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明かりの無い部屋の片隅
目を開けて 僅か
閉じる
暗闇を見つめることはいつも難しい
閉じることで
そこに何が生まれているのかを知りたかった
同じことで
閉じたところで何も ....
やわらかな
風が吹いている
丘の上の
さようなら
たくさんの公園と
澄んだ小川と
空き地と
苺の庭と
カブトムシと
サッカーボールと
さようなら
そう ....
気にしても仕方がない
の精神で
逃げようとして
結果はいつも残酷だった
結局は繰り返すことで
黒い円を描いて
同じ場所に戻りながら
落ちていくばかり
小さな幸せを
....
窓ガラスの内側から
草原のような海を見渡す
波と風が
交互にやってきて
その青はどこまでも青かった
窓ガラスの内側から
光がこぼれ落ちる森の空気を吸う
鳥は人のために鳴かず
虫 ....
夜の紺色に
黒ずんだ雲がかかり
死んだような空
どれだけ早く走っても
生まれる風は
どこへも連れて行ってくれない
ただ
頬を氷のように撫でていく
帰ってきてしまう
暖房の ....
吐き出したくてたまらない
感情が
弱さのために
置き去りにされていく
そうして自身は守られている
紛らわす娯楽が
今は溢れていて
でも何かが残る
痛みの無いかさぶたのように ....
やわらかい
何かがほしい
温かい
何かがほしい
事情を知らない友達の
変わらない笑み
昔好きだった絵本の
死なない猫
何も無かった日の夜の
窓から漏れる生活
....
蛇口が捻られたのに気付いて
必死で押さえつけるけれど
耐え切れず
当たり前のように
落ちる
雫
浴槽には
透明で
不思議な色に染まった水が たまっていて
新入りは 小さな音を ....
秋の終わり
街路樹の狭間で
主人の居ないくもの巣が
所在無さげに揺れている
いつの間にか
冷たくなった空気に
震える肌
きつい陽射しを負う背中だけが
何かがにじむように熱 ....
上昇していく海を
泳いでいた
常に水面から顔を出しているのに
何故か息苦しい
いっそ
どこまでも沈んで
深海魚の餌になりたかった
けれど
空気を吸いすぎてしまったからか
....
じわり じわりと
滲んでゆく景色に
何も浮かばない
黒いばかりの失敗の後にも
得るものは ありますか
歩きながら
理由付けに必死
空にも
この街にも
何も無かった一日 ....
テーブルに突っ伏していると
教室を思い出す
騒がしいクラスメイトの声
10分の休み時間
顔を上げ現実に戻ると
雨が降っていて
久々に歩きたくなった
誰もが傘を広げて
顔の ....
太陽の眩しさに怯えて
迷い込んだ森の中で
洞窟を見つけた
奥深く湿った 黒の空間
中には誰もいるはずもない
暗闇でひとり
それでも
逃げ込まずにはいられなかった
静けさが欲しかった ....