すべてのおすすめ
すべての前を涼しげに
見えない波がすぎる朝
灰とむらさきは結ばれて
ゆるやかな灯に沿い
淡く淡く歩いてゆく
それまでどこにもいなかった
黒い点が現われて
光のまわ ....
のんちゃんの
さんりんしゃは まっかかで
はんどるのとこに
いろんないろの
フサフサが ついていた
あか あお きいろ みどり しろ
いつつも ついてて きれいだった
あしでけって さか ....
タケヤガヤケタ!
新聞紙をひろげたら
焼けたのは竹野の外れ
焼け爛れたタイヤが燻り
きつい硫黄の匂いが林の
中にしつこく漂っている台所で
焦がしてこびり付いた黒こげの
手鍋の底を ....
街のすみの
白い白い花を
夜へと向かう暗がりのなか
したたる滴を追うように見つめる
からだが少しずつ咲いてゆく夜
時間と穴と痛みたちの夜
すべての窓と見つめあいなが ....
太陽の眩しさに怯えて
迷い込んだ森の中で
洞窟を見つけた
奥深く湿った 黒の空間
中には誰もいるはずもない
暗闇でひとり
それでも
逃げ込まずにはいられなかった
静けさが欲しかった ....
マーガレット・ハウエルの ブーツを履く
これでも 汚い道を避けて 歩いてきた つもり だ
たとえば 神宮の森に沈む
真っ赤な 夕陽を 見ていると
窮屈な あたしが 泣けてくる
....
あの日 は もっと
懸命過ぎていた ような
だから
とっても よく覚えているわ
風を
気のせいかしら
いつの間 に
気のせいかしら
和らいだここち ....
じっくり
と
ゆったり
と
間延びした
と
きを巻き取り
一日が静かに
暮れていく
出番を待ちかねた
まんまる
の
ほころび
が青白く
煌煌
....
まあ、まあ、まあ
と
作り笑いでなだめる
その中腰こそが
よっぽど役に立つ
世界平和のポーズ
そこから発射される光線で
僕らはみんな怪獣を辞めて
頭をポリポリと掻いてしまう
いや ....
囓る
足の指を囓る
囓る
猫の額を囓る
囓る
柱の傷を囓る
囓る
カレンダーの空白を囓る
囓る
固まった真実の躯を囓る
囓る
惚けたふりをする耳を囓る
囓る
駅のホー ....
曖昧模糊のもこちゃんは
啓蟄の頃のヘッジホッグの同類である
もこちゃんは悪夢をムシャムシャ食する貘の遠い親戚で
ペガサスやユニコーンとも従姉妹筋かなんかじゃなかっただろうか
もこちゃん ....
プラットフォームで 日陰のベンチに坐り
僕は詩を書いていた
いいや君への手紙だったのかもしれない
白い午後
静かな校庭のこと
いたいけな青空のこと
いいやそんなことじゃない
間奏 ....
お散歩に行きましょう
今日も歩けるしあわせ
草の香りが立つ道を
踏み歩いて
香りをすぅっと
吸いこむと
幼い私と手をとる父
横を歩く
いつか
子供に私は話す
父と手をつ ....
やかん
電車内の実話で
ひるま
紫外線をあびていた座席が
まばら なまま
すいてはうまっていた
あいているせきへ
すわれるというのに
ひとり車輛の先頭にたち
いきづかいもなく
....
いくどめの夏の陽を
やわらかな肌に射し
花と笑い
鳥と歌う
口もとから
こぼれるものが
微笑みであるように
眼から
あふれるものが
光とな ....
どこかで 何かを
救わなければ なりません
ひきとめることのできなかった
言葉たち
みんな みんな
振り返ったところに 流れていって
つなぎ止めることのできなかった
言葉たち
....
遥か上空は
sky blue の呼吸する鏡
青々と波立つ海を映して
その青さが生まれた先に
喜びと悲しみの交差する底
深い眠りに満ちた場所がある
太陽は沈み
夜に近づく青は
悲しみ ....
なにげない
なつの ゆうぐれ
そんなに たかくは
とべやしない
ふうけいの なかの
いっこだけの てん
であるところの
わたしが
おさまりきれない
でかすぎる ゆうぐれ
あ ....
そのまっさらな唇は
薄い紅でもひいたよう
朝早くに咲いた
朝顔のようでもあり
清々しい匂いがして
上下に絶え間なく動くものだから
相槌を打つのも忘れ眺めている
鈴が歌ってるみたいに ....
月が白く染まるころに 君に会いに行こう
月が白く染まるころに 君に約束の電話をしよう
受話器をとって ダイヤルを回して 呼び出し音に息を潜めて
君を待つ
「なぁに?」
白く染 ....
{引用=ほら 見て
波の向こう
青い火が燃えてる
あれは きっと
妖精の燃えかす
薄い羽を残した空蝉のような}
ダーリンはそう言って
私の肩を抱きました。
抱かれたその手は節く ....
繋いだ手はあなたの前で煙と化し
肉体は黒い球体と化しそれがかつて人の姿を演じていたことなど
忘れさせてしまうような
違和感と共感
虚と在をもちあわせている
平行にスクロールされていくセカ ....
地球儀のかたちをした白いライトが、
暗い部屋でゆっくりと回りながら光っている。
子供は寝転んで飴を舌に乗せた。
じんわりと広がる甘さが乾いた口に痛い。
....
ななさいのたんじょう日
なないろのクレヨンをもらったの
みずいろで
そらに風をかいたのに
ちっとも みえなくて
しろい雲は
ながされるばかりで
かいても かいても
きりがなかっ ....
おぼろ月
まぶたにうつる
きみの影
月となりきみを
蒼く白くうつしたい
終わりのない夜へと
誘うように
月夜ごと
きみの影をさがす
凍てつく氷の川に
散りゆく桜の花びら ....
七つ星の見えない
ちいさな窓
風通るアスファルト
街灯に白い息が消えていく
ネオンの隙間に
ちいさく瞬くは 願い星
どこかで誰かが
ちいさく願ったのだろう
そのちいさな手を胸にあて ....
遥か彼方の水平線は
冷たい冬の空にとけ
薄雲の光る中に
青さも白く霞む
寄せる波の音を聞きながら
どこかに
懐かしさを覚え
元始の記憶なのか
あるいは
胎児の記憶なのか
い ....
青さを残した空に
月は白く
急いだ僕の足を止める
あの時と同じに
記憶の糸を手繰り寄せ
忘れ去られた約束を
取り戻せるなら
引き替えに‥
差し出せるものなど
残ってはいない
約 ....
手を伸ばせば
影さえ解けいるような
薄づく雲間の光
それがあなたなら
背中に羽をつけるから
やわらかなそこへと
引き寄せて
たとえば
重く低い雲であっても
その先の遥か彼方に
....
不完全な月が影を映す
街灯の明かりに薄く
車のライトに揺れる影は
不完全なあの月に反応し
僕が望む影を映し出す
冷めた風に怯えもせず
彼方の闇に臆することもなく
僕の影は強くある ....
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