「予」


予め渡されたまっさらな空に

どんな雲を描いたって勝手だけど

思い込みの風力のぶんだけ

天気予報ってはずれるんだよね




「定」


定まった行先 ....
{引用=
僕のアパートは猫が飼えない
窓から見えるのは隣の物置と、アルミのベランダの裏側だけ
コンビニのビニール袋が 風にふかれてカサカサ笑い
忘れられた洗濯物が 雨に打たれてしおしお泣いてる ....
 
 
お正月
母の実家から見える
山脈の麓にスキー場があった
数キロ続く田の先にある
駅前の街のそのさらに数キロ続く
田の果てに
スキー場が見えていた

とても遠いところなのに
 ....
コップの縁からあふれている
緑は
泣き出しそうに
低いところへ向かっていく

その底辺で
受け止めて
手の中に溜まっていくのをみてる

私の睫毛の先から漏れた
藍色と
手の中 ....
……なな〜つ、
   や〜っつ、
    ここの〜つ、とお〜
 
どこに隠れようとも
ひとたび
目をひらけば
あたしは 心のいやしい 鬼 
だ から
ようしゃは しない 
 
銀 ....
赤いチョーク
のようなトンボが
風をひっかきひっかき
ぼくの背たけを測っている


ぼくは大きくなっただろうか


朝ごとに
ぼくは生まれる
よろこびとかなしみの
草の中から
 ....
{ルビ顰=ひそ}めた枝に想いを隠せば
揺らぐ月あかりを帯にまとう
記憶をぬぐいおとす 黒いみずうみは、
深奥の靜かな湖畔から 寂々行きつくこのさきに 
こわされてしまう わたしの予感のする
 ....

職場で必ず着用するエプロンには
大きなポッケットが付いています
わたしはその中に
いろいろなものを放り込むのが癖です
ポッケットが膨らんでいないと
落ち着かないのです
膨らんでいて少 ....
流線形を手がかりに
ピースを一つはめてみた
ぴったり落ち着くことが楽しくて
暇潰しではなくなっていた


ピースが足りないから毎日のように探し歩いた
埃の積もるベッドの下
ジレンマの隙 ....
ここに一脚の椅子があって

それは懐かしいにおいのする木製の小さな椅子
小学校の教室にあるような椅子
揺らすとかたかた音がした

そんな椅子にあなたは腰かけている
手には一冊の詩集
マ ....
君はみぞおちのなかに
あたたかな雨を隠しているのでしょう?

いつになれば海の向こうに渦巻くひかりを
私は集めることができるのでしょうね。

緑色だとか
青色だとか
太陽に照らされると ....
自転車のハンドルと
お母さんの間に座る子供
かわいいだけじゃない子供

カルピスをあげたいな
百年に一度のいけにえにしたいな
僕に歯を見せずに笑う子供
心にらくがきをする子供

ゆう ....
末の息子が帰った後は
母さん 堪えるらしい
寂しいらしい
悲しいらしい
飯も作らにゃあ
起きても来ない


 そんなに辛かりゃあ

 キャッキャ キャッキャと
 喜ばなあ いいの ....
よるのそこにはやわらかなひかりがしづんでいる。

ひかりのまわりのよるはあさをはらんでにごる。

わたしのめはひるのひかりににごり、よるのやみにせをむける。


ほつほつとひろがってた ....
{引用=
もう明るくなっとうから帰るわ
真面目に生きななぁって
そんなんもう挨拶やろ
意味もなんもない
ねぇねぇ間違ってるんかねぇ


旅人気取りの朝帰りは
空も見ず人も見ず
自 ....
世界がこんなに静かだったとは
浅い眠りの後の
土曜日の朝
君に出会えて
本当に

良かった
 
 
命がひとつあった
命なんていらないと
思ったときもあった

命がふたつあった
どちらかの命が
残ればいいと
思った恋もあった

命がみっつになった
みっつすべて
残ら ....
 
 
落書きが欲しくて
お金を渡すと
気軽に売ってくれた
壁のような人が
また何かを遮るため
無表情のまま立っている
それを見ている
人のような壁が
落書きの中にいた
壁のよ ....
渡りゆく空がなくても
鳥かごのツバメは夏が行くほうを見る

草ひばりの声を聴きながら
日に当たる頬の熱さは
夏をしっかりと覚えているのだが
頭を垂れた稲の穂が首を振る

入道雲が突然泣 ....
あまくなった
熟れた私は
のばしかけの髪を
洗う。

したたる
雫をなめてみて。
りんごの
香りがするよ。

モーツァルトを聴いて育ったりんご
のように
あまい
からだ。
 ....
無知な人たち、と
父の生家に唾を吐き
母が消えた
時の区分は夏、そして
秋にも依然、消えていた

秋の再来
消えている母
九月は母の誕生月
父はきちんと知っていた
本日、九月の二十 ....
おーい、と言った
おーい、と返ってきた


そっちはどんなあんばいですかあ、
と聞いたら
そっちはどんなあんばいだあ、
と聞かれた


それじゃ、意味ないです
お義父さん ....
私がふたごだったとき
ずっと森で暮らしてた
ふたりおそろいの服を着て
毎晩同じベッドで夢を貪りあった
ふたり一緒にいること
それが当たり前の世界だった

私がふたごだったとき
世界はひ ....
アイスキャンデーを半分まで食べて
もういらないと感じた

激しい波の音がだんだん遠のいて
かわりに
飾り気のない雲がほそくたなびいてゆく
陸と船をつなぐ白いテープのように

別れ
の ....
長女の生徒手帳は
しばしば行方不明になる

いや行方不明ではなくて
友人知人の家にある

繋がりたい友人からの
カラフルなメッセージ
で埋められた白紙のページ

僕が学生の頃
生 ....
はいりなよ
いっしょにかえろう 

ずっと制服に閉じ込めた
光るボタンは、すなおになって
想いを告げる
雨の放課後

目をかわしたら きっと
また、何もいえなくなるから
少し見 ....
繭の中身を確かめに
ヴェランダからするんと
カーテンを伝って降り
君の夢へ移動する

月無き夜のこと
君の小さな体に
無数に穿たれた
秘密の森のこと

心に生い茂る銀色の
すすき ....
ほんとうは
そう前置きして話しはじめたい
ほんとうはそうじゃないんです
何がそうじゃないって
せせら笑って
煙草を咥えて
やっぱりほんとうのことなんて
持っていない
晴れた夜だ月もある ....
この際ニートになるのもいいね

日差しも風も
私を置いてけぼりにしたまま
すっかり秋めいてしまったから
もう
何にもやる気が出ないんだ

この呟きだって
惰性のよ ....
 
 
庭の外に
泣いている人がいる
君の友達だったかもしれない
それは秋の虫だ

りんりんと
しんしんと泣いている
まだ死にたくなかったのだろう
泣く声は、鳴く声になって
いと ....
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