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手を引かれ歩く。
懐かしい匂いのする君
その面影は記憶の水底
私が潜水夫になって強く握り返すと
つないだ手には水たまりができて
空の色を映す。
薄暗い緑の茂みの奥までくると
....
ゆっくりと、撫でてゆく
背中から本能までの
または、今日から命果てるまでの
測れない距離を、あの人の言葉は
簡単に届いて、そして、
明日に色を書き足してゆく
友情、と言っていた
....
涙が枯れた ひとりの夜は
ゆっくりと
あるいていよう
ひとりのリズムで
つきといっしょに
行く先は決めない
足の向くまま
吸って 吐いて 吸って 吐いて の
自分のりず ....
夏のはじまりは
いつも雨
何処からともなくきこえてくる
海のうた
(セイレーン)
還る場所をさがすように旅をする
あの波の繰り返しのように響いてくる
記憶のような満ちひきに名 ....
白く灯るシグナルに
息をのむ
メールは、きみ
こころがふるえる
ばかみたいに
よろこんで
くやしくて
すぐに返事は
しないんだから
すうっと堕ちていくような感覚と
鈍いしびれがあるという
それでいて苦痛ではないらしい
幼なじみのあの子も
隣の席の委員長も
さらにはわたしのママまで
患ったことがあるらしい
大人 ....
{引用=草っていうのは
好きなことばのひとつです
あといくつか好きなことばがあるのですが
そこに石があってもいいし土も
あるだろうし水たまりもあるし
雨がふっていてもそれはそれで
....
涙を流して見つめ合う
あなたは左のまぶたから
私は右のまぶたから
唇から白い花びらはらはらこぼれ落ち
その花が水に流れてゆこうとも
あなたは私を知る事はない
私もまたあなたを知り得 ....
くるぶしを浸した
海の底の
遠ざかる砂に
裏返る
また少し君のこと
舞いあがる
風のゆくえに
どんな不自由をみたの
何もない空に
探してる
君の糸口
いくつかの土くれは
....
コンクリートブロックを敷きつめた街に
私 は裸で腰かけている
見知った声が聞こえたので左手を上げて後ろを振り向いたが
誰もいないのを確かめただけだった
何故なのかを思い出すことは
当 ....
立ち止まると
黒子が幕をあげて
回想の舞台があらわれる
三十年も前のこと
大晦日の夜中に
明治神宮に初詣に行った
十二時を過ぎると
賽銭箱にむけて
たくさんの人が硬貨を
人々の頭 ....
ノートの一番後ろのページに
言い表せない想いを小さく綴っては
どんな風に貴方に伝えようかと
やるせなく頬杖をついた
本当はこんな言葉なんて
グチャグチャに丸めてしまえば良かったんだ
....
砂浜を撫でる乾いた風が
肺から循環する
感傷の毒を洗い流し
ただ瞬間だけを咲かせる
吐く息はいつも
黄痰に鎖を繋がれ
夢の欠片も存在しない
一本の座標軸に
流され惑わされながら ....
薔薇をあなたに
五月の薔薇をあなたにあげたくて
私はひとり庭をさまよっている
ハーブの花畑を通って
クレマチスの花園へ
キングサリのアーチをくぐったら
そこはもう薔薇迷宮
色とりどり ....
彼女は言った。
この娘の唄って。
一聴するにうまく聴こえるかもしれないけど。
低音が雑ね。
最も悲しいことに
心が入ってないわ。
....
天地がひっくり変えるような出来事があった日も
バケツをひっくり返したように、とことん泣いた日も
小さな箱に閉じ込めてあった痛みが、
心を深紅に染めた日も
手首から血が流れた日も ....
春になったら
当たり前のように聞こえてくると思っていたんだ
にわか雨と土の香
遥か陽射し、青々とした歌
太陽が落ちた場所から染まっていく
冷えた腕を隠す前に
呼ぼうとして心に刻んだ名前 ....
客観的に見て、問題点を言ってくれる。
大事なことを気づかせてくれる。
忘れてたことを思い出させてくれる。
見ないようにしていたところに光を当ててくれる。
これ言ったらこう思われるとか抜きにして ....
マシュマロ島がくるくるまわりながら
洗濯機の中身のようにまわりながら
汚れ落ちのように
溶けてゆくのです
ココアがだんだん白くなる
さっきベランダに来てちょっと鳴いて
行ってしまった鳥 ....
新しいドライヤーだけれど
白くてやわらかい
両輪がふたつに割れる
夢に見たんだよ
耳の後ろの痛さを
口ばしる
側に
置いておいてくれる人の大切さで
判ろうとするのは
恥ずかし ....
/
/かなしい/おしらせ/です/
/あなた/を/この/あたま/から/しょうきょ/し/ます/
/さようなら/おげんき/で/
青いにおいが鼻につく
遠くに見える海が白い光を生みだしている
....
雨は降りぬ
ツバメが飛ぶ
赤子が泣き
木にそよぐ風
ふんどし締めて
9時間の講習を受け
電車のドアにはさまれる
駅を乗り越す
ゼナを飲む
松屋の牛丼食べ
布団に入ったら
....
イトしくて
カナしくて
仕方ないから
わたしは「夢」を視る
捉えどころのない
その想いを
苦い香の紅茶で飲み干して
白と黒の兎を
透明な「夢」
染まらない世界で追う
....
夏の縁側に腰かけて
入道雲が真っ青な空に湧き上がるのを
見ている
背後の部屋は暗くて
ひんやりとしていて
もらい物の生菓子を食べようと
手を伸ばした瞬間
チリリ
(一陣 ....
禍々しく106ミリ無反動砲を六門装備した
巨大な蟹のようなM50オントスの装軌式車両が一台、
まったく人気のない夜の街を過ぎて
ビルに潜んだ甘い夢を殺しに、兵士たちは散った
すべての忌わし ....
ぱしゃり、と水音をたてて
あなたは私を抱きしめる
二人きりのぬるま湯に浸っていると
まるで双子のようだと思った
「交わることのなかった二人が
一瞬だけ出会 ....
筆先に
少しついた水を
ふりはらえば
雨もあがった
かならずそこに
たどりつける
ゆびがいたくても
ほほがしくしくしても
なんて濁った川
を体は流れている
発信しつづけ ....
詩は
誰にでも届かないところで
誰にでも触れられない距離で
詩は やわらかい
詩は 傷ついている
詩は
誰にでもからだをゆだねて
詩は おとなしく それでも ....
風の中のミィ
押し潰されそうな
小さな体を
必死に支える
可憐な笑顔
憶えているかな
丸く小さな影
ただ泣いていた
小学校の下駄箱を
風の中のミィ
一瞬でアイド ....
からりからりと晴れた空
君は何を思うのだろう
溜まった洗濯物は風が揺らし
休日の私は君に揺らされる
いっそのこと
忘れてしまえば良いのに
忘 ....
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