すべてのおすすめ
嘘をつくのがじょうずじゃなくて
放り出したさよならは
たやすくきみに捕らえられた
浴槽にうかぶ泡が
細切れに入り込む光をさけるように
生まれては消えるのを何度も見た
それを ....
言葉の近くで
酸素を見ています
午後に置き忘れた椅子から
ずり落ちているあれは
靴の始まり
裏側を覗くと
もう誰もいません
+
金歯の中に広がる曇り空を
....
東京のさかなは
全然ダメです
死後
七日目ですかって
そんなことを思ってしまう
電車から眺めると
無数の家だ
孤独
の意味を私は思う
ヘッド・フォンで武装して
右側をガ ....
いいですか
すべてのニワトリは
自分で殻を割って
生まれてきたんですよ
と叱られた思い出
いまなら言える
僕はニワトリじゃない
*
あまりの暇にたえかねて ....
{引用=
静かの、川が
逆流する
しなやかな動きの連続で
えたいの/知れないものたちが
反射するから
少女は、もう一度
夜を怖がらなくてはならない
そういうものなの
と、 ....
チューリップが咲いている
この間の春の嵐には
少し苦しそうに
揺さぶられても
泣かずに咲いていた
チューリップが咲いている
何もかもを飛ばして
破り取っていった
この間の春の嵐に
....
湿った夜の破片が
蝙蝠となって折れ線を描く
低く、低く
やがて来る、雨と
灰色の朝は
かなしい、という色に似ている
里山の懐に
ちいさく佇むそこ、は
永遠の黄昏に向かい旅立 ....
この栓を抜いたら
この水は死ぬ
この栓を抜かなかったら
この水は死ぬ
私には関係がないことなので
チェーンにかけた人差し指をくっと曲げて
生まれる音をききながす
....
百匹のトナカイ
百匹のトナカイ
五匹が雪の国のひとに
食べられました
九十五匹のトナカイ
二十五匹がライフルを持ったひ ....
{引用=雪見大福サイズの
雪見大福みたいなうさぎたちに 羽がはえて
ぶーーーーん って
いっぱい空を飛んでる
なんだかあわててぶんぶんしているので
いっぴき 飛ぶうさぎを ....
影を追う
背に
張り付いている
孤独
夜になると
向き合って
数え切れないほど
泣きました
水たまりに
光る
希望
そこには
自分の姿が
ちゃんと
映ってい ....
とうめいになる
そらでもなく
流体でもない
ただとうめいに なる
ボクはここにいて
キミを見ている
キミはボクを見ようとしない
意思の力で
とうめいになる
全身で
....
僕の暗がりに
三十四回目の月が生まれ変わる
前世も月だ、その前世も
それを証明するために
この手は螢石をみがく
やがて銀河の形の指輪を飾るために
暗がりの天蓋がひと巡りする
シリ ....
きみの一日を 僕は知らない
きみが毎朝買っているパンの味も
きみが気にして飲んでいる健康ドリンクのことも
きみが僕に隠れて嬉しそうに読んでいる新聞の四コマ漫画のことも
きみが髪を無造作 ....
・三日前の話
私が
指先のみの力で
空を切ったとき
その軌跡は
柔らかなひかりになって
木漏れ日の影の部分を
踏んで行きました
....
子供たちよ
君たちの革命に
銃はいらない
うつのは心臓の鼓動だけでいい
子供たちよ
君たちの革命に
拡声器は要らない
隣の見知らぬ人に
呼びかけるだけの
裸の声があればいい
....
夜は僕の肌をなめまわし
僕の知らない僕のこころと密会する
君は君の手垢をつけ
僕は僕の手垢を付けていく
君と僕の手垢が重なることはない
見つめあうことのないふたり
洗剤は合 ....
僕の黒い革靴と
君の銀のパンプスとが
白黒市松模様のなめらかな床の上を
並んで踏んでゆく
とうとう此処まで来たんだね
誰も居ない 此の世の果てのバルコニー
数メートル先 白い手すりの向 ....
{画像=080413012058.jpg}
ただ
生きているだけで、
疲れただなんて、
ぼくもいったい
いいかげんなものさ。
二十三の
ぼくの人生なんて、
いったいなんなんだろうと、
....
剥げてゆく空の下
車輪まわり、まわり
金の音さらに、
さらに遠ざかりゆく
緑金の春に
*
やあ
俺は
くちべたなんだ
どういうわけだか
とても仲のよいはずの奴と話していても ....
甘やかな
ひとさじの記憶を舐めたので
それにすがって
いまでも背負う
185センチをもてあます
トンガッテ戸惑う魂を
(ウザイ)
(ウルサイ)
五角形のつぶてを
吐き ....
また、この季節がきたよ
ながかったねぇ
ぼくたち
華やいで
きみ
咲いているよ
あの花は
すべてを忘れろっていうように
咲いて、風に流れているんだ
....
先週末に桜が散ったばかりなのに
あなたは
物置から引っ張り出したビーチパラソル
具合を見たいからと
これ見よがしに拡げてみせる
どうやら使えそうだな
アルミパイプの椅子まで組み立て ....
わたしのウルフが遠吠えをしている
その青い瞳で遠く月を射ってしまえ
群青すべてはオマエのもの
気高き闇の王者よ
森の奥深く老木が生い茂る彼方から
瞬時におまえの気配を感じるとき
わたし ....
「せんせいのては やさしいかたちしてるね」
いきなり言われたので
僕は自分の手をじっと見た
どうみても普通の手だ
「どういうところがやさしいの?」
血管がういて筋張っているし ....
彼女は受けて入れて
くれる、運ばれて
いく
わたしたちの、
むかっていく先に夜が
ある
開いてしまっていることが
まず、きみに
時間を
与えている、そのことを
すべての ....
口許から思わずこぼれそうになった思い出を飲み込む
誰も拾ってくれないから
こぼれてしまったらいなくなってしまうような気がして
いなくなってしまうような気がして
あわてて飲み込んだら
なん ....
{画像=080401235450.jpg}
アセチレンの光が
ちろちろ
ちろちろと
影をゆらす
ちろちろ
ちろちろと
ゆれる
灯の上に
吊り下げられた
白いお面
狐の面 ....
疎まれた鳥が飛ぶ。
三月。
ランゲンハーゲン。
いまさらどうにもなりはしないのに。
疎まれた鳥が飛ぶ。
横傾しながら。
冷気に翼を浸し、
思いつくままにかたち ....
からすは桜の枝に留まらない
花が落ちてくる
花びらではなく
雀たちが花を切り取り
蜜を吸い落としている
くるくると
くるくると
花は 回り 回る
幾つも 幾つも
....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57