窓辺のロンリネス そこにいないで
翼ある者たちよ 飛び立て
あの青く澄んだ{ルビ高処=たかみ}へと今こそ
求めるものはあまりにも遠くて
追いかけてた夢にもはぐれてしまった
あきらめないで ....
かえってしまった
温めることは出来ないと思う
キスも
もたれかかることも
ただ、匂いだけは忘れないし
変わらずにあるのだと思う
、
側にいること、
今夜が一番 ....
わたくし色の雪の結晶が
泣いてるあの子の
てのひらに
ひらりら らりら
落ちて
消えたよ
1
真っ直ぐな群衆の視線のような泉が、
滾々と湧き出している、
清流を跨いで、
わたしの耳のなかに見える橋は、精悍なひかりの起伏を、
静かなオルゴールのように流れた。
橋はひとつ ....
誰も居ない街、ひとりきりで。
闇に呑まれる影を見ている。
冷たい瓦礫の底に埋もれて、
太陽は今日もどこかに沈んでゆく。
閉じれぬ目蓋は孤影を映す。
絡まるような細い糸を、かわし ....
君は 跳んでく 月の向こう側
僕は 見上げる 届かぬ星を
歌を忘れて迷い込んだ
音のない森 僕はひとりで
うやむやな影した 木々は眠って
湖に映る 三日月は 君の影を映さない
....
君の死が、愛しいモノであるように
僕の生は汚されず、君の孤高にふさわしく
世界の、世界のほんの片隅で
小声でささやく歌のよな
スラムの路地で、汚れた子供が歌うよな
限りあ ....
うそは泥棒のはじまり
だったはずなのに
ひとは誰でもうそをつく
愛するが故のうそだからと
あのひとは
目も合さずにつぶやいた
その場しのぎのうそを重ねて
針千本の〜ま〜す
....
秋の空が澄み渡る
山並みは寂しさを知る
存在はいつも無口で
意味だけがある
行こう
はかりしれない道のりを
距離と正しさはきっと
あなたとの信頼として
理解されるから
微笑むことを覚えた君の
行く先に、私はいますか
その瞳が
礫(つぶて)を落とす度に
私が泣き声をあげることを
君はきっと、知らない
鼓動が早まる度
消えることを望む私の ....
澄み渡る冷たい黒い日です。
ひとり森の中を駆け回る僕が歩いてる。
生きるために肺が酸素を取り込んで循環。
今日も呼吸は僕を侵しているようです。
まだ森の中から抜け出せずに逃げている。
....
あの夜も
こんな秋の月だった
真っ暗な林をあがって
滝をふたりで見にゆく
あいつのジーパンをずらして
ぬるぬるのなかに立ちバックした
あいつは泣きながら
俺にからだをつかまれていた
....
水を含んだような眼に(投影する、過去)
まっすぐ見れなくて
(代わりに)シャッターを切った
遠くの方で耳鳴りがする
死んでしまった(呼び出し音)みたいな
規則的なリズム
{引用 ....
なんとなく
わかっていたけれど
夕風は
すっかり
つめたくて
昼間の陽光も
どこかしら寂しげで
緩やかに
届かぬ夏を
受けとめる頃合です
おろそかに出来るくらいなら ....
あなたを食べて仕舞いたい
そしたら誰のものにもならないから
今すぐ死んで仕舞いたい
あなたを好きなまま人生が終わるから
あなたに傷つけられたい
これ以上深い傷を残せるのは他にいな ....
今は 花屋さんにさえ あるけれど
わたしが子供の頃
すみれは
ひっそりと 一株
人知れず 咲いていました。
そんな すみれを 見つけると
いじめられた
ひとりぽっちの 帰り道も
....
おりがみの花は 指先で生まれ
おりがみの花は 手のひらで育つ
思うようには動かない きみの指先から
空の色をした 花が生まれて
思うようにはならなかった 私の手のひらを
四月の色で満たし ....
たゆたう水、ゆらぎり。
荒れた部屋(生活感はある。)
きみのことばはいつもゆめみがち。
「たったひとつほしいもの」はいつもたくさんで、
雨水、涙音、浸水。
いつだって僕はここ ....
さよなら
気泡みたいなことばを
無造作に夕暮れに飛ばしてみると
橙にすっと溶けていったのは
声が震えていたせいかもしれなかった
車輪の音、渇いた
ペダルを思い切り踏みしめて
陽炎 ....
神が引きあわせし
おぼし召しか
地下に沈んだ
鈍色の界隈の中で
二つの魂は出逢った
強く惹きあう
その穢れなき愛は
至高の芸術を
求めあい
深く
深く
蒼い情感の ....
本音よりも建前がほしくて
自信よりも確信がほしくて
将来よりも今がほしい
ゆら ゆら ゆらら
ゆだねる しずかに
愛よりも希望にすがり
生よりも ....
四角い鳥かごの小鳥を
人差し指という小枝へ導く
みなみは細く圧迫される指を
目線まで上げて
「この部屋も 鳥かごみたいね」と言う
秋とは名ばかりのあやふやな風が吹き込む
窓辺に吊るした ....
蛍の明かりより清かなる
月の明かりを光源に
夜の闇間に歩き出す
夜の空気を身に纏い
影法師だけを引き連れて
夜の闇間に歩き出す
冷たい空気を吸い込んで
夜との同化を試みる
身体に夜 ....
空はずーっと繋がっていて
僕らはこんなに離れていても
同じ空を見上げているんだね
淋しい事は 何もない
そう思っていました
荷物を詰めながら
全部持って行くんだから
そう思っていました
全てを運び出した後
部屋に残されたのは四年間の跡
机の跡 棚の跡 冷蔵庫の跡
....
なぜだろう あなたが
ふり向く瞬間が わかる
どうしてだろう あなたが
求めたものが ここにある
なぜだろう 私が
凍らせた言葉を 知っていて
たやすくそれを 解きほぐしてゆく ....
精神だってそうなんだから
いのちも病にかかる
見えないものだって
病にかかるに決まっている
立川駅南側の商店街が
藍色のなかだった
硬質の光を放っている
....
雲を
積み上げた
その上に君とふたりきりになれたならいいのに
ひとりにしないで
寂しさじゃ死にはしないけど
悲しく
悲しく
なるでしょう?
シロとクロは
相反する色をして
だけど、寄り添い
補っているようで
二匹はいつも
空き地の隅に
重なるように眠っている
実際は交ざることなく
無造作に生えた緑から
シ ....
窓際の席はいい
空と風にいつでも触れる
特に今日はとても気持ちのいい天気
あたしは青と白の完璧なコントラストを
ひだまりの中で見上げていた
女 ....
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