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逆巻くバイアス アーニーの純心は
どう仕様もないほど眩しいくらいで
蹴散らかしたとして 何の不義もない 生まれたからには透明で
あの鉄塔によじ登って 空を浴びるんだ
見 ....
ドア−に閉ざされ 点から点へ向かい
流れる風景を進んでいく
箱と、なって
運ばれていく
空気に
希望をいつも断ち切られるように
鉄橋に
雲たちは運ばれていく
今も口を閉じたよう ....
道行く人が食べられなくなって、
明日行く職場を突如失って、
森林は消滅していって、
極地の氷も溶けていって、
そんな情報が流れていって、
それでも気持ちは動かなくて、
私は一人 ....
合格率2%を誇る現代詩全能協会主催現代詩検定ハイパー1級
保持者の私に言わせれば日常的に振動の止まない不確かな心という
マニュアルが枠外に飛び出る程度の瑣末にポエトリックに価する
吸水力など望む ....
生きたいよ
本当は叫びたくて
溢れる涙に
託したくてでも幼くて
愛しているよ
本当は伝えたくて
いつか泣き止んだら
笑って言えるかな?
独りきりの夜が多過ぎて
夢の中のキミに ....
元々
私はワタシという
貴方はアナタという
混じり得ない表層
どうでもいいような
どうしようもないような
有象無象に惑わされるくらいなら
纏わりつくような煩わしさに浸かった日 ....
そよそよと緑
つめたーい黒
心地よい青
じゅるっと甘い赤
走り回る黄
かぶと虫の茶色
たくさんの色
冬は嫌いだ
春を連れてきて そうして少しの感傷ですらも
消えろと なくなれと
再生を命じるんだ
春が嫌いだから 冬も嫌いで
だからこそ秋が好きだ
矛盾だと人は呼ぶね
そしてそ ....
南西の天から届いた柔らかな陽光が
世界に張られた糸を弛ませる
糸に絡まっていたわたしは
自力で立つことを忘れていたので
膝から崩れ落ちた
しかし
大地も
陽光に解かれていたので
わ ....
わたしがたたずむゆりかごは
なにものよりもあたたかく
やわらかいものですから
たとえば
すずめのあしおとが
みみもとでなったとしても
わたしはきづかないことでしょう
あさ ....
森が
あれほどさわがしかったのを
夜はいっしゅんにしてねむらせる
あの懐のひろさ
そよ風のてのひらが降りてきて
いいんだよ
だいじょうぶ だよ
ひとりひとりの木々に
そういって ....
パーティーで
あなたの袖元を飾るカフス
さりげなく
お行儀よく
おとなしくしてる
シルバーにブラック
テクスチャーも繊細
おとなっぽく 嘘をつく
あなたに ぴったりだよ
....
水の潤いの中に
声が響くの
夏が透けていく
君が居なくなってた
瞳を閉じたくなる程
遠くの空に
消えそうになる
ささやかな音を立てて
金魚はそよぐよ
赤く 白く まだらでも
....
後ろ髪を引かれる
どうして
妹のように美しい髪でなかったのだろう
暮れていく陽の
もう少しだけ、
を残した
闇が束ねる
手つきはやさしくて
頭をかしげる速度で
すべて委ねてしまいたく ....
何故だかこの世界は
酷く居心地が悪くて
沢山の人の中にいると
一人でいるより孤独だった
でも
本当に一人きりになるのは
耐えられなかった
年を重ねて
....
雨のなか、
竜が
咲いていた
それは
瞳が
見たのだったか、
耳が
聴いたの
だったか、
あまり上手に
思い出せないけれど、
あ ....
おいかける長針と短針
はしり疲れる毎日でも
よあけの街が
うつくしいのは
希望を灯し続けるから
ついに人だけになって
飛んでいる
はたしてそれを
飛行機と呼べるだろうか
翼も動力も
無線さえ持たずに
たどり着く先を失って
空飛ぶそれを
人と呼べるだろうか
私 ....
*もぎとる
少女の頬は、
うつむく程に
色味を増す/と、同時に
大人であることの意味を添え
甘く
そこに増して、赤く
刻々と刻むように
ただ、坦々と
熟れていく
....
夏がほどけて…
*
魂迄もが吸い込まれそうな程
深く澄んだ青空の背景に7月が漂う午後に、溜め息一つ
ふうっと飛ばせば、眦(まなじり)を掠めて悪戯小僧の麦藁帽子が天高く舞い上がり
通りすがりの風 ....
リスボンでもないのにファドの旋律
わたしは歌詞を知らない
調べは暗く哀しく
凡夫の矜持と凡婦の清潔
宇宙を小窓から覗いている
そこは濃い月の色をしている
ふと人生の目的について考える
愛 ....
はたと醒めては朝を呪い
ふと我に返っては白昼に佇む
夜な夜な待てども、愛想もない
ちぎれた写真を並べても
知らない顔があるばかり
いつからだろう
こんなにも笑わなくなったのは
慣 ....
ねずみ色のコンクリートが暗く染まる
何か落としものがあったような気がして
歩いて来た道を右から振り返ってみた
つうつうと機械的に落ちるさみだれ
庭に投げられっぱなしの花切り鋏は
いつから ....
かんだかい悲鳴で目が覚める
でもそれはちがかった
醒めたのは覚醒の産声
もう後ろには下がることが
できなかった
今まですれ違った人達は
世界の何%だろうか
今 ....
写真にうつっている僕は
満面の笑みでカメラを見つめていた
でもそれは過去の遺物
その写真にライターで火をつけて
灰皿になげすてる
今なら言えることは
昨日は言えなか ....
たっぷりの熱湯の中に
捨て台詞を少々加えて
マカロニを入れる
いつまでも未練がましく
くっつかないように
十分注意しながら
再び立ち直れるまで
何回か掻き混ぜる
アルデンテ ....
やがて雨が降るというとき
そんなとき
一度終れたらいいな、と思う。
魚になりたがっていたからといって
皆が皆、
魚になれるわけじゃない
でも、それでも充分
幸せそうだった ....
大騒ぎしていた隣の部屋の大学生も
煙を撒き散らしていたスポーツカーも
凛と顔を上げていた向日葵も
みんなみんな、眠ってしまった
ベランダから両足を突き出して
ぶらぶらと泳がせて笑ってみる ....
帰ろうかな
そう思った
一瞬を幾度か
ちらして!
5月
空は氷を溶かした青で
お花のジェット
バウンド・フォー・トーキョー
千歳の上空から苫小牧
育った家を見下ろした
掘り ....
良く晴れた多摩川沿いに走る二車線の都道
歩行者用信号機は青へ変わっているに右見て左見て
みーちゃんの手を引きながら急いで渡る
轢けるもんなら轢いてみなよ…いつもならそんな気概なんだけど
....
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