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指専用のバス停に
思い思いの格好で指が並んでいる
やがて指専用のバスがくると
指たちは順番に乗り込んでいく
おそらく指にしか
行けないところがあるのだ
慰めが必要だったのは
本当は誰だっ ....
薄い網戸の向こう
何かの割れる音がする
今日は朝から寂しいものが降っているから
話しかけるみたいに一日を生きたい

消えていくシャーペン工場で作られた最後の一本が
同じ価格で店頭に並ぶ ....
かなしいふちに降る雪が、
しろくしろいねむりにつき
冷気をはりつめて
その肺にひびいている。
しぃん、とした熱が、
深淵から徐々にひろがり
焼けた声となって吐き出され
冬の空 ....
フィチカ、雨の国。

春には雨の花が咲き
夏にはきらめく雨がふる
秋には雨も紅葉し
冬には白い雨がふる

   (誰か)が「冷たかろう」と言い
   (誰か)が「寂しかろう」と言う
 ....
バス停に置かれた 
切り株に腰かけ 
川沿いの道の向こうにある 
斎場を眺める 

{ルビ一月=ひとつき}前に 
木魚の響くあの場所で 
遺影の額から微笑した 
老婆のからだはすでに溶 ....
りんごを食べたら
なつかしい故郷の味がした

と言ってはみたものの
この街で生まれ
この街で育ったから
故郷らしい故郷なんてどこにも無いんだけど

でも、不思議なんだよね
ひとくちか ....
父の髭を剃る
一週間たった柔らかいのを
電気で剃るのは難しい
首など歯のあたりにくい所は
よく伸びる皮をひっぱて剃っていく

その薄くなった皮膚の下に
赤くて細い血管が透けて見える
こ ....
Think small
ワイドショーでは
毎日ひどいニュースが流れている
母親を殺した父親を殺した息子が
たった今殺されました
なんて、心寒い時代なんだな
だけどそんなこと
君を傷つけた ....
ほんものは 
かぜになびいた 
いなほになって へりくだる 

わたしはいつも 
ささいなことでいじをはり 
いなほになれず そりあがる 

じょうしきてきな 
じょうしのこごと 
 ....
風が鳴る
凍える魂を
ひき連れ去る寒月を
湾曲する星夜の岸を
鋭く細く鳴っている

{ルビ居炉裏端=いろりばた}の数え歌は
今宵も尽きることはなく
月影の枝が
障子に透けて心細くゆれ ....
このまま行けば
東北だけど
宇都宮で降りてしまった
理由はない
餃子が食べたかったわけじゃないわ

雨でした
つめたい雨
季節が都会ではわからないなんて嘘
道行くひとの服のいろ
空 ....
「 誕生 」という地点から 
「 死 」へと結ばれる 
一本の糸の上を 
わたしは歩いている 

頼りなく両腕をひろげ 
ひとりきりのサーカス小屋の舞台上を 
よろよろつなわたる道化とし ....
何色もの絵筆を洗った様な
川の底に積み重なる
限り無い顕示欲

夜更けの鼓膜を這う
暴かれる為に在る嘘の
衰弱した響き

愛する人と見知らぬ人の境目を
見失わせる極日常的な失意

 ....
その頃田舎で独り暮らす老婆は
畳の部屋で湯飲みを手に 
炬燵の上に置いた
一枚の白黒写真をみつめていた 

身に纏う軍服と帽子の唾下から
時間を止めたまま今も微笑む 
あの日の息子 
 ....
語らないでいると
ケニアがある
暗闇の中
愛美が物語の続きをせがんでいる
言うなれば足だ
五本指のソックスで
地表が埋め尽くされていく
人に理由などないように
人であることに
理由な ....
めまいがするほどに単純な設問の数々
「はい」か「いいえ」のいずれかで答えよと記されていた
簡単な筆記試験だからと
人事部のひとはわたしを残し出て行った
小一時間もあれば出来るよね
何だかなあ ....
江ノ電の窓辺に{ルビ凭=もた}れ 
冷たい緑茶を飲みながら 
ぼうっと海を見ていた 

突然下から小さい手が伸びてきて 
「かんぱ〜い」 
若い母の膝元から 
無邪気な娘がオレンジジュー ....
    彼は文学館の一隅に再現された、今は亡き作
    家の書斎に立っていた。木目の机上には白紙
    の原稿用紙が一枚置かれ、スタンドの灯りに
    照らされていた。

    まだ ....
【こころいき】
映画のチケットを買おうと
列に並ぶ私の前に
「心意気」が割り込んできた
実にけしからんことである
文句を言おうとして
口を開きかけた私を
「心意気」は睨みつけてくる
鼻 ....
昨日のゴミ置き場で 
幸せそうに日向ぼっこしていた 
白い便器の蓋が 
今日は無い 

腰を痛めて十日間 
介護の仕事を休んでいたら 

先月の誕生会で 
目尻の皺を下げていた 
 ....
【きがあう】
家の庭に「気が合う」が生えた
そういうこともあるんだなあ
生まれたものは
育てなければならない
私は100円ショップに
ゾウさんじょうろを買いにいく
ミドリにしようか
ピ ....
昼寝から目を覚まし 
休憩室から職場への 
一本道を歩いていると 

路面に置かれたひとつの石は 
忘れられてもなぜかまあるく 
不思議とぼくを励ました 
{ルビ雀=すずめ}の親子が列になり 
1・2・3・・・ 
路上のひなたに
小さい影が跳ねている 
物語にも詩にもなれない言葉たちが積もっていく
それは、心の、大きな空洞を埋めることなく
外に積もる

臆病者には、逃げ腰の姿勢がいちばん似合いだよ
罪悪感を抱え込んで
それは、この砦に残っ ....
藍色のカーテンを
閉め切った部屋で 
スタンドの灯りに
照らされた机に向かい 
すれ違うこともないだろう 
百年後の誰かに手紙を書いた 

万年筆を机に置いて 
深夜の散歩に出かけると ....
わたしという 
一人の凡夫は 
目には見えない
風の絹糸で 
見上げた夜空に星々の巡る 
あの 
銀河のメリーゴーランドと 
繋がっている 
ユーミンの歌だったと思うけれど
だれかほかの人が歌っていた
サーファーが、
銀行員になった友達と再会して、
お茶するっていう歌

それで、サーファーは、
銀行員の友達のパリッとした姿 ....
  

 ターテンは
 両足が不自由で
 下半身と両腕に
 ギプスのような器械を
 つけていた
 本名の達野公彦と呼ぶ者は
 誰もいなかった
 みんな彼をターテンと呼んだ
 ....
「 あさって帰る、戸締り頼む。」 

親父の書いた太い字の 
メモはテーブルに置かれ 
日頃にぎやかな 
家族みんなは婆ちゃんの 
米寿の祝いで熱海に行って 
ひっそりとした家の中 
 ....
老夫の胸に
長い間蓋を閉じていた
遠い日の戦  

時折今も夢に見る
モノクロームの場面 
白飯を掻きこんだ後 
張り詰めた空気の部屋で 
就寝前 
心細く母のことを語らいながら 
 ....
soft_machineさんの自由詩おすすめリスト(1626)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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ゆきをんなとわたくし- こしごえ自由詩10*07-12-8
フィチカ- ルナク自由詩44*07-12-2
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りんごの詩- 恋月 ぴ ...自由詩31*07-11-28
髭剃り- たもつ自由詩707-11-26
Think_small- Tsu-Yo自由詩407-11-26
ふぃぎゅあまん_9.99_- 服部 剛自由詩6*07-11-20
いなか- こしごえ自由詩11*07-11-19
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「_詩人の窓_」_- 服部 剛自由詩3*07-11-12
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言葉日記2- Tsu-Yo自由詩507-11-8
「_無_」- 服部 剛自由詩32*07-11-6
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十一月- チグトセ自由詩6*07-11-6
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サーファー- ふぁんバ ...自由詩4*07-11-2
ターテン- カンチェ ...自由詩1107-11-1
「_暖炉の炎_」_- 服部 剛自由詩7*07-10-31
鉛色の街_- 服部 剛自由詩407-10-31

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