恋月 ぴの

埒もない想いに身を委ねてしまうのは
この季節特有の気紛れと

触れて欲しい

昨日までのわたしを脱ぎ捨てた
わたしのこころに
この瞬間に生まれ変わった
わたしの素肌に

季節は夏

そして
あなたの眼差しは
躊躇うことさえ打ち捨てた
わたしの総てを

あれは海鳥の呼び鳴き

夜明けの砂浜に打ち寄せられた
流木の熟れた節穴の奥深く
あなたは舌先で探る
とろり溶けた
木質の
したたりの
遠い過去より背負い続けてきた原罪のやるせなさと

熱病にうかされたかのように
繰返す
海鳴りがして

ひと夏の恋を求めて海鳥は
南南西の風に舞う


自由詩Copyright 恋月 ぴの 2007-06-21 23:02:52
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