すべてのおすすめ
喉に閊えた言葉
書きかけの詩を
そのままに
それが何なのか
くもるガラスを
手の平で拭いた
思い出せるまで
流れ落ちる滴が
腕を這う
終わらない迷走
いつ ....
ひとりで行く
風の吹く
木立の下
馬がつないである
走る姿
馬場のまわりには
人の群れ
速い馬に人気集まる
日曜の午後
レースがある
明るい服を着て
騎手が疾 ....
僕らの住処は小さな漁具小屋
呼びあう吐息を波の声に隠し
漁網に髪を絡ませながら
夜の深まりを体温で追った
雪夜の渇いた闇をとかした雲が
入り江を真冬のガッシュに染める
朝の刃を隠した列 ....
空と海の境目は
遥か遠くでつながっている
海鳥が
水際に光る魚を探している
真実は見え隠れして
それを捕えるためには
そこに飛び込まなくてはならない
解っている
生き残るた ....
やわらかな
風が吹いている
丘の上の
さようなら
たくさんの公園と
澄んだ小川と
空き地と
苺の庭と
カブトムシと
サッカーボールと
さようなら
そう ....
緑の蛙は
あまがえる
尼さんが
ひっくり返って
甦るとは
鳥山明のべたなギャグ
寝そべって
漫画を読んでは叱られる
叱られては堪らない
堪らないから考えた
T−topを ....
数える、シグナル
着信履歴
数える、車窓の鉄柱
サボテンの棘
数える、つたえたいことば
読んでいない背表紙
数える、もらったさやしさ
星のまばたき
数える、蝉の脱け殻
....
インラインスケートは過去のものと言い放ち
白いキーボードの上にぼくらの躯を積み上げ
ガソリンぶっかけ始末するために雇われた君
美しい君の繊細な指先はどこまでも透き通り
赤いレーザー ....
枯れ果てたわたしの思い
よろよろと蹴躓くごろた石
炎熱の河原を歩いていたら
枯草の間に水鳥の巣がだらり、
歪んだ形のリングで版図を示し
その中に白い泡が住んでいた
樹液か動物の粘液 ....
イメージ
イメージ
イメージが大切だ
大きさは無くても
柔らかさが無くても
乳輪が大きすぎても
乳首が鋭利でも
おっぱい
イメージがあればよいよ
おっぱいって不思議
触りたくて ....
春に見込み生産した思想が腐って
生臭い匂いを残して冷凍された
夏の記憶を持たぬ子供の眼が
暗い海を見つめる
冬の陽のあどけなさ
日溜りに春をもたらし
猫の子はしゃぐ
初春や羽根つ ....
復号鍵の無い暗号を
みっちみっちと組み立てて
万請負頭脳埋め戻しランドにて
案山子をひとり
植えている
丘のうえにやせた人影がある
夕ぐれどき
犬の吠える
長く尾をひいて
雲は赤光に群がるから
西の空だけ覆われている
ベンチの倒れた公園に
郷愁を拾うよそ者が増えて
小さな顔の老婆は住処を ....
わたしから あなたへ
ちいさなよるをひとつ
てわたします
あなたでなければ
もらいてのない
つめたくて あおい
よるです
のぞきこむと きっと
かなしいほど
なつかしいも ....
いのちは
ことばのかこい
かこわれていない
どこかひろいところを
ゆめみている
こころも
ことばのかこい
なにもかも
ちいさく ちぎりわけて
ぜんぶかこうことを
ゆめみている
....
はじまりまで
さかのぼってしまう
あとのまつり
おわりまで
みえてしまう
あとのまつり
おはやしのふえ
たいこと かねのおと
ふと とぎれたあとの
いたたまれない
がら ....
終わりのないテロと戦う
戦闘機も白い雲の中では
機械の目を頼りに
電波系の学問を頼りに
地上の幽霊
フラダンスを踊る
踊り狂ったフラダンス
地雷原を
吹っ飛ばすように ....
ハローハローハロー
同じ世界の何処かで暮らす貴方へ
助からない命とか 許されない罪とか
辛いことを背負っている貴方のために・・・
壁に向き合い立ち止まっている貴方のために・・・ ....
僕の寝床は
三角形の屋根裏で
天窓の向こうには
お月様がいたりする
あぁ…、冬の真夜中は
きっとあの子が泣いている
あの子の湿った悲しみが
街の灯りを重くする
....
立ち込める花のいきれ
咲いているのは闇
棘を立てる傷ついた茎
棘を立てさせる傷のうずき
窪みに鉱毒色の水溜り
羽根のある女が溺れていた
罰の不在を照らす稲光
柔肌を掻き乱すさざ波
引き ....
涙のなかの{ルビ二重=ふたえ}の花
小さな歌と 軽い足ぶみ
指がぜんぶ ひとつずつ
翼になっていくような
それでもけして地を離れない
微笑むような足ぶみ
歌う先 ....
カネオクレタノム
電信
電話
パケット通信
送れたのは誤解
巫山戯た如月
別れ話の睦月
私が世話する
緑亀と草亀が
取り違えた赤ん坊
長谷の大仏良い男
機嫌 ....
今、私が見ている世界は
本物の世界なのだろうか
この離心症的な感覚のうちに
春を迎えた
産土神の境内で幼児が駆けまわる
ミズスマシの様にくるくる回り
分子が突進して炸裂する
子供と死 ....
いつのまにか消えて行く風景を
私たちは いくつ持っているだろうか
記憶の中の風景が ひとつひとつ
消えて 入れ替わるたびに
在ることの認識は 立ちつくす
ある日 空き地になったところ ....
(世界は、毎日終わっているのになんで誰も彼も平気なの!)
さんざぐずった女の子は、清潔なシーツですぅすぅ眠る
おもたいミルクの呼吸が、部屋中に立ちこめる
22時、最終 ....
記念日の光
見えない春が
口をつぐんで佇んで
蛙の子供を待ちあぐね
ぴょんぴょんぴょんと
跳ねている
spring has come
毛羽立つ砥の粉
見えない光のそ ....
気にしても仕方がない
の精神で
逃げようとして
結果はいつも残酷だった
結局は繰り返すことで
黒い円を描いて
同じ場所に戻りながら
落ちていくばかり
小さな幸せを
....
ひとつの
しずかなうた だけが
うたわれている
ふるいふるいむかしから
いつも うたは ひとつ
たったひとつの
きこえないほどの うたが
みたされているなかで
わたしも ....
めのみえない
さかなたちと
ふかいみずのそこを
およいでいる
ふかいみずのそこに
ひかりは とどかない
かきみだされた
みずのながれだけが
さかなたちの
そんざいを つたえる ....
真夜中、ロボットは
痛めたうでをかばいながら
他のおもちゃの手当てをする
文句を言いたそうな
他のおもちゃをなだめるように
タイヤのとれたスーパーカー
支えの折れた宝箱
首だけになったお人形
....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20