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砂浜の風が
朝夕に向きを変えるように
君は気分で風を変える
冷めている空気が
暁の光に変色する時
君は急に大人びた表情を見せ
自足の笑 ....
好きかもしれない人は
好きな人になり
好きな人は
好きだった人になり
好きだった人は
苦手な人になり
苦手な人は
嫌いな人になり
嫌いな人は
知らない人にかわって
わたしの体に ....
空の火と唱斬る光ひらめいて水銀の音ひもとくもののふ
糸車投げ与えられる糸車ひとりの冬に燃されゆく夏
亡霊に起こされ散らばる骨を視る未明の標ゆらめく標
....
いつか語っていた景色だったら
巣食っているのは本当なんだろう
少しだけ多くの時間をかけて
誰よりも歩いた気分になれる
腕時計、を外して
その跡を順番になぞる
縛られた指先が千切れると
....
静けさを呼吸して
ふくらんだ悲しみをはく
そんな自分を少し可哀想だと思う
今日も一日、雨だったから
なんて、理由にもならない
何となく電源を入れた
パソコンがウィーンっていいながら ....
「逃げる」を見つめてました
ある時は空腹から逃げました
耐えきれずに食べてしまったのです
あんパンは美味しかった
すぐに食べられることの幸せで
逃げていたことを気づかないふりをしまし ....
落ちてゆく
夕陽の触り方を
知らない子どもが多い
つるりと
何のためらいもなく
なで回すと
とたんに飽きてしまう
そうして
バイバイと手をふって
見送ってしまうのだ
そんな
少し ....
君がいると知ってたら
よろこんで
迷い込みに行ったのに
美しいものが好きだ。
汚いものが嫌いだ。
でも
汚いものの中の
美しいものは好きだ。
背伸びした 装飾だけの 言葉達
眠る前に
くちびるの形だけで
あなたのなまえ
を呟いてみたら
ほろほろと
星が生まれてく
夜は
思ったよりも深くて
あしたの方向で
あなたのなまえの星が揺れてる
不器用にしか進 ....
太陽だけを愛していたい
眩い その輝きを
自らの鼓動に閉じ込めて
紫陽花のように
陽射しを抱きしめて
明日を信じていられるように
月の輝きに頬ずりしたいのは
さびしくなったから
す ....
時々子供のように
自由奔放に本能に従って
手足をばたつかせながら
泣き叫びたくなる
大声で泣き叫びたくなる
本当は誰かに気づいて欲しいのかもしれない
本当は誰かに理解された ....
会いたい
会いたい
話したい
私にとって
あなたは水なのです
雨の温度が秋であれば
降りしきる時が吹かせる
あの風が好きだ
小雨であれば
プリントアウトした君からのメールを
焚き火にくべよう。
消去するときは軽々しい一瞬だったけど
剥がして ....
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それは組み合わされ回転して行く主旋律
強い流れ 弱い流れ
停止する感情
全てを巻き込んで流れ
大きな河となる
山間に蕩々と湧き出る泉から
....
片足を曳いて
空を登る
これは頂上から下げる予定の頭
導く、斜陽は赤く、大きく
目を伏せる、花は白く、不気味に
大きく
わたしを
きみを
祝福して
大きく散るだろう花の学術名を手探っ ....
日が暮れた
台風は過ぎて
雲はまばらで
今日最後の青色が
西の空に透き通っていた
その時
始めて僕は
空を実感した
多分
僕の眼の濁りと
どこまでも続く青の深度が
一番星 ....
分からないことが
きみの
口に
つめこめれて、むきだしにされた
まま、きみは運ばれていった、
夜には、
わたしの口に、きみの死が
押し込められて、
何もできないということの ....
だれも 電話にでなかった
冷たい風は夏服のわたしを悲しくさせる
雨のにおいは記憶のなかにしか優しさをもたず
思いつく限りの番号を履歴にのこして
だれもだれも忙しいなかで一人だけ時間の空白を ....
波は静かにおどる
朝の眠りの中を漂うように
静寂だけがあたりをつつむ
命のかけらもないような
空虚な世界がそこに広がる
春の海は
私を静(せい)なる宇宙へいざなう
波は激しく打つ
....
どこにだったか
どこでだったか
てんしのこえきいた
いつだったか
うまれるまえだったか
てんしのこえたしかにきいた
なんていったか
なんかいったか
てんしのこえ ....
自分のせいでもない
親のせいでもない
環境のせいでもない
誰のせいでもない
何かのせいでもない
もって生まれた宿命
自分のせいにもできない
親のせいにもできない
環境のせいにも ....
誰も
信じたくない
誰とも
話ししたくない
顔も見たくない
全てが
うそ臭く
見えて
全てが
きたなくて
大人というものが
信じられない
傲慢に見える
卑怯に見える
....
夜にだけ開く目蓋
過去の痛みを抱いて眠り
囚われたままの羊
棘が脚に食い込んで
そっと伝う紅
翠の眼の果てに映る
永遠の蒼は止まらない
堕ちる月を睨んで
民を殺すと誓っては
振り ....
ゆっくりと赤ん坊に返る
その人をわたしは知っている
夫の祖父だ
わたしを、「大きな女だ」と言った、祖父だ
いつも戦争の話をする、祖父だ
布団の上でお絵かきをしていた、祖父だ
初めて ....
あなたは
この道を
ふたりで歩こうと
言ってたのに
嘘つき
でも
嘘つきは私
そんな日がくるなんて
信じてないのに
微笑んで
頷いたのだから
ここが好き
机と本棚の少しの隙間
すっぽりはまって
ほっくりゆったり
ここが好き
縁側に干した布団の上
ぽかぽか陽気に
閉じたまぶたで
視界はオレンジ
ここが ....
悲しい夜はふけていく
明けない夜はありえないと
やさしい現実とは無縁の今夜
輝く太陽は昇らない
錆付いた鍵すらなくしてしまって
出口をなくしてひざを抱える
浮ついた心がすべてを恐怖 ....
君が抱える悲しみと
僕が抱える喜びを
ほんの少しだけ交換しよう
君が笑っていると僕は嬉しい
君が泣いていると僕は寂しい
理由はたったそれだけだよ
涙を流す時は一人じゃいけないよ
....
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