すべてのおすすめ
ずっと抱えていた影は
君の光で消し飛んだ
強烈で鮮烈な光
を
君は持っている
強烈で鮮烈な光
で
新たな影を抱えたあたしは
どうやって歩いていこうか
新しい影は
光をうつしてよ ....
はちまきを締めて
タンクローリーで
液化天然ガスを運ぶ
おまえら
圧力の掛かったボンベに詰められ
おとなしく液体にされたままのガス
見栄も誇りも持たないのか
唯々諾々と頭を下げて ....
毎朝一缶のお酒を買う
ちいねえちゃんのことを思いながら
それを飲む
僕は頭のなかにいる人達を整列させる
たいていは 小さな羽アリに変身していて
ほとんどぼやけて見 ....
子供は手加減をしらない
子供は遊びたおして
それが仕事
大人になると
しがらみで
視野がしぼんでいく
北風吹く雑踏の中で
未来の心配は膨らんで行く
....
にゃんこの目
かまいたちの爪
きたきつねの背中
ぴかりと光る稲光
みんなみんなまぶしくて
なまこのまなこは目をつむる
浜から揚がったお地蔵さんは
ぐっと一息飲み干す定め
辛口の ....
「月が明るい夜は
外に出てはいけない
みどりのコートを着たコドモが
生まれる時間だから」
そう聞かされていた
街のはずれの丘は
建設工事が中止になって ....
なんでだろね
分かり切ったことを聞かれる
分かり切ったことを聞かれて
分かり切った返事をしても
なんでだろは安心しない
ひとばんじゅう
なんでだろって
うるさく呟いて
それで安心して眠 ....
紅い氷に
蒼い光はそそがれて
溶けては凍り
溶けては凍り
土へと向かう重なりの
まばゆい柱になってゆく
雪が召ばれ
風が召ばれる
木々は皆いっせいに
かしいではも ....
ちょっとお茶でもしようよ
マックの珈琲じゃなくて
ルノワールにでも行こう
ふかふかの椅子で
お茶でもしようよ
ちょっとだけ
時々自分自身が嫌になる
自殺したいような
誰かを殺したい ....
雨と雪の数えうた
青と金の飾りの手
かたびら かぐら
しずくのふるえ
色と色の板たちが
音の無い地に鳴り響き
しずくの上に羽を描いて
空を少しずつ明るくしてゆく
....
あんな これ かあさんの べにやねん
ところどころはえかけの ふぞろいのは
にかっと みせて
おろしたてのきものをき
しょうじょが みつおりついて ごあいさつ
しゃしんでしか
しらなか ....
僕からそう遠くないところで
少女は泣いている
時代は弱肉強食
弱き者は部屋に束縛され
いずれ病院に搬送される
僕からそう遠くないところで
少年は処理できない情熱を ....
敗者には栄光も声も無く
ただただ真っ暗な陰の中ですすり泣いて
優しく叩かれた背中を伸ばして
鼻水垂らしながら泣くしか無いって言うのか
敗者にかける言葉を探し続ける
煙草を吸っても珈琲を飲 ....
僕らは今日も一緒に歌った
だけどそれは永遠には続かない
今年はここでみんなで歌えた
来年も全員がここにいるのか
ほんとうは誰も知らないんだ
この星は汚れゆき
戦争は終わらない
歌い終 ....
ひととちがうとなじってみてはくるりとまわってぽーずをぴたり
ひととおなじとぐちってみてはするりとかわしてすまいるにかり
そういうあんたはどこにいるのとたずねてかえせばちんもくとろり
わたしは ....
黒雲にひそみ
激しく眩しく光るもの
音速を超えて空気を切り裂き
激しく低く轟くもの
決して海の中には
ひそまないもの
巨大なものを打ち消し合って
生み出すもの ....
いつのまに
我が胸に吹き込んできた
風の{ルビ女=ひと}よ
君が踏みつけられた花を見て
傘をさしたまま立ち尽くし
ひび割れた心のすき間をほの青く光らせ
雨音に{ルビ滲=にじ}む心を痛め ....
敗者にかける言葉を探している
窓ガラスの内側から
草原のような海を見渡す
波と風が
交互にやってきて
その青はどこまでも青かった
窓ガラスの内側から
光がこぼれ落ちる森の空気を吸う
鳥は人のために鳴かず
虫 ....
あなたに隠し事なんてできない
24時間私が何してるかなんて
あなたは全部お見通し
でも私にはあなたが見えない
あなたから毎晩届く手紙は
何十にも秘密の魔法がかけられていて
私はそれ ....
ごめんなさい
あなたを傷つけてしまったのは
僕のせいです
ごめんなさい
地震が起きて人が亡くなったのは
僕のせいです
ごめんなさい
津波がおきて多くの人の命 ....
どこに帰るのだろう
などとは問わない
会社帰りの雪道
星だろうと
街灯だろうと
導かないのならば
ただの明滅だ
一歩ごとに
すり減っていくのは
靴底ではなく
今日の賞味期限 ....
こころの奥底の
いつかの花畑に
あの日の花が
咲いている
さして綺麗でもなかったのだけれど
さして鮮やかでもなかったのだけれど
さして時もまたがぬうちに
....
空から優しい白雪が
舞い降りる
穢れを清めるように
思惑が疑いを呼び
誤解が人を切り裂く
みんな仲良くできたらいいのに
守るべきものがある
奪おうとするものが ....
落とし穴を掘りました
何時か私が落ちたものと
何故だかとてもよく似ています
誰かをここへ突き落としたいのですが
それは酷く思われそうだし落とされる人もカワイソウだし
ここは私を突き落とすべき ....
十字架にはりつけられ
{ルビ頭=こうべ}を{ルビ垂=た}れる人に
今迄私はいくつの石を投げてきたことだろう
{ルビ尖=とが}った石の言葉で誰かを傷つけた日も
心無い恋の海に溺れた夜も
....
五十八の石段を
数え終わる頃には
湿気を帯た冷気が
まとわりつく
空が
見え隠れする木立は
小さな欲望が
うごめきを見せるよに
さわさわ
ざわざわと
社の片隅
秘密の場所にも ....
会いたい
冗談半分で始めた謎かけ遊び
日を追うごとに複雑に絡み付いて
もうただの遊びでは済まされないから
僕がどれだけ悩んでも
憶測、推測の壁は越えられなくて
生まれてしまったこの ....
空白で満たされたかなしみだったら
何もかも詰めこんでその色うすくできるのに
藍色や虹色や何もかも満たされた場所の
そのうえに座りこむかなしみがとまらない
どうしたらいいのさ ....
雪のしずむ日
頭上に積もる雪の重みを持ち手に感じ
傘をそっとゆすり
積雪をそろそろと振り払う
重みから放たれて
散華してゆく雪精が
ちらり、とときおりわたしをとおりゆく
そん ....
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