孤独さえ
きみとなら
欠ける気持ち
だけで
信号は
はずせない
歯と舌と
手とペニスで
きみの肉
喰らった
たくさんの
叫び
月 ....
ゆるい
ぬるい
そんなものに取り残されると
なつかしい気持ち、した
午前の雨のあと
ひかりよりも重いひかりが
春の砂浜のように広がって
なつかしい
なん ....
満月を見上げて涙を流すのは
かぐや姫だけ
そう思ってた
月見上げ泣いてくれるな
その滴遠い僕には拭えないから
満月よ
世界を優しく
包み込め
....
仲秋や母と二人の田舎道
仲秋や外には外の掟(おきて)あり
満月の暈(かさ)は厠(かはや)より眺む
レジ待ちと外で母待つ今日の月
伴走の母のペースや望(もち) ....
秋を潤わす金色の木立は
この時季、配色に惑うのです
茜色に染まった夕陽は
黄熟した稲穂を金色に光らせ
時を刻む砂時計に全てを託した
ざわめきと胸の鼓動は止まらない
....
赤い靴を履いて
待っているの
もちろん
異人さんを
水面は
揺らめいている
でも
その下は
沈殿して
何かが蠢いている
今にも出てきそうに
だから
誰か助けてくれないかな
異人さんじゃなくてもい ....
海辺の杭だった
薄い色をした砂浜に
もうどこに打ち込まれたのか
砂に埋もれてしまって
分からない
どれだけの長さだったのか
その突き刺さった底が
砂に埋もれてしまって
分からない
....
かみさまという鏡のような未来は
ぽろぽろとこぼれながら
なにか悪い事を口にしかけて、
小さくなっていく産声
どうやらここは初めから
ちきゅうという
名前もないどこか遠いところ
....
風の音がした
ふり向くと誰もいない
十八歳のぼくが
この街をつっと出ていく
いつも素通りしていた
その古い家から
いつか誰かの
なつかしい声が聞こえた
敷石を踏む下駄の
細い ....
きみの隣りで微笑んだ
綺麗な横顔のあの人を
こんなふうに羨むほど
今のあたしは情けない
満ちる月より欠ける月
夢に出てきた忘れもの
どうか どうか 冷たいままでいさせ ....
一人では泣くなよ。
君の悲しみは僕の哀しみ。
ふたりの絆
祭りの夜は渦巻く貝殻
空はずっと青かった
水の流れをずっと聞いていた
草を噛むとたちまち苦みが
口なかに広がって 星が銀河が
水のように押し寄せて来る
あれは
ケンタウルスのきら ....
たまゆらぐ
あきのひとみで
草のなかにかくれた
君をきいている
何かにすがりつきたいふうな君は
細い、ほそい線になって
なまみの月を仰ぎ
永いときを抱え
ふるえる
{引用=
....
どうやらここがとてもとても明日で
透明なはずのここは鈍く曇っていて
上を見上げればちょっと青みがかっていて
(水槽だよな)
なんて
ぼんやりしてみたりもする
息苦しいのはきっと酸欠だから
....
{画像=080907104708.jpg}
想いを繋ぐのはいつも
言葉だった。
小学生の時、
友達と口げんかをしても
さよならは忘れなかった。
またね、と別れると、
次の日はまた ....
紙に書く言葉を選び
心の住む所を明かす
季節の中 暦に書ききれない
熱と冷気がある
何度も歩いた生家前の道
しだいにその回数が追いつく
婚家前の道
道すがら挨拶をかわした人々
....
告げないと決めたら
気持ちが楽になった
この手で弄ぶには
余りにも重たい心
そっと
くるんで
見えないように沈めた
深い闇のなか
秘める 秘める
永い時をかけて
世にも 魅惑的 ....
孤独の質はおなじでも
住んでる世界がちがうから
かけらの位置はおなじでも
おたがい鍵ではいられない
涙の音がする
声の匂いがする
秋の風が
微笑んでぐるり ....
黄色い薔薇は
不幸せの色
幸薄く虚ろげで
儚い
白い薔薇は
悲しみの色
思いが深すぎて色さえも
染まらない
赤い薔薇は
....
「目をこらしてごらんなさい
この世界はふわふわ漂っている
箱庭なのです」
風が草の中でささやいている
透明な壁の向こうで
見知らぬ風景がふるるとゆれた
君はそっと魔法の呪文を唱 ....
しめった風が頬をなでるのをやめ、
埃のような雲霧が二人の呼吸を失わせていく
白くかすんだ記憶の中で
街灯だけは飴玉のように赤く潤んでいたが
私はそこにいるはずなのか
そうでな ....
地球を飼いたい
掌に乗るくらいの
小さな小さな地球があったら
わたしはそれを飼って
今度こそ
大事に大事に育てたい
毎日、綺麗な水をあげて
毎日、空気の綺麗なところで散歩をさせて
熱が ....
疲れ果てて
色褪せた
繁華街の朝を通り抜け
ガラガラの電車の
ドアのすぐ側の席に座り
手すりに頭を預けたまま
揺られる
満員電車とすれ違うたび
何かが足りないような
そ ....
霧雨が
降り続いて
やわらかな
ミルクいろに
包まれる
忘れてしまおう
どうせ幻なら
あのことも
このことも
あのひとのことさえ
きっと
幻だったのだから
みんなみんな
忘れてしまって
....
空が割れたような音がしたので確認すると、飛行機が近いところで飛んでいた。
わたしに白いお腹を見せているけれど、わたしはそれを雲とは間違えない。
どこから、何時の間に、こんな近くに来たのだろうと思っ ....
あたしは どうしょうもなく嘘つきで
他愛もない嘘をついちゃあ
信頼をなくしている
約束を守るのもできやしない
決めた時間に来たためしがない
社会人も失格だ
マニキュアを塗った指が好 ....
今年初めての赤トンボを、電線に見つけました。
秋になると、いつの間にか現れる赤トンボは、
どこから来て、どこへ行くのでしょうか。
きっと、調べた人がいると思います。
昆虫が好きで好きで好きな人 ....
一. 八月の再生
それは何故か寒い八月の最期でした。
私は一人、窓という格子に挟まれた中の
限られた空を見上げて、煙管をふかしていました。
すると明け方の空がぼんやり ....
あなたが私の頭を撫でたとき
私はあなたの吐息と体温を覚えた
でもお母さんやお父さんとは違うの
空から痛々しい輝きが舞い降りる中で
火照った首もとが紅茶の甘い香りにす ....
おそらは一つしきゃないもので
しよがないから
うみだけ恋うた
うみはあんまりひろいので
しよがないから
そらだけ乞うた
ひとりじゃあんまりかなしいし
ひろけりゃよけいにさびしいし ....
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