あなたが
私を降りる日がやってきました
晴れた穏やか日も
嵐の日も
私はあなたとともに
進みました
着いた地は
新しい居場所
慣れない地での
不安もあるでしょう
....
長いこと 時間はたった
ずいぶんと 睫毛も 声も 痩せてしまったね、と笑う
それすらも
全部両手で抱えて持ってゆきたい 日常の風景のひとつだった
おぼつかない足取り ....
私は
何でも出来るのに
何もしないから
何も出来ない
私は
本当は優しいのに
優しくしないから
本当は優しくない
私は
真面目な人間だし
面白い人間だし
周りの評価だって ....
あたし象がなくのをきいたことがあるわ
ミルクが冷めるので
君は急いで言うのだった
カーテン 君の室内とその壁
日が射しても 虫がいない日が多いので
もうテーブルクロスは ....
眠りにつく時、思い浮かべる
どんな夢を見よう
目を閉じて
少し集中
・・・そこには優しい面影
そして寄り添うように僕は体を預ける
もたれるように 呑まれるように
意識が遠退く感じ
優 ....
抱きしめてやると
思ったよりも簡単に
くずれるときの声を出した
髪の毛から
あまい胡瓜の香りがする
たがいの爪で
たがいの肉にわだちを描いた
俺は十八だっ ....
夏がわたしを冒していく
(おかあさんのつくったごはんには)
(毒がはいっている)
(でもわたしはおかあさんがすきなので)
(死ぬとわかってたべている)
そう思い続けて ....
あいつが私を殺そうと追いかけてくるので
私はウサギを捕まえようと追いかけます
私はウサギが逃れようとするほどに
必死にウサギを追いかけるのですが
あいつが私を殺そうとするほどには
....
混沌を抽出したような
音楽に溺れていると
時おり
冴えた月光だけが支配する
澄みわたった湖畔の風景だけが
浮かび上がるんだ
ノイズとスクラッチと
サンプリングと器楽音
音の ....
見慣れた景色
窓の外
あの家の屋根から
少しだけ頭を出していた木も
過ぎ行く歳月を知らせるかのように
大きくなった
風のある日は
大きくうねり
晴れた日は
緑を激しく ....
君の名は
眠りの国への
合言葉
4回つぶやく
扉が開く
あのとき、偶然
だれにも声をかけられていなかったなら
ぼくは今ごろ
ここにはいなかったのだ
偶然、生きているぼくは
今日も、また改札口をぬけ
ケータイを開き
牛丼 ....
失われたものが
失われる
方向にむかって、ひきのばされていった
絶たれるために
地球からながめると
原子核よりも
ちっちゃな
ちっちゃな
自分のからだの
どきどきしている
どっきどっきな
むねの奥で
ときどき ....
端正な横顔には
少しばかりの憂いがよく似合う
彫刻の様に滑らかで、なまめかしい純白の肌に、
赤いレースの衣をかざせば
魂(資質)が、
美(生き様)と、
溶け合って、
不可思議が生まれる
女は ....
落ちていく夕陽が一段と大きかった
真ん中に「キライ」と書いてあった
濃い橙色で燃え尽きる夕陽の真ん中に
真っ赤な色の浮き彫りで
真ん中に「キライ」と書いてあった
なんだか悲しいので目をそらし ....
痛みを知ることがなかったら
この愛おしさに気付くこともなかった。
ありがとう
私を好きになってくれて
空気の中を泳ぐ?
溺れてるようにしか見えないぜエアロ
睡眠もろくに取ってないんだろう
足もとがふらついてるし
さっきから目をこすってばかり
君の頑張りは無駄じゃないが
報われるかど ....
待つ人がいなければこんな辛い思いはしないと思う
僕を待ってくれている人さえいなければ
待つ人がいるところへ
僕は行く
けれど
待つ人のところに行っても考えてることは
別のところで僕 ....
キラメく 水を飲む朝の
ゆっくりとした 点滅球が
ぼやけて見えない
白 いイヤホン で 遮る笑い声
雨粒の 微動 もしくは波形
ぼんやりと眺める
踏まれている 足の痛み
知らない ....
海へ行った
病気の母を連れて
もう一年も前
秋の始まり
懐かしい
海岸線
生まれた町
揺れないゆりかご
籐の編み目の
飴色の海
その色を
ずっとみていた
ゆっくりと歩いて
波 ....
掴んだ袖先の感覚
少しずつ触れていく記憶
心の棘が零れてゆきます。
愛おしいと想えば想うほど
見えない旅路が怖くなる
恋しいと呟けば呟くほど
過ぎた海路に不安が浮かぶ
しないはずの後悔に言 ....
たっぷりとあふれんばかりに湛えて
こぼさないように歩く
ネットの海に棲む詩人が紡いでいる
いつまでも色褪せない
磨きこまれたナイフ
のような綴りに痺れ
少しでも掬い取ろうとつかんでも
手 ....
言葉にするとやけに現実味がわいて
ちょっと嬉しくなったりするじゃない
君を思って温かくなったり苦しくなったり
恋を分解してみるの
恋には教科書がないから
前と同じじゃ届かないけれど
新しい恋 ....
それは、静かな石だから、(青い)のです。
きっと美しかったであろう、
きみの石。
一億年の沈黙が(きみ)を呼んでいたから、
石は、ゆっくりまわれ右をして、
きみのもとをはなれていった ....
窓は私と世界をつなぐものだ
晴れの日は紋白蝶の光が注ぐ
粒々だらけの目で愛でる世界
雲は脳を冷ます高純度の白で
純白の雲は影がない密な氷だ
私は頬張りたくて口を開ける
窓が息に曇ってすぐに ....
あの日
びるのてっぺんは
どれだけ
さみしいひかりがみえたの
むてっぽうなことで
きみも
やっぱり そんを したのだろうか
そっとちかづこうとすると
花をちらすみたいに ....
満天に輝く星が失せ月満ちたなら
花咲き誇る野に出でよう
春霞、薄絹の衣を纏い夜露に身を沈める君を鎮める為に
蒼い青の光受け
愛を藍に染める君の
儚くも甘美な情を探りに出かけよう
刻は宴の盛り
時 ....
桜が好きな君と歩いた人通りが少ない桜道
嬉しそうにはにかみながら桜を眺める君
そしてその姿を見つめる僕
「また、雨が降って。桜も散ってしまうね」
愛しそうに桜を眺める君がポツリとつぶや ....
6月4日
母の45回目の誕生日
父が花を買ってきた
最近会話のない父と母
少し心配していた
けど
何も話さず、微笑ましく花を見ている二人
父と母だけの時間がそこにあって、
今だ ....
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