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今日も{ルビ賑=にぎ}やかな
職場の仲間は
跡形も無く姿を消した
残業の時刻
静まり返った部屋で
ぱらぱら
書類の{ルビ頁=ページ}を{ルビ捲=めく}りつつ
手にした判 ....
理由はありません、っていう理由について
もう少しやさしくあれたら、
と思うんだ
さびしい時刻が生え出したのは
ぼくの、背骨を笑う
星のした
だ ....
キスをしよう。
僕が、君の。
君が、僕の。
こころ、を。
溶け合わす。
最初の鍵。
投げてよ
こっちに
液体
あなたの笑顔に撃ち抜かれちゃった
なんて
悪い冗談
氷水は飲めない
きらいだから
熱いものもダメ
猫舌だから
常温がいい
常温がいいよ
....
愛してもらいたいなら愛さなければならないとか誰かが言ってませんでしたっけ?
俺って実はプライドの高いさみしがりなんです知ってたかい?
愛せるものも見つからない俺って愛される資格がないってことで ....
真っ白い画用紙に
夢を描くな
人物を描くな
風景を描け
風景を描けば
人物は自然と生まれてくる
夢を見るのは貴方じゃない
夢を見るのは 絵の中の人物だ
人物が歩くと
風景は加速す ....
乾電池が足りない
と昨夜寝言を言ったあなたは
夢の中で久しぶりに
何を作っていたのだろう
今日は朝から雪が降ってる
あなたの故郷のように
たくさんではないけれど
もう誰も
あな ....
浸された水は
つめたく
ねがえりもできないほどに
なぜか凍みたまま
あの人ごとをさらって
いって
かなしい
のふちにいるあの人
たしかにいかされ、芽生え
一つの
さむさの中にい ....
どこまでも伸びていく高層ビル
の死体が落ちていた
凶器の不完全な空が
垂直に突き刺さっていた
その空は途切れ途切れに
けれど果てしなく広がっている
という噂話を
人々はこよなく愛 ....
一.
青を
反故にした
空
よりも
事情がある
真昼につき、
雨はふらない
二.
鋏の持ち手が緑だったことから
分け合いたくない
ままの
手 ....
ねこって可愛い
飼いねこは飼いねこらしく
ノラねこはノラねこらしい顔しているよ
やっぱし育ちなのかな
ひとに媚びるのうまい飼いねこがいて
いじらしいほどノラなねこがいる
そんなねこって
....
豊かさの中で
ぼくたちは泣いている
ほしいと思ったものが
いつでも手に入るから
いつでも捨ててしまう
持つべきものがなくとも
誰かが持ってきてくれる
便利さだけでは
豊かに ....
あのね
そのね
きみのかたがね
すごくふるえてるのが
わかったから
わたし
あのとき
あなたがしんけんなんだってわかったからね
もういい加減なこと
してた ....
071130
だいすきやまねこ
悪戯坊主の仲間達
滑って転ぶ有楽町
君と僕は殴り合い
やられてばかりの
負けネコだけどと
寝 ....
それが、
どんな言葉だったのか。
風呂にでも入りながら考えるとしよう。
空っぽの口に装弾した犯人のことも。
まもなく、
冬がやってくるというのに
さながら、
新品の漆黒のコートに
無数 ....
古い油紙に
絵を描いては
町をふらつくから
落として
何度も
太陽のもとで
水たまりに
浮かぶそれを拾って
濡れた絵は
ぼやけてしまうので
また
晴天 ....
都会と文化
自分と恐怖
肉体からの忘却
錆びついた魂
這いつくばる
青空
ただ深呼吸
ただ深呼吸
空しく
悲しいけど
実力は
ただ深呼吸
時代が変わろうと
君を追い続ける
....
夕暮れが泣いているのだろう
高台から見渡す街の灯が
救いが無いほど光って見える
大勢のひとりが積み重なって作られた明かりだ
しばらく茫然とそれを眺めた後で
僕はただ静かに下りていく
....
枝分かれしていく 夜の
長く、しなやかな腕は
わたしを覆いながら それぞれ
しだいにたわんで その先端からやがて
着地し、朝に触れる
不必要なほどに震える あなたの
声と、指先 ....
もしもここに
うつくしい空き箱があったなら
お風呂のように入って
外を眺めよう
風の吹く
外はやさしいように見える
口笛も吹こう
あの懐かしい歌
箱の片隅には
ヒイラギが落ちてい ....
わたしは夜を求める
濃紺の空と赤い星を求める
きみは夜を求める
藍の雲としろい月色を求める
ふたりが求めた夜の中で
風見鶏は廻ってゆく
流れ着く先を知らず
また
愛情、の何かも ....
覚えたての年号を羅列して
自慢げにわらう少女は
昨日みた星のいろを
まるきり覚えていないという
羽根がほしい
羽根がほしい
微風がきせつを連れてきて
合図なんかいらない
気まぐ ....
わたしって
よく道をたずねられる
どこかやさしげにみえるのかな
近藤さんの朗読した「夕焼け」って作品大好きで
繰り返し読んだりしたけど
登場する娘さんのように
「やさしい心の持ち主」なんか ....
白い手首から
あかいなみだが滴りおちて
砂に染みた
日をしるたびに乾かされる
ざらついた海の響きが
耳に刺さる
あらゆる事象が眩しい
それまでも花の咲く過程だときみはいう
半信 ....
好きな花の名前を聞かれた
うまく答えられなかった
スリッパを壊して
水に浮かべていく
溺れてみたかった
あのあたり、と呼ばれる
あのあたりで
正しいものと
正しくないも ....
{引用=なんて純粋なのでしょう。あなたの感覚は。
曇った現実で、曇らないあなた。
あなたの詩を読むと、私は詩が書ける、
あなたの姿を見ると、私は詩を書かなくなる
夕暮れ今夜が眩しい、
ゆ ....
昼の月をみました
飛行機がすぐそばを飛んでいました
あんまりにもくっきり見えておもちゃのようでした
街では秋が暮れていました
お月見をしたことはありますか
私は幼稚園のときに
兄とすす ....
夜を媒介する。私たちはためされてはかられて、いまこ
こにいる。あるいは朝を、また昼を媒介して、私たちの
心身が伝導体となって、少しずつ接触していく。私たち
が味わう陽気や狂気も、ひとつの通りすぎ ....
ちいさな雲を
いちまい、いちまい、風が縫って
空に真っ白な衣を着せている
あそこへ往くの?
問いかけても
もう動かない唇は冷たく
ひかれた紅の赤さだけが
今のあなたとわたしの今を
....
[六月の午後の雷雨]
放課後/定時/時折
石造りの教会に足を運ぶ
窓に打ちつける激しい雨
外ではまだ幼い葉が風雨に圧され
ぐっしょりと頭を傾げていた
それを見て
窓際でしゃがみこんだ ....
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