぎ
雨が語るように君を想い続け
星が黙るように君を抱き寄せた
....
「急に泣きたくなる」
という設問を読んで
泣きそうになる
つきつめると
あふれてしまうので
空みみのふりをして
「いいえ」に丸をつける
+
淡い花のきもちになって
窓の外 ....
入り組んだ路地を幾つも
曲がって歩いていると
街を知るように街を見失い
緑色に光る道に出た
夜のうち街灯は光るようで
電球をみれば灯りは点いていない
靴音が聞こえないので足元を見れば
履 ....
昨日の夕餉は
友人夫婦と食卓を囲み
玄米とおでんを食べました
今日の夕餉は
繁華街の店で独り
天丼を食べました
誰かと食べても
独りで食べても
幸福なのかもしれ ....
あるいは「執着の向かう先、発火点」
1 嚆矢 あるいは 発芽
もし私が
あんなところに
あんなかたちで
登場しなければ
知らなくてよかったのかもしれない
なにも知らずに ....
かくしごとなんて
はじめからなかったはずなのに
生きてると
知られたくないことの
ひとつやふたつあるものでした
できることなら
椅子に生まれて
何も思わずにただ生きて
人を支 ....
綺麗だね。
って
君がそう言ってくれちゃったからさ。
あたしにとって
この写真
最高傑作になっちゃったよ。
夜の暗さ
海の暗さ
そこのあるものの 暗さ
波が
うねりを繰り返し
何度でも打ち寄せる
夜の海
釣り人の
投げた重みが
ふかく沈む
あなたと
指を重む
その温度の確 ....
後で降りてくるよと
サザンの曲を元ネタにした
ショートドラマのオムニバスを
見ている妻に声をかけて階上に登り
詩の投稿サイトとかをチェックしていたら
カチャリ
と
部屋のドアが開いて ....
下校中
ぼくは君の背中ばかり
見ていた気がする
とても小さな水が
生まれる場所をめざして
いつもの帰り道は澄みわたりながら
永遠みたいに流れていた
君の背中はとても自由に見 ....
セックスをする夢を見ました
セックスする前にわたしは
コンドームを買おうよと言って
あなたとふたり手をつないでコンビニに行きました
あなたはわたしが前に付き合っていた人でした
あなたのセ ....
天井から
夜が下りてくる
お父さんは四十年生きて
長かったなあと思う?
布団の中の息子が
息継ぎに顔を出す
しみじみする口のまるい形
「ささやかなこの人生」とつばを飛ばしてナカジマは歌い ....
切り取られたそれらを、
繋ぐのは難しいけど。
それぞれに、
世界が在るんだと証明すれば。
それぞれはいつまでも、
輝けるんだと。
僕は想う。
笑わせることができない道化が居た
目を見張る容姿も持たず
気の利いた台詞も吐けず
当たり前のことを
当たり前にこなせない
そんな道化が居た
いつ頃からそうだったか
何一つ覚え ....
震える指先を
ポケットに滑り込ませたら
捨て損ねたレシートが
指の間で微かに笑った
不確かな足取りで
迷子のふりをしながら
逃げ損ねた枯葉を
靴の踵で踏みにじった
丸めた背 ....
適当なメロディを口ずさむ
何もない 白の午後
どこへでも行けるから どこへも行かない
円を描くように
歩いて ただ 空を見上げる
少し休んでみてもいいと言われて 休んだ
....
私の右頬には
すぅっと一本の線があります
おさないころ
北海道でも有数の豪雪地帯に住んでいたころ
いつものように、母は
空とも陸ともつかない厄介な白と闘っていました、必須アイテムは
鉄 ....
君は週末になると
青い袋を提げて帰ってくる
シャワーを浴びて髪を乾かして
喉を鳴らしながら
何かを美味そうに飲み干すと
ふやけた足裏をぺたぺた言わせ
青い袋から取り出したのは
200 ....
待ち合わせに5分遅れてきた友達は
首に水色のネクタイを巻いていた
誰もその事を突っ込まないくらい
水玉模様が自然に馴染んでいた
僕が着る服の色といえば
いつも決まって白か黒
黄色や ....
染められた自転車を
また真っ白に戻すように
通い慣れた道を塗り直していく
隙間を通すように、深く
はじめておぼえたこと
空のひろがり
見つけたころのこと
遠くへ行ってしまいそ ....
先生
今年も忙しさに思想が流されてしまう
そんな季節が来ましたね
あなたは貴婦人だったり豪傑な男の人だったり
駆けだしの幼い人だったり するのだけれど
先生は 忘れた頃に
夢枕にきりりとた ....
やせぎすの背中が
たぶん好きで
ぼくは隣にいることが
もったいないような
そんな気分を抱えたまま
あなたとセックスは
できなかった、という
....
僕らは
指定席とよばれる
ひとりずつ与えられた席にすわって
ときには時速三百キロメートルを超える
レースドライバーのように
ふと孤独の恐怖に気づいたかと思えば
またすぐに慣れてしまっ ....
{引用=
霜の匂いを纏って
母さんのおさがりのコートを着て
毛玉だらけの手袋で
髪にはすこし粉雪をつけて
息はぼんやり白くて
頬 ....
白く
抱かれている女の子を見て
きれいだな と思う
やさしくふれられて やさしいことばを感じて
ため息を漏らすの
メロディーのように
たぶん アイラインを落としても
つむった瞼にまつげは ....
ポタージュが冷めるのを待てず
やけどする舌
冷たい朝に
湯気の向こうで
陽の光が磨りガラスにはじく
無邪気なほどきらきらと
関東地方の今朝は今年一番の冷え込み
半袖のニットを着た ....
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