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「そういえば・・・」

あの頃の思い出は すべて煙のように消えていった

いまから思い出そうとしても 何も思い出せなくて

頭を地面につけてみても 何も出てこなくて


確かにあの頃 ....
たんぽぽのように ふわりふわりと あなたの所に行って

あなたのくったくのない微笑を見ていたい。

そこで 芽を出し ずっとあなたの傍にいたい。

・・・でも本当はありのままのわたしが あ ....
砂丘に行けば
明日があるかも知れないと
とぼとぼと足跡を残します、そして


砂を数えたのです
波を数えたのです
灯台の明滅を
数えたのです


星を教えてください
色 ....
にんげんを神の家畜だと思った人がいる
あるいはそうかもしれない

そんなのおかしいよと誰かはいうだろう
あるいはそうかもしれない

じゃあほんとの家畜はどうなるんだと
ニュースキ ....
誰かわたしを飼ってください
朝 かろうじて
そう わたしの耳がささやいたとき
ひとが姿を現しはじめた

かつて わたしがどんぞこで
まだ 形をとりもどしていない頃だった
 ....
嵐の夜
白と黒の町
{ルビ礫=つぶて}のなかの
廃屋をめぐるまわり道


螺旋階段に立つ人々
雨のなかの天使を見下ろしている
瞳から瞳へ落ちてゆく滴
水彩の ....
しがらみが
やさしくて痛い
振り切ってしまえばいいのに

そうできる青さが欲しい

飛び込む勇気をください
たった一言でいいから

振り切ったら
新しい世界が待っている

知っ ....
花をめざしたのか
鳥をめざしたのか

風が吹いて
たかだかと のぼり
雨が降って
ふかぶかと しみこむ

そうだ
火をつけて
燃やしたのだ
だから 
大きく 大きく
ひろ ....
ふと 夜に出れば
中天に 月 あかるく
なおなお 夜 くらく
また 夜 さむく

何者が 見上げる月か
何者を 照らす月か

一度だけの いのちが
それでも ここで
どこにやり ....
手をのばせばとどく思い出の
目を閉じた手触りの
とりかえしつかなさ

誰も悪くない 罪
誰にもわからないのに 罰

今にしてみれば
もう陰っていた光の
ひとつひとつのしぐさ 
 ....
からだをまるくちぢめて
うたえないうた
かけないことばを
つぎからつぎへと
もてあそぶまよなかに
ただひとつのこる
ほんとうのことは
かなしい

かなでてしまえば
もうそこには ....
夏ではない海に
沈めてしまえるものでしょうか
私たちが紡いだ金色の思い出
もう 灰色の霧に閉ざされて
セピア色の彼方の風景

春ではない草むらに
置いていけるものでしょうか
遠くか ....
橙色の風が吹き
壁をめぐり
木々を螺旋に上下する
ふいに無数の猫になり
屋根の高さの季節を乱す


吐息が導く双つの手のひら
合うようで合わないはざまから
遠く見知ら ....
 ふわふわ浮かんでる生活
 とりとめのない情熱はどこに向かう
 
 しきたりどうりにいかない生活
 世間から遊離している

 まぼろしをみた
 遠い昔にいざなうまぼろし

 いつかの ....
コンクリートジャングルを
見下ろす
蒼い空に
真っ白な
ぽわぽわ羊が
たゆたっている

壊れてしまった
レコード盤のような
日常に
膿んで
見上げる空は
高い

鋼 ....
みどりいろに抱かれた想いが
無機質ななまり色に染め上げられていく
黒いトンネルにすっぽりと覆われ
闇が前後左右の感覚も奪う
いつでも フワフワの砂糖菓子のように
アリスの森で戯れたい ....
雨の森 羽の音
言葉にこぼれる
声の水音
透きとおった殻のなかで
生まれ出ようと旋るもの



空が融ける
雲の一角
灰の放射が
ひとりのまぶしさが
おそ ....
風が言葉をさらっていった

ただ黙って
夕暮れを見送る

綺麗なものへの憧れは尽きることなく

たとえばそう
悲しみの結晶が透明であるならば
過去も無かったことにできるだろうか

 ....
君と
真面目にふざける
キラキラと手をちらつかす
星の音を辿って歩く
水銀の様な川沿い
硝子玉握り締め
夜空に贅沢にばらまいて

やっとわかったことがある
僕らどこへでもゆける
臆 ....
午後をわたる数羽の鳥が
いくつもの笑みを描いている
空と曇の鈍のさかいめ
まぶしく見つめる目のなかを
笑みはめぐり飛び去ってゆく


曇を映した滴にかがやく
水の壁のよ ....
 寝られない夜には言葉の雨に打たれたくなる
 明日への切符を買いたくて
 深夜の裏道から表通りの
 コンビニに缶コーヒーを買いに行く
 
 不眠の苦痛は自分と向きあうせる
 あなたは僕をど ....
土に埋められて
ただただ餌を与えられる
1ミリたりとも動いてはいけないんだ
脂肪が逃げてしまうから

にんげんに
おいしく食べられるためだけに生かされているから

土に埋まって
ひた ....
粒になり粉になり消えてゆく
手に触れる花から消えてゆく
からだへ からだへ
浴びせかけられるように降る花
燃えても燃えても降りやまぬ
消えても消えても降りやまぬ


め ....
    
古びた待合室に西日が射して
喉が乾いてやりきれない
安物の扇風機、ぶんぶんと回転し
僅かな逃げ場を隙間なく切断して
夏を愉しんでいる

診察を待つわたしたちの空気は
ついに白 ....
遅い月に
空は揺れ
鳥は眠り
朝の川を夢みる
冷たい光の下の水
海にもなる
人にもなる



雨の明かりをすぎる鳥
灰の轍をひたす水
幾度めかの浅い冬 ....
めくるめく展開する青
それは淡い水彩画で描かれた
青いヌードだった

彼女のくれた画集の傍らで
煙草くゆらす僕
灰色が包み込んでいく涼し気な青の女体

けして君を汚したりはしない
 ....
突然の雨に驚き
空気が動き
生まれた風は
生まれたときから不機嫌でした


埃っぽい路が
陽や曇を浴び
濡れた光を浮かべ
空を見つめているのでした


蜘蛛でも ....
何かが変わりそうで
何かがわかりそうな夜に
お金の無い僕は空腹で死にそう
でも半ライスを買える余裕のお金しか無かった
半ライスとラーメンだけ
店員さんは怪訝な目でこちらを見て
店長さんは後 ....
砂が生まれる日
冬から白が去り
見える風が座す
冷たいまなざしの
不透明たちが



空白に入り
空白を満たす
水のなかの息
満たされてゆく空白
消え ....
掌からうたが溢れ
あおいそらに吸い込まれていく
天上人の哀しみの衣を揺すり
流れ星がひとつ零れて散った

足下からうたが生まれ
あおい海原に 滲んで消えた
深海魚の喜びのざわめき ....
まどろむ海月さんの自由詩おすすめリスト(596)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ケムリ- 天使自由詩2*05-10-30
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午後のはじまり- 木立 悟自由詩905-10-9
半ライス大盛りでお願いします- 虹村 凌自由詩3*05-10-8
虚行路- 木立 悟自由詩605-10-8
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