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放課後の教室で
きみは階段をつくっている
けしごむやペンを並べて
足りなくなると
ぼくのまで使って
ふでばこも教科書もかばんも机も
なんでも使って どんどんのぼる
きみが あんまり必 ....
自分の絵を描くとまるでへびのようになった
だけどへびはすきだ
わたしは満足する
あなたは絵が上手で
わたしを描いてくれたその絵はまるで海か夕方の布団のようにゆたかで
わたしはさみしくなり ....
いつも見ていたまるみ
目の前にくっきりとした円
そしてひとり人や心を求めて君は
手をのばした わだかまった体から
空の向こうへと 指先をのばしていく
行くほどに回りで
雲たちがたくらむ ....
「ありがとう。出会ってくれて、ありがとう」
こんな言葉滅多にいえないボクの
彼女は君
ほんの小さなすれ違いに
真っ白な肌を
膨らませたり小さくしたり
「大好きだよ。ただ貴方 ....
幾千の出会いの
張り巡らされた紅い糸の中で
偶然
手に取った一本の糸が君と つながっていて
今の僕らを作り出してる
幾千の思いを
あふれてしまいそうなくらい抱えて
ひとつだけ
どう ....
辛いの、苦しい
彼女はそう言って落ちた
風に飲み込まれるようにするりと
どこにもぶつからず綺麗に土へ
僕は怖くて土を覗けなかった
真っ赤な海が、彼女が、そこに在ると思うと
涙が溢れ ....
寝苦しい熱帯夜抜け
頬を撫でる風向きも変わる
部屋の明かり消して
闇に耳を澄まそう
きこえる きこえるわ
微かな鼓動 儚げな虫の音
戻りたい あのころに
なにも知らなかった
君を待つ寂 ....
告げないと決めたら
気持ちが楽になった
この手で弄ぶには
余りにも重たい心
そっと
くるんで
見えないように沈めた
深い闇のなか
秘める 秘める
永い時をかけて
世にも 魅惑的 ....
空の果てを見つけた日
ここから飛び立てないと知った
引っ張り上げる手下りては来ず
空っぽな瞳で見つめた朝
小鳥がぱたぱた飛んでいた
地面があったと気付いた日
一本道の砂利道を
ど ....
枯れた心の中に君をおもう太陽がただ
ボクを照らしてるんだ
君はボクを好きでボクは君が好き
ボクらは恋人だよ
付き合ってるんだよ その事実がボクの心を照らしてるんだ
ボクはとても幸せだ ....
「はじめまして。」君の口からその言葉が紡がれるのが
怖かった
君を見つめていた時間がすべて
君を包んでいた空間がすべて
君を中心にしてまわっていた
僕の幻想が
壊れてしまう ....
それは、あまりにも失いがたかったのですが
みずいろの中で
其の風がひとり花占いをしていたので
とても寂しく思ったのを覚えています。
花は
時にわたしのなかを駆け巡ると
....
最後に見た夜空の星は
100光年の彼方からの100年前の光だ
それを見ながら僕は
緑色に濁った冷たい泥沼に沈んでいく
永遠と瞬間の狭間で息をして
一瞬の間に100年分 ....
午後からは雨がやんだ
小鳥のさえずりを聴き
その翼を懐かしく思う
雨上がりの空に架かる
あの虹の向こう側には
僕の両親が住んでいる
会いに行く途中の道で
水たまりで溺れる魚が ....
雨が降りやまない
世界ってそんなもん
光はたまに射すから美しい
価値に追いかけられて
青い蜘蛛の巣に絡まって
何かの拍子に思い出すこと
忘れた、もうずっと前に
....
表面張力にゆれる
視界に
夏の 影が
すうと足元から伸びて
あなたにもあるのだろう
この証は
重なり 離れることしか
できないと
叩きつけるよう 、に
涙は枯れることは無い
でも、必ず止まるから
無理しないでいい
今は泣きたいだけ泣けばいいさ
どんなに辛くても
いずれは時が緩やかな
波 ....
止まっていた半年間が
今日 大きく動いた。
この日を待っていた、
ずっとずっと。
泣きながら。
笑える気がしたから。
同じ時代を生きている
そんな奇跡のような現実が愛しい ....
湿度の高い暑さののこる夜
デリケートな僕の気持ちをそのまま形にしたような
溶けかけのシャーベットの残るグラスに
きれいに真ん中で割られた月が映ってる
シャーベットをひとすくい口に運 ....
「病気はどうして わたしを選んだの」
その答えを わたしは知っている。
わたしになら 耐えられるから。
病気との付き合いに
疲れたら
しゃがんで、
野の花に 耳を傾 ....
君にぶつかっていく 胸の底からすべてを吐き出して
君にぶつかっていく 体の細胞ひとつ残らず
君にぶつかっていく ありとあらゆる、感じるものすべてで
ごろんと見上げる 中途半端な夜空の下
ご ....
そこからしか生まれない
ただ音を出すのは簡単だけど
誰かに気づかれるのは
とても難しい気がして
こぽこぽと
水中でピース
雑誌の中でダラー握った赤んぼが目見開いて水の中を飛んでいるから
....
*灯台
かすかにまだ
光っている
間違えたままの、
やさしい思い出
わたしの幸福な思い違いを
あなたは
そのままにしてしまったから
....
雨の匂いに誘われて
夏の雨傘心地よく
浴衣の裾に滲む柄
季節に遅れた紫陽花の
色鮮やかに溢れ出し
メールに添付された
君の写真ばかり眺めていたけれど
「さっきはごめんね」
そのメッセージが 愛おしい そっと
撫でた
そうやってぼんやりしていたら
ノートパソコンはいつのまにかシャ ....
グレープフルーツの中に
何かがあるんだと思う
沖に出たときの風
外国へ行く船
大切に持ったままの手紙
何度読んでも分からないところがあって
おたがい誤解しているんだと思うけれど
説明 ....
とおいおそらを
みあげれば
いつも
そこに
あをのおと
くも
あめ
にじ
ゆき
おそらは
すべてを
のみこんで
おおきな
こきゅうを
するのです
なみだ
....
君を傷つけたくなかったんじゃない
傷ついた君を見て
自分が傷つくのが怖かったんだ
君を傷つけたくないからと
自分に言い聞かせては
君に伝えたかった一言を
どれだけ置き去りにし ....
そんなにきれいに泣けるのは
君がまだ子供だからなのか
黙した瞳から
その瞳と同じくらいにまるい
ぽろりと転がるように頬をかける
涙が
辛かったんだ
辛いって伝えるた ....
そぐわないものに心惹かれるのです。
アスファルトから伸びるたくましい雑草や、
青々と茂り視界を遮る街路樹や、
花束の中で枯れてしまった一輪の花に。
その景色に溶け込んでいない存 ....
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