{引用=
降りてくる朝の手綱を引いて
静寂の中にひっそり佇む戸口を叩く

小径を満たしてゆく血潮が瞼を温める
レンズの向うに産まれた半透明の結晶が
ぶつかりあって溶けてゆく

あらわれ ....
逃げろ!

すべての口紅から
すべての適温から
すべての海図から
すべての王様から

逃げろ!!

すべての脂身から
すべての窓枠から
すべての音階から
すべての標本から

逃げろ!!!

ただし
 ....
高架線の流れに押し戻されつつもドア際へ体を寄せれば
やがて天井桟敷の建物が左手に顕れる

夜勤明けの尻ポケットには馬券の束
そして耳に挟んだ赤鉛筆

「穴場に手を突っ込んだ勝負馬券は当然に ....
花と線香と手桶を持って
目印に辿り着き
うろ覚えの作法で
てのひらを合わせながら

ついでに
貴方達のことを少し想った

そうだよ
罰当たりな僕は相変わらず
此岸のモラトリアムを
見苦しく這いずり回 ....
ディストーションな衝動
フィードバックな憤怒
ハーモニクスな咆哮

魂の掠り傷が
増幅して
増幅して
増幅して
真っ赤な熱を迸らせる

魂の独り言が
歪曲されて
歪曲されて ....
思い出そうとして、思い出せないまま
思い出せないことを、思っている
みんなキレイで、神様みたいで、
キレイだってだけで、みんな神様みたいにきれいだ

季節が変わる/ハンドクラッピング ....
ときには素直に
夜の空の暗さをみる
ただ光がないだけの話で
じつは日中となにも変わらないように
ぼくの思うことも同じだ

々という文字を子供の頃
不思議に思った
それをつなぐだけで ....
私って口下手過ぎるよね

神田東松下町にある小さな問屋さんで面接受けたあと
どこをどう歩いてきたのか
気がつけば聖橋の上から鈍く光る中央線の鉄路を眺めていた

ここから飛び降りたとしてもね ....
指は使い込まれ
はしたなさが薄れていく

こっくりとだまった目
ほほ

組んで指して入れて
未完成を目覚めさせていく

指で音をきき
指で湿りを嗅ぐ
脳にじらした虫歯を出前したい ....
シナプスたちのように、うごきあい、点滅する
地上の生きた星たち
今日もどんなかんきょうにあろうと
かなで合っている
それを聴き入ったのは
目をとじれば
誰もが知らない顔の乗る移動の
車窓 ....
ああっ、そういえば昨日だったんだよね

意図的に忘れてた訳じゃないし
これって何なんだろうね

「どうしてなんだよ!」
面と向って尋ねられたとしたら何て答えるべきかな

えっとさあ…
 ....
風さえ眠った真夜中
月と花だけが起きている

 ぴとん ぴとんと
君の白いベッドは滴った闇で濡れている
けれども君は決して染まることはない

 しゃらん しゃらんと
暗がりで微かに鳴っ ....
黒ずんだ木の床にそっと頬をよせる
インクと機械油の匂いが染みついた床は
使いこまれた年月を
なめらかな感触でつたえてくる


古い印刷工場をリノベーションしたと
誰かが言ってたっけ
そ ....
「星がちりばめられたスカートをはいて
 スパンコールできらきらしている靴をはくの
 三日月のネックレスを首からさげれば
 それがどんな星にでもいけるチケットになるわ

 こぼれることばは模様 ....
   夫が言った。
  「今年のバレンタインは、なしでよろしく。
   おかえしが面倒だから」
   とてもとても、落ち込んだ。

   色恋とは無縁に生きてきた。
   友チョコが流 ....
みずすましが
水を滑る
虫の比重は
水より軽い

あなたの舌が
私を滑る
あなたの声は
水より軽い

あなたの中に
潜ろうとする
私の比重は
水より どちら

あなたの浅 ....
こいびとを
産み忘れた夜に
こいびとは
お腹をだして
口をくちゅくちゅ
頭が
ごとり
ベッドから落ちて
布団の海に
船がこぎだす

あの子
どこの子
どこにいった子
ぼくの ....
電車の中から
空を見上げる
空と一緒に
眠った人々の
少し疲れた様な
顔が目に入る

今、どんな夢を見ているのだろう
何を追い掛けてここにいるのだろう
昔見た夢は今どうしているのだろ ....
その女(ひと)は 見守られている

白いベッドの上で

穏やかな瞳で 見守られている

七十を過ぎた息子の
暖かな瞳で 見守られている

薄曇りの冬空がのぞく
病室のベッドの傍 ....
あなたの頭蓋骨を、かき抱く
この胸に熱く
柔らかな髪に包まれた後頭骨に
私の上腕骨を回して
冷たい額の向こうの前頭骨に、頬骨を寄せる
あなたが考えていることが、私の心に伝わってくる
 ....
電線を泣かせるのは
木枯らしだ
冬のからだの
声だ

何も掴めないのは
街路樹だ
冬のからだの
手だ

キシキシと縮こまった
エンジンを震わせて
登り坂を這っているのは
 ....
朝のような
首すじだから
遠くから見つめている

階段をのぼっているだけなのに
人生だ なんて言っていいのか

自由と自由の間に
履物をそろえる

わたしを取り去った世界とは
ど ....
私のおなかの上で赤鬼みたいな怖い顔をして
額の汗を拭おうともせず
力強さこそが総てと容赦ない恥骨の痛みに涙を流す




さきほどまでの赤鬼が嘘のような寝顔
横になって見つめれば不思 ....
僕の履いてる靴の踵は 
ぽっかり穴が、空いており 

電車待ちのベンチや 
仕事帰りのファミレスで 
片足脱いでは 
いつも小石を、地に落とす。 

給料日が来るたびに 
「今月こそ ....
痩せて行く月を眺めながら
君はにこやかな笑みを魅せ
二人っきりの時間はそんなに無いはずなのに

黒猫は二人の間を取り持つように
しっぽを足に絡み付け媚を売り
君はそれににこやかな顔で応 ....
厚い一枚板のカウンターに2杯目のカクテルが運ばれてくる。   
君はウエイターに軽く会釈すると、すぐグラスに口をつけた。
鮮やかなライムグリーンのカクテル。グラスのふちについた唇
のグロスの跡を ....
月光輪は白く
外灯は虹をかがやく
世界は青く
白い道をしめす
道端に手向けられた花は
誰をしめすでもなく語りかけ
僅かな戦慄と蜘蛛の糸のような
儚い残存を与える

あぁ、夜だ

 ....
疲れてきたのかな?

女子マラソン観てたあの人がつぶやいた

どれどれとテレビの画面を見やれば
折り返しまで先頭グループにいた選手が何度も後ろを振り返った

背後に見えるのは何なんだろう ....
明け方に、右の乳房に奥深く
喰いこみし百獣らのざわめき、
さわさわと
君が心、ここにあらず。



おごれる春はさみしく単騎、千里を走り
凍れる冬の黄河もろとも 旗ともに渡 ....
あなたが
黄色く話していると
楽しくさせますね

でも
黄色ばかりだと
かなしくさせますね

カナリヤ、ハンカチ、スマイル、

あなたが
胸にもっている黄色
黄色の水たまり
 ....
たちばなまことさんのおすすめリスト(1472)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
最初の音- 高梁サト ...自由詩13*10-3-24
逃げろ- nonya携帯写真+ ...6*10-3-23
並木橋のひと- 恋月 ぴ ...自由詩20*10-3-22
彼岸- nonya携帯写真+ ...8*10-3-21
ギター- nonya携帯写真+ ...5*10-3-18
季節が変わる/ハンドクラッピング- rabbitfighte ...自由詩8*10-3-18
かならず蛙- 水町綜助自由詩1010-3-17
聖橋のひと- 恋月 ぴ ...自由詩21*10-3-15
問い- 昼寝ヒル ...自由詩5*10-2-26
真昼の流星- 唐草フウ自由詩13*10-2-21
りあるていなひと- 恋月 ぴ ...自由詩24*10-2-16
漂流者- やや自由詩1*10-2-16
かんばんむすめ- 渡 ひろ ...自由詩22*10-2-15
ファンタジック- 宮野自由詩410-2-14
バレンタイン・イブ- 逢坂桜自由詩6*10-2-13
比重- umineko自由詩10*10-2-13
モーブ- イシダユ ...自由詩410-2-13
あさのひかり- プル式自由詩4*10-2-12
み_まもる- 月音自由詩410-2-12
骨まで愛して- 楽恵自由詩16*10-2-11
冬のからだ- nonya自由詩18*10-2-9
首すじ- 昼寝ヒル ...自由詩1310-2-9
さくら坂のひと- 恋月 ぴ ...自由詩33*10-2-8
穴の空いた靴_- 服部 剛自由詩810-2-4
魔法- ……とあ ...自由詩19+*10-2-4
ギムレットには早すぎる- 渡 ひろ ...自由詩12*10-2-2
世界の中には一ミリのメルヘンが浮かぶ。- プル式自由詩10*10-2-1
振り返るひと- 恋月 ぴ ...自由詩30*10-2-1
鳥獣戯画- 楽恵自由詩7+*10-1-31
黄色- 昼寝ヒル ...自由詩610-1-26

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50