春、という実感もないまま
海を泳ぐ
わずかに持ちあがった
二の腕から滴る光に
戸惑う
掻き寄せるものは
どれも曖昧な痛みばかりで

だいじょうぶ、と
支える声は
生え変わったばかり ....
いくつもの読点で、あなたを区切って
体内へと運ぶ


元のカタチを、思いだすこともできないくらいに
細切れに、咀嚼していく
小指の爪から、過日の砂が落ちて
潮の匂いがした


 ....
飛ぶ鳥はとても軽いのだということを
わたしはときどき忘れる
飛ぶために鳥が捨て去ったものの重さを
わたしはときどき忘れる

鳥の骨は細く軽く
すきまだらけで脆いということを
150kg超 ....
誰かの哀しみを拾い上げる
冷たい小糠雨に濡れ
誰かの哀しみは
つぶらな瞳でわたしを見上げたように思えて
この胸に優しく抱きかかえた

歩道橋下の暗がりで拾い上げた
誰かの哀しみは
手の ....
街外れのバス操車場の裏に
遊園地はひっそりとあった
中心には音楽を鳴らしながら上へと向かう
ゴンドラのようなものがあった
一番高いところに着いても
近くにある民家の壁や窓しか見えなかった
 ....
上巳の日
川で身を清め
穢れを流す
不浄を祓う

香る花
おぼろな月
のどかな心

桃の酒 ひとくち また ひとくちと 弥生に酔う

春来たりなば夏遠からじ

からすのえんど ....
それだけで
なんて
透明で
美しい朝
好きの定義はわからないけど

目を赤くさせながら

メールのやり取りをしている

セックスがゴールなら

そうではないと教えるだろう

月はまるいというけれど

ちがう光のかた ....
色褪せたような気がした
こんな果実を読んでしまったあとに
何を書けばいいのだろうか



打ちのめされた気分になりながら
深く心が震えている
放たれた結晶に共鳴するように

あり ....
わたしの影は揺れながら
誰も知らない夜道を歩く
永遠に追いつかない 
「 一人前 」に向かって 
きみが終わるその前にぼくが終わるから
その時を見届けて
未来はいつもそこにあって
正しく時を刻むから
たまに現実が分からなくなるけど
目の前にあるそれが紛れもない現実
心の中の桜


目を瞑って
桜を咲かせる
心の中で
もうすぐ手を繋ぐ
あの子への
シミレーション
何度も何度も
心の中で挑戦するのに
まだ
タイミングと
勇気と
繋ぎ方と
 ....
人に命が宿る時
神様の手により
その頭の中に差し込まれる
天より伸びるプラグ
その幾つかを
神様は差し間違える
人の頭に差し込まれるそのプラグは
膨大な数にのぼり
人の頭の中の配線は  ....
日向ぼこ動く季節に恋してる

遠くから届く匂いは水仙花

春風や子供等の声弾んでる
懐かしいあの場所へ
もう帰れないかもしれない
たくさんの夢を見た
懐かしいあの場所へ
もう戻れないかもしれない

夢はいつも
遠い空の向こうで私を手招きする

あの日あなたに出会わな ....
ノックをしてみる
と、きちんとノックが返ってくるので
僕は待ってる

春になって数回目の風が吹く
見上げる空の青さも
鳥の羽ばたきも
風にさらされている皮膚も
本当は多分
言葉でしか ....
芽吹きの季節とはいえ
冷たい風が菜の花を揺らし
川面を颯爽と走る

光が流れていくのを
ただぼんやりと見ていた私は
纏わりついた髪をすき
静かに歩み始める

荷物は案外少なかった
 ....
満月の恋


満月の夜
悲しみだけが
膨れあがり
喧嘩して
怒って
しまった

歴史の浅い
恋ほど
対応のパターンが少なく
どうして良いのか
分らなくなってしまう
満月 ....

女の子
女の人
女性
分からない人たちです

まず少女マンガにはなぜ花が散りばめられているのか
それはどのような意図に基づいて配置された花なのか
もっさりしたアジサイですら可憐なの ....
素数ばかりの現実を逃れて
羊水に包まれたような充足と安心を
浅い眠りに{ルビ貪=むさぼ}る、朝
休日の

{ルビ繭=まゆ}の内に垂れる
一本の危うい糸に吊るされた体躯を
淡白い光りの方角 ....
あしたのことを
考えていました
今が今でしかないことや
過去が過去でしかないことは
そっと忍び来るあしたにくらべれば
ずっと簡単なこと
あしたはいつも単調 そんな貌で

あなたのこ ....
夕焼けの色 頬に下さい



過熱する愛を雪で形造るその身焦がして融けてゆく君

絡み合う糸は指で解けなくて もがけばさらに絡まってゆく

巻き髪を指で遊びくちづける君のおもちゃにな ....
しんどいのはこれからです。

何度でも落ち込んで、またあたらしい話を聞いて、
立ち上がることができます。

ハッピーエンドで正しい道を選んだ主人公が
これからもずっと、話の終わったあとも
 ....
これはあなたの息
匂う糊 舌で封した
透ける封筒に夕暮れ
誰もいない堤防沿いの


机の下で凍える紙
打ち捨てられた 仄暗い
空白が罫線を飲み込む
宙を踊る文字は


部屋 ....
ただ隣にいるだけだった

ただ隣で笑っていた


「今日はどこ行こっか」


そんな言葉が懐かしい

笑い声がこだまする

思い出の写真が突き刺さる

失って初めて気づく
 ....
あの古い家の二階の窓に
いつか見た雲が流れてゆく
雲はいつもあの窓に吸い込まれ
戻って来ない日を数える
そっと指折りをする


窓ガラスに昼の陽がさして
辺りはぱっと明るくなった
物 ....
あなたが美しすぎるから 僕らは狂ってしまう
時間も距離も歪んで 上手に掴めなくなってる

錆びないセンス ステンレス
たまたま言霊 手玉に取って

夢を見てるだけでしょう
わかってて ....
{引用=からだのすべてを耳にしてしまいたい、いっそ}




糸電話から伝わった振動が、
あのひとの声だったと気づいたときには、もう
音もなく、底はふるえない
わたしを塞いでいく夜にも ....
つきあって一周年の記念に
バラを一輪もらった

花が欲しくて欲しくて
あなたから贈られたくて
せがんで だだをこねて
やっと初めて貰った一輪

二周年には二輪ねって言われて
はしゃい ....
くしゃみをひとつする、と
私たちは地球儀から滑落して空に溺れる
あの日グラウンドから送った影は
手をつないだまま鉄塔に引っかかっていて
捨てられたビニールのレインコートのようだった

バス ....
月下美人さんのおすすめリスト(890)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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カニバリズム- 望月 ゆ ...自由詩43*08-3-22
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拾い続けるひと- 恋月 ぴ ...自由詩30*08-3-15
百合- たもつ自由詩1108-3-13
きれいに涙が響いたら- 北大路京 ...自由詩19+*08-3-9
あなたがいるだけで- 風音川柳6*08-3-5
大人げない- 吉岡ペペ ...自由詩508-3-4
共鳴する果実- kauz ...自由詩5*08-3-4
四行詩_- 服部 剛自由詩708-3-4
寂しいと嘆いてもそれはただ宙を舞って消えていくだけ- と。り。自由詩308-3-4
心の中の桜- 夢乃 綴 ...自由詩108-3-3
神様- ここ自由詩2*08-3-3
- 夏川ゆう俳句108-3-3
懐かしいあの場所へ- 未有花自由詩11*08-2-28
ノック- たもつ自由詩2408-2-27
春風- こゆり自由詩24*08-2-26
満月の恋- 夢乃 綴 ...自由詩108-2-26
別人- 佐々木妖 ...自由詩22*08-2-24
君と空へ- 佐野権太自由詩19*08-2-22
考えていました- soft_machine自由詩16*08-2-22
夕焼けの色_頬にください- さくらほ短歌11*08-2-22
ハッピーエンド- 湖月自由詩1*08-2-21
時計の無い街- 及川三貴自由詩508-2-20
失ってみて- 坂本隼人自由詩408-2-20
- 石瀬琳々自由詩18*08-2-20
ベクトルは_いつも_幸せに向けて- 北大路京 ...自由詩25*08-2-20
朝の、底- 望月 ゆ ...自由詩31*08-2-20
ドライフラワー- sekka自由詩2*08-2-19
青を、- Rin.自由詩3008-2-18

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