ほら、
ほろほろと、
ゆれているよ
あかるいね
ほら、
ほろほろと、
もえているよ
あたたかいね
それにしてもきみ、あまりにもしずかじゃないか
あんまりしずかで、あたまのなかのおとが ....
良く晴れた多摩川沿いに走る二車線の都道
歩行者用信号機は青へ変わっているに右見て左見て
みーちゃんの手を引きながら急いで渡る

轢けるもんなら轢いてみなよ…いつもならそんな気概なんだけど

 ....
ブラックスモーカーの
熱い暗闇のほとりで
スケーリーフットを枕に
わたしは不思議な夢を見た

空っぽの背骨を
滑らかな夜風で満たして
わたしは空に浮かんでいた

手足になり損ねた ....
ゆっくりと、撫でてゆく
背中から本能までの
または、今日から命果てるまでの
測れない距離を、あの人の言葉は
簡単に届いて、そして、
明日に色を書き足してゆく


友情、と言っていた
 ....
くるぶしを浸した
海の底の
遠ざかる砂に
裏返る
また少し君のこと

舞いあがる
風のゆくえに
どんな不自由をみたの
何もない空に
探してる
君の糸口

いくつかの土くれは
 ....
パン作りに悪戦苦闘する教室の扉をそぉっと開くと
可愛らしい眼でこちらの様子を窺いだす

仲間外れされているとかの感情より好奇心が勝っているようで
親指を口に含みながらきょろきょろしてる
手足 ....
掴み損ねた言葉の
微かな尻尾を追いかけて
自分の中の暗闇を
遠い目をして彷徨い歩く

赤いサンダルを履いた
今にも消え入りそうな
小さな誰かに手を振って

片道切符を握り締め
 ....
雨が降り続く夜を
遮ってしまおうと
戸袋から雨戸を引き出しかけて
ふと 手を止める

視界の端で
何かが咲いていた

雨戸とガラス戸の隙間
わずか2cmの
薄っぺらな空間の足元 ....
電話のあなたの声がしゅるしゅるとしぼんでゆく
タイムリミットは15分

「ウルトラマンのカラータイマーみたいね」

3分の5倍あると思っても
沈んでいくあなたを掬いあげられないまま
電話 ....
みずいろの包み紙
ていっぱいに覆う
ふってくるのは、空
太陽は光線ビームだ
こどもらは眠かろうと
眠くなかろうと
ひもでくくられてるから
寺子屋みたいなところに、ひきこまれていく
で、 ....
 著者は第16回詩と思想新人賞を受賞した橋爪さち子氏である。
すでに二冊の詩集を出されていて、もうベテランの域に入っていると言ってもいい詩人が新人賞を受賞したのは、
そこに新鮮な感動と発見があるか ....
すべてはこのバスの中で完結している
ふとそんな言葉が頭を横切る
雨はもうじきあがるだろう
そうして所在無さげに
手すりの傘だけが残るのだろう

老人は窓と小説を交互に眺める
後ろのどこか ....
風の中のミィ

押し潰されそうな
小さな体を
必死に支える
可憐な笑顔

憶えているかな
丸く小さな影
ただ泣いていた
小学校の下駄箱を


風の中のミィ

一瞬でアイド ....
初夏の風の流れかたは
グラウンド横にもえる雑木林の
緑の揺れかたであらわされるらしい
美しく思いすぎないよう
美しく思いすぎないよう
丘を登る道を歩く
ふたつ影は千鳥格子に
新緑と樹間を ....
{引用=
(海、について
わたしが書こうとすると決まって
おとうさん、おかあさん、砂、星、アーシュリー、を書くことになる。)}

アーシュリー、
わたしがにぎる手綱からするりとぬけだし、
 ....
 
 
階段をのぼる音がする
子供のからだのまま
大人になってしまったこころで

夕暮れ
母は一尾の魚をさばきはじめる
命の尊さも
生きることの残酷さも
何も語らずに

父は形 ....
{引用=嬰子の褥


闇のひとつ奥に蠢動する白光体がたしかにあった
血に焼かれた嬰子が視えない手のひらに止まって
私の身体に続いている
いやへその緒はぜんまい状に闇に溶けて
それはもうわ ....



ちゃぶ台をひっくり返す
それって池田屋階段落ちのカタストロフィなのか
それとも寺内貫太郎の癇癪玉が破裂したのに似ているだけなのか
亡くなった父親がちゃぶ台をひっくり返したのに一度だ ....
風のにおいが愛の記憶を
ふいにくすぐる
手探りみたいにひろい夜を
小さなサーチライトひとつで
それぞれ欠けた月 
甘く噛み砕いて
帰れない二人を残し
だんだん溶け出していく
星と街のと ....
一針
また一針
言葉の
日向と日陰を
縫い合わせる

一針
また一針
自分の
頂点と底辺を
縫い合わせる

ときどき痛くて
たびたびくすぐったくて
ちょくちょく嘘で
 ....
母へと語られる
おもいは
いつもことば少なで

ずいぶんと幼い頃
学校へ行きたがらなかったわたしを
ぴしゃりとしかりつけた
あなたの手のひら
たった一度
手を上げたのはその一度
 ....
予報どおりに
夜半から雨
街灯に照らされた水滴の連なりは、
白く
夜の一部をかたちにしてみせる
舗道の片隅ムスカリは
秘密を蓄え
雨に味方する
さわ、わ
さわさわ風に
雨糸揺れて
 ....
せっかく森を着せてあげたのだから
木漏れ日のように微笑みなさい
せっかく草原を着せてあげたのだから
そよ風のような声で話しなさい

あなたはアミメキリンであり
トムソンガゼルであり
 ....
僕は右に少し傾いている
君は左に少し傾いている

まったく逆に傾いているのに
傾き具合はほとんど同じだから
二人が向い合せになると
正確に見つめ合ってしまうけれど

僕は君の傾き方 ....
震源地も定かではない
取るに足らない心の揺らぎを
マイナス思考回路で増幅させ
大津波が来ると身体じゅうに触れ回る

さっそく駆け出していく
おっちょこちょいの鼓動と呼吸
長期休暇をと ....
夕暮れ

さびしんぼう

だあれもいない公園で

影踏み
かけっこ
かくれんぼう

風といっしょに遊ぼうよ

いつも泣いてる
あの子とふたり
遊びにおいで
またおいで
 ....
 
 
水に触れると
懐かしくて
飛び込みたくなるけれど
息が出来ないから
死んでしまったあの人や
まだ生まれていないその人は
水の向こうにいるのだろう

何度も水に触れると
く ....
糊の効いた藍染めをくぐり抜けると
石鹸の香りがいらっしゃいませと迎えてくれる

散歩の途中でみつけたお風呂屋さん
モクレンの香りに誘われて迷い込んだ小路
朝夕通っている駅前通りとはさほど離れ ....
銀色のトラップが巡らされた森の中
ラピスラズリが妖しく光を放つと
遠吠えするサボテンやおしっこ臭いキャベツ人形たちが
深い眠りから目覚める
           *
レムの端っこで危なげなア ....
春の川のほとりには
ようかいももあらい侍が
やさしい男が
ひとり
きせつを憂いていました
そこでは
なにもしらないだけの
赤ちゃんももばかり
むじゃきに
きゅっきゅとながれて
ゆき ....
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