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ぱちぱち
ぱちぱち
傘に当たる雨の音が
いつもと少し違い
メールを打ちながら歩くのを止め
頭をもたげた
23時。
ひとけのない夜更けの住宅街
濡れて黒くひかるアスファル ....
髪を洗う
シャンプーで
指にまとわりつく 髪
流せば
すべて抜け落ちて
頭蓋骨が現れる
その感触を
確認しながら
両手に少しあまる
この頭蓋骨の中に
詰まる 私
今日を 明日 ....
ッガんばれよっ
いきなり降って湧いた声は
聴きなれていたはずの声
思い出すことを拒否している声
でもでも
ぁありがとうっーーっ
降ってきた ....
すきとおる春の風が
ぼくを追い越してゆく
何となく息を吸って
両手広げてみたり
そっとすました顔で
となりにいるきみを見てみたり
ほら
ぼくらは
こんなにも自由なんだ
....
それは、微かだった
おもむろに ゆっくりと
そして、微かだった
そろりと 音もなく
わずかに
微か
生きている
日向に 住む 影法師
柔らか 柔らや 穏やかに
けぶる 靄の中で
花が 咲いては 折れ
花の 緑が 生まれては
花の
影が 笑っている
ゆたゆたと 傲慢なまでの
その 姿に
....
存在
が、{ルビ危=あやう}いので
私は爪を{ルビ齧=かじ}る
以外
存在の端くれを
確かめようがない
ので、爪を齧り続ける
親指を終えた頃
心臓の音が聴こえ始め
次第、次第 ....
みつめている
うつくしい景色のむこうに
誰かへつづく ひとすじの想いがありますか
胸の中 熱をおびた
夏の風は ふいていますか
どこからか
あなたへつづく 想いがあるように
わ ....
午後の陽射
見上げる、瞳
山吹色の世界で
あなたが 私に残した言葉は
今も 胸の中を響いています
遠く想う
あなたの生きる 街の風
あの日 藍色の翳りは
今も その胸の ....
街に灯のともる 夕暮れは
さびしくて
たえられないと だれかがいった
群青の空に
森の影が 長くのびて
かたかた風に つららが揺れる
でも
私はしらない
この夕 ....
誰も見ていないから今のうちに悲しんでしまおう
太陽が昇る前にそっと暗闇を隠してしまおう
溜息がこの部屋を満たしてしまわないように
いっそこの扉を開けてしまおうか・・・
それ ....
軽はずみを削除したつもりが
クリックが利かない
頭の中で消去消去
現実が痛打をくれる
目を覚ませ
目覚めの歌よ 柔らかな山々に響け
芽吹こうとする季節にこだませよ
もう一度今一度何度 ....
静かに語る歌声が
明日に紡いだ願い達
どれ程叶えてくれるかと
見つめて過ごす夢を見て
ささやかな温もりを
同じだけ与え続けて
報いを求める卑しさも
小さな箱に閉じ込める
優しく ....
おんなのこにうまれたら・・・
きっと、誰も、夢にみる・・・
たった一人の特別な人に・・・
「だいすき」のチョコを・・・
震える手で差し出す日を・・・
....
昔から あきらめを知りすぎていた
昔から 甘えることなどできなかった
だから
ただ 夢みるだけで
今でも
ただ 夢みるだけで
現実から逃げてるだけ
なのかもしれない
そうよ ....
あのひとが、
白い部屋から、
退院して、
窓の向こうで笑ってる。
涙が出そうになる。
なにもできなかったけど。
ほんとうによかった。
つまづきなんていうけれど、
つまづいた人の ....
よく晴れた日の午後
逃げ場の無い闘いに疲れた僕は
ベッドに寝転がり
重い日常に汚れた翼を休めていた
ラジオのスイッチを入れると
君の{ルビ唄声=うたごえ}が流れていた
窓の外に ....
いつも見ない夕焼けを見た
空が朱色に
本当に久しぶりに染まった日に
昔は明るい笑い皺ばかりのおばあちゃんが住んでいた
もう荒れ果ててしまった家の壁にもたれた紅梅が
ポン
ポン
ププ
と ....
毒を飲まされたような
嗚咽{嗚咽=おえつ}が喉をさかのぼって来るような
気だるくて 体が重い
気持ち悪くて 動けない
そんな錯覚が現実となって襲い掛かってくる
まるで体中に楔を打 ....
桜が 水仙が すずらんが
もうすぐほころぶであろう梅の花が
咲くのを待っています
ほら、あともうちょっとで雪が溶けて
山から降りてきた水が川に混じって
キラキラと水面を揺らし始めるよ ....
月明かりゆらゆらゆれて
シーツの波間に埋もれた私は
うっすら舟をこぎながら
懐かしい歌口ずさみ
夢の旅路へと出掛けるの
あの人が待つ、遠い彼方へ
何も考えられません
何もわかりません
何もしたくありません
何も思い出せません
きっと私は健全で
きっと世間は穏やかで
何も考えずとも
生きられるからなのですが
....
きぃ・・・・・・・きぃ・・・・・・・・・・
ゆ・・・・らゅ・・・・・・ゅら・・・・・・
ゆ〜らゆ〜ら 大きなゆりかごの中のあたしは
とても小さく 仰向けになって浮いている
....
私は虹が大好きだ
虹は良い現象の前触れ
虹の向こうには夢がある
希望がある 勇気がある 愛がある
子供の頃からそう思っていた
そう信じていた
でも なかな ....
傷つけようとおもって言葉を投げてない
きっと
お互いに求めすぎてしまうんだね。
ボクのすべてを受け止めてほしくて。
疲れたときに
キミにあたってしまうボクはちょ ....
空っぽの頭で
手をだらんと垂らして
堅いじゅうたんの床を踏みしめていたら
ふと寒気がおそってきた
ゴム手袋をはめるときのように
ぞっと身震いして
覚悟をきめなければ
思わ ....
おっきなイチゴを口うつし
チョコがけの甘いかわいいイチゴ
それからあたしのキミへの想い
キミのための
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雪が家を白くする
雪が道を白くする
雪が野原を白くする
雪が木々を白くする
雪が山を白くする
雪が全てを白くする
朝 窓を開けると一面の白銀の世界
....
メタモルフォーゼの隠喩としての蝶。
永遠に鳥と塵の中間にある蝶。
だが、メタモルフォーゼとは隠喩(metaphor)なのではないか?
あるいは隠喩とはメタモルフォーゼなのではないか ....
冬の朝空
七時の悲しい羊たち
隙間無く群れをなす
東を目指す羊らが
見つめる先はどこの地か
無言で光に染められていく
たどりついた羊らは
美しく映え
空に融けていった
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