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{ルビ雀=すずめ}の親子が列になり 
1・2・3・・・ 
路上のひなたに
小さい影が跳ねている 
物語にも詩にもなれない言葉たちが積もっていく
それは、心の、大きな空洞を埋めることなく
外に積もる

臆病者には、逃げ腰の姿勢がいちばん似合いだよ
罪悪感を抱え込んで
それは、この砦に残っ ....
藍色のカーテンを
閉め切った部屋で 
スタンドの灯りに
照らされた机に向かい 
すれ違うこともないだろう 
百年後の誰かに手紙を書いた 

万年筆を机に置いて 
深夜の散歩に出かけると ....
わたしという 
一人の凡夫は 
目には見えない
風の絹糸で 
見上げた夜空に星々の巡る 
あの 
銀河のメリーゴーランドと 
繋がっている 
ユーミンの歌だったと思うけれど
だれかほかの人が歌っていた
サーファーが、
銀行員になった友達と再会して、
お茶するっていう歌

それで、サーファーは、
銀行員の友達のパリッとした姿 ....
  

 ターテンは
 両足が不自由で
 下半身と両腕に
 ギプスのような器械を
 つけていた
 本名の達野公彦と呼ぶ者は
 誰もいなかった
 みんな彼をターテンと呼んだ
 ....
「 あさって帰る、戸締り頼む。」 

親父の書いた太い字の 
メモはテーブルに置かれ 
日頃にぎやかな 
家族みんなは婆ちゃんの 
米寿の祝いで熱海に行って 
ひっそりとした家の中 
 ....
老夫の胸に
長い間蓋を閉じていた
遠い日の戦  

時折今も夢に見る
モノクロームの場面 
白飯を掻きこんだ後 
張り詰めた空気の部屋で 
就寝前 
心細く母のことを語らいながら 
 ....
ふいに目の覚めた深夜 
妻の亡いひとり暮らしの老夫は 
布団から身を起こす 

サイドテーブルに置いた 
リモコンを探りあて 
ボタンを押す 

テレビに映し出された 
モノクロ画面 ....
{画像=071102135328.jpg}

秋を絞り採る作業を
定数で合わせようすると
声が出ないことに気がついた

黙っていろ、という事なのかと思い
あめ玉を舐める

れーろ、
 ....
この橋の下には
黒い川の流れがあったはずだ
すべてを押し流そうとした
鉛のように重く黒い川の流れが

燈篭流しの燈篭が流されていった
誰かが投げ捨てた麦藁帽子は橋桁で朽ち果て
パンパンに ....
旅先の古い駅舎の木椅子に座り 
彼はなにかを待っている 

別段何があるでもなく 
時折若い学生達の賑わいに 
花壇の菊の幾輪はゆれ 

特別おどろくこともなく 
杖の老婆はゆっくり横 ....
腰を痛めて休養中のある日 
一本の万年筆を右手に持ち 
ノートを開いた
机に向かっていた 

窓の隙間から吹く風に 
浮かび上がるカーテンの 
見上げた空にはいつかと同じ 
つばめの群 ....
鼻をかもうと 
男便所の扉を開けたら 
トイレットペーパーは 
三角に折られていた 

便器を囲む壁に取り付けられた
ベビー用の小椅子には 
説明シールの絵が貼られ 
腰を丸めておじぎ ....
黒い道路を
雨が流れて
激しい雨が
夜を始めて
光が映って
楕円に歪で


激しい
雨が
降って


鍵盤を

両手で

駄目な

両手で

ちぎれ

 ....
   1
野原を駈け抜ける
モノクロテレビの遙かうえ
空が上手に飛んでいく
秋だな
と誰もが呟きたい秋に
ベースボールは歌わない
アウトとセーフの間を
走るのはイタチ
追いかけるもの ....
雨の日にモーツァルトの{ルビ弾=ひ}く 
ピアノの単音を背後に聞きながら 
今頃声をかけあい 
ひとりの老人を介護する 
同僚達を思い出す 

{ルビ忙=せわ}しい職場を離れ 
こうして ....
月曜日
わたしには仕事などない
だけど、うちにばかりいると叱られるから
とりあえず、仕事に行くふりをして
たんぼの畦道をよろよろと歩いた

畦道は細くなったり
太くなったりして
歩きや ....
棚の上に置かれた 
小さい額の中は 
去年の祖父の墓参り   

過ぎた日の 
こころの{ルビ咎=とが}を忘れたように 
墓前で桜吹雪につつまれ 
にっこり並ぶ 
母と祖母 

雲 ....
一日というものが 
こわいほど 
早くに暮れる 

きっと人生は 
序章から終章まで 
風にめくれる無数の{ルビ頁=ページ}を 
一瞬のひかりでつらぬく 
一冊の本 

一日の終わ ....
 詩なんて書けないと泣いた T

 恥ずかしがりながらも書いた H

 出逢う前から詩的な言葉をこぼしてた M

 言葉の代わりに花を生けて返した N

 綺麗な声で唄った Y

 ....
先日詩人の夫婦に会い 
日々寝不足の夫の目に
{ルビ隈=くま}ができていたので 
妻に「大丈夫?」とメールした 

妻の名前で受信した 
返事の中味の文字からは 
「大丈夫だよ」と
夫 ....
どんなに鮮烈な映像も、感情も
あとからあとから
注ぎたされる
とろりとした夢水に
輪郭を曖昧にして
とらえようとするほど
淡くまぎれてしまう

過去と未来の、あるいは
前世と来世の狭 ....
残業の時刻 
隣の机の同僚が ぼりり と 
飴を噛みくだいた 

「 お年寄りにもらったの? 」 

「 はい、Tさんから 」 

耳の聞こえぬTさんは 
お婆さん達の会話にいつも入 ....
冬、でもない
パンダでもない
みんなとんでもない
あぁ、プロパガンダ
生贄の檻、ひとり、ひとり、ひとり、
火の鳥
永遠の命を運んでくる前に
永遠の檻

秋、でもない
あられが降って ....
指の形を覚えている
緩やかな節への流れと
その静かな温度を

ある日私の地平の向こうへと
吸い込まれていった
橙の夕暮れも透明なカラスも
かつてはその指を知っていた

今は置き去りに ....
僕の
頭の上で

機嫌を損ねた
灰色の空が

意地悪そうに
雨を降らせる瞬間を
見計らっている

僕は
被った帽子を
顔の半分まで引き下ろして
小さく
舌打ちをしたけれど
 ....
ひとりで
回転寿司に行きますと
何周もしている
モンゴイカにふと
周回遅れのじぶんじしんを重ねて
真向かいの
ホスト風の男が
うにいくらと注文しているのを
同じ色の皿ばかり積む私は
 ....
お葬式の帰り
タクシーでいっしょになった
あまり仲良くなかった美代ちゃんと
彼のおもいで話をしようとしたけれど
たいして
覚えてることなんかないねって

シャッター通り
そういえば
 ....
無いものねだりをするよりはと
秋の白い雲流れる堤防で
ひとり
清貧ということばの意味に思いを馳せる

それはあまりにも懐かしいことば
仄かなランプの灯かりを頼りに
見果てぬ夢を追い続けら ....
soft_machineさんの自由詩おすすめリスト(1634)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
親子の影_- 服部 剛自由詩3*07-11-6
十一月- チグトセ自由詩6*07-11-6
宛名の無い手紙_- 服部 剛自由詩6*07-11-5
風の絹糸_- 服部 剛自由詩707-11-4
サーファー- ふぁんバ ...自由詩4*07-11-2
ターテン- カンチェ ...自由詩1107-11-1
「_暖炉の炎_」_- 服部 剛自由詩7*07-10-31
鉛色の街_- 服部 剛自由詩407-10-31
深夜の老夫_- 服部 剛自由詩407-10-31
あめ玉- はらだま ...自由詩13*07-10-30
黒い川の流れ- 恋月 ぴ ...自由詩28*07-10-30
枕木の音_- 服部 剛自由詩507-10-29
「_空のつばめ_」_- 服部 剛自由詩207-10-28
夫の姿勢_- 服部 剛自由詩6*07-10-28
- 水町綜助自由詩1807-10-27
人間、その他大勢- Tsu-Yo自由詩407-10-26
モーツァルトの指_- 服部 剛自由詩4*07-10-26
なんでもない一週間- 小原あき自由詩36*07-10-26
カツのころも_- 服部 剛自由詩8*07-10-25
パスカルの顔_- 服部 剛自由詩3*07-10-25
平等- 北大路京 ...自由詩12*07-10-25
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気ままな散歩- Porter自由詩2007-10-9
おひとりさま- ふぁんバ ...自由詩22*07-10-8
空へのぼる音- ふぁんバ ...自由詩10*07-10-6
銭の花- 恋月 ぴ ...自由詩34*07-10-3

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