すべてのおすすめ
自由の翼がほしかった
好きでもないものばかりは食べられない
わがままなんかじゃなくて
自分らしく生きていたい
自由の心を持ちたかった
言いたいことを押さえて
我慢する ....
暮れかかる
陽の手は伸びて
居ならぶ雲を
染めあげる
夜の扉をひらくため
灯された
あかりのように
瞬き、
という行為の
間に間に見える
人と人を結ぶ
曖昧な影
「優しさ」 ....
昼下がり
雲がぼやぼや流れている
ハラピンが道を歩いてきた
ぼーとしながらふらふらしている
俺を見ると
ダッシュでやってきた
汗でふにゃふにゃした原稿用紙を押し付けてきた
読 ....
電車が動き出す
もうすぐ地下を抜け
地上にでる
在るはずも無い風景
白い曇り日
多摩あたりに向かう
神社や商店街
見慣れた居酒屋
風の匂い
空気の湿度
ガタン
風景が一つ ....
えのぐのあじがする
と、遠ざけられた皿には
白いドレッシングのかかった
シーザーサラダが
盛られたかたちのままだ
野菜も食べないと大きくなれません
と云われて
娘はふくれている
....
僕は簡単に逃げ出す性格だ。
そして薬を飲んで
簡単に死んでしまったみたい。
気が付けば
真っ白な雲の上だった。
あらら。
マジで死んじゃった。
頭をポリポリかいてると
....
それって秘密だよ
思わせぶりに微笑んだ
あなた
ドラえもんじゃないくせに
ポケットから何やら取り出しては
桜の木に振りまきはじめ
(まだまだ寒いよと眠ったままなのに
まだかまだかと貧乏揺 ....
久々にハラピンの所へ行くと
焚き火をしている
煙がもくもくと空に消えていく
声をかけると
慌てて後ろに隠したものがある
あれはまさか
原稿用紙
ふざけんなよ
俺はハラピンを怒鳴 ....
月のしずかを詠むほどに
月を
寡黙に封じ込む
聴きそびれていたかも知れない
のに
細い肩には雲をのせ
風をたよりに
風さえも
去り
物云わ ....
こぐまの尾、
ちかり、ちか、り
天空いっぱい夜は溢れて
地上で凍った吐息は
瞬く銀に吸い込まれる
星灯りの舗道に
靴音を響かせ
きみの声を思い出すと
辿る道程は冬の密度が融 ....
背が高くて猫背のハラピンが
丸めた背中の内側で何か書いている
「せいかつのために詩を書いてるんだ」
試しに読ませてもらうと
{引用=「星」 作 ハラピン
星をひとつぶ食べた ....
夕暮れ間近に
降りだした雨は
氷のように
冷たくて
見る間にそれは
視線の先を
白く染め変えた
あなたのと
わたしのと
それぞれの窓から
同じ雪を見て
初雪だねって
文字を ....
1 眠り
朝の眩暈のなかで、
一日の仕事を終えて、疲れ切ってから――、
職場に出かけても、
そこで、わたしにできることは、
只、泥のように眠ることだろう。
(そこには、青い灯台が、 ....
窓のない病室で
地球儀を塗り分ける
水彩絵の具の赤は
少しだけ優しい
冷蔵庫に
入れておいたの
私を生かす電池は
もう使えなく
なっていたから
安心を買うなんて
違反だって ....
たまねぎを刻むと涙が出る
それにかこつけて
少し本気で泣いてみる
そうして
矢張りわたしは
要らない子かも知れないと思う
だけど午前の台所は
悲劇ごっこをするには明るすぎるし
誰かを想 ....
17歳の春を覚えている
高校二年の春休みの夜
死に気づいた
いつか死ぬんだ
そう思って
胸が締まって
吐きそうになった
生きたいと思った
僕の意識が
僕のカタチが ....
*‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥¢‥‥‥★‥‥‥‥‥‥★
全ての光を呑み込み、その美しい味を咀嚼する
*‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥£‥‥‥‥‥‥★‥¢‥★‥
真っ黒の恍惚、ヴェルヴェットのジャケッ ....
おおきなカバンはいらない
なるべくなら
手ぶらが
いい
気の向くままに街を
ゆかいなものに
流れるものに
みじかく綺麗にあいさつをして
気の向くままにときを
....
午後から
雪がすると言って
ハツコは眠った
ハツコ
はつこ
はつ、子
ああそれは
どこまでも
降りしきる降りしきる
降りしきる降りしきる
向こうはもう見えないよ ....
冬の陽ざしがうれしくて
君は僕に笑いかける
あたたかな冬の光がまぶしくて
君は泣き顔をして横を向く
風が山茶花の花をゆらして
通り過ぎていった
その花に触れるのはおよし
君はそこ ....
状況は最悪、それでも太陽は青だと貫かす連中、消えろ
生み出されたものを眺め、少し考えて、削除する
「ちがう」と呟いて、武器を捨てる
座り込んで、呆然とし、何かを待っている
丘の上で小さな旗 ....
涙を混ぜる、という行為には
冬の夜は長すぎる
ひつじが百匹を超えたら ふいに湧き出す
僕って何だろう、みたいな問いかけに、いつも
たまたまこの星に生まれて
たまたまこの国に来 ....
職場にとても変わった人が入社してきた。
出張者の手配をする仕事。
ひたすらJRや飛行機の発券をする仕事。
そして彼女は
聞いてもないことをよく言ってくる。
「わたし、電車が大好きなん ....
其の純白が
花嫁衣装の様だった
『純白般若』
祖母は
小さい頃に
骨を食べたという
焼け野原になった当時
ろくな薬も無いなか
人間の骨は万病の薬だ
という噂が ....
世界が希薄になっていく
高い高い、高い場所で
不純な核にとらわれて連れ戻された
綺麗なだけの名前で呼ばれるもの
海は無限のやさしさでとかして
吹き抜ける音や打ち寄せる色だけが ....
左手しかポッケットに入れられないのは
右手で傘を持っているためで
少し泣きそうな顔をしているのは
暗くなると君を思い出すからである
急ぎ足なのにけして駆け出さないのは
帰り道の途中に墓場 ....
自ら逝く勇気など始めから無いもので。
だったらいっそ。
あなたが逝ってくれねーかなぁと思ったりして。
でももし逝かれたらすごい勢いで崩れるの分ってるし。
忘れた泣き方なんて思い出しておもい ....
夜がほの蒼いのは
雪が舞っているから
すこし窓を開けて
吐息が白く夜気に放たれ
雪と交わるのをながめる
手を延ばせば舞いおりて
けれどその冷たさは
触れるまもなく掌に溶け ....
「明けましておめでとう
今年もよろしく」
と キーボードに打ち込んだつもりが
「小鳥もよろしく」
と 打ち間違えてしまった。
何回やっても
小鳥、小鳥と、小 ....
冬の寒気が細く伸びて
岬の先のほうへ
鋭く尖っていった
遠くで生まれた赤土の丘が
最後に海へこぼれ落ちていく場所で
わたしの そしてあのひとの
フレアスカートのはためく裾から
なめらかに ....
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