粒の柱が降りてくるころ
銀はかたちを変えつづけ
ほどけるようでほどけずに
そろえた両手を羽とは逆に
ゆっくりゆっくりのばしている



惑いは惑いにはばたいて
飛び立つことさ ....
娘よ
すまない
おまえが初めて空気を吸った時も

おまえが冷えた
つま先抱えて
泣いていた時も

25年間
父さん
おまえにとって
死んでいたのだろう

混んだデパートで ....
「あ、さっちゃん」

と、わたしの飼い猫が喋った

「あ、れんげ」


「な、なんで喋れるの」

「ぼくは死ぬんだ」

「なんで」

「なんでって言われても」

「なんで ....
 

  美人の母をもちたかった
  美人の母をもちたかった
  母は美人でもなければブスでもない
  母は書道の師範の免許を持っているが
  教養がなかった 尋常高等小学校しか
  で ....
苦い
ひかりがやわらかに

そのまま
ゆれるカラダの中
あなたに
ねぼけて
述べるまちがいさえ
ただしさを
からみほどく

そんなことが
あなたのいびき
鼻くすぐる

さ ....
オレ、
全世界を手に入れた、でも心が死んだ。
一億円あるけど、それを分かち合う人居ない。
でっかい家もある、でもオレ以外すんでね。
東大法学部出た、それも独り占め。
才能もたっぷり、でも ....
さっきまで
ともだちと遊んでいたのに
気がつくと
周りには誰もいなくなっていた

薄墨に暮れていると
むこうから
母が サンダルばきで
必死に走ってきてくれた


家へ帰る 道す ....
 よくよく考えてみると、男のトイレというのはなにやら迫害を受けているような気がする。小便の場合は、トイレへ入れば誰にでも見える便器に向かって用を足さなければならないのである。
 日頃、どのようにかっ ....
水色のものしか口にしては駄目よ と
お姉さまは仰有いました
緑ではいけませんの と訊ねますと
緑は駄目 薄紫なら構いません と
お姉さまはお笑いになりました

わたくしは紫色のキ ....
鳴り響くパソドブレ
小さな扉が開いたら
まっすぐに駆けてゆくから
今、一番の死をちょうだい

マタドールとまた踊る
紅い波が憎らしく
私は私の方法で
あなたをもっと振り回してやる

 ....
一日の終わりに
シャワーの蛇口をひねると
十二時のひずみから
しずくが落ちる
窓枠の
カタカタ
と鳴くのもよそに
通り過ぎたのは
秒針で


洗いながしたのは
遠い遠い
約束 ....
あ、気付いちゃった?

こんにちはどうもぬけがらです。
もう、どうしようも無い位に抜け殻な訳ですよ。
どのくらいって言うと、もうすっからかんなんなくらいですよ。
どう?いいでしょ?

え ....
砂塵に覆われたコンクリート
目を凝らせば
ほつれ落ちた枯れ枝、その向こう
目を凝らせば
灰皿代わりだった冷たい赤い一斗缶、その向こう
公園を閉じ込め続ける鉄条網、その向こう
澄 ....
本当のことをいえば

ほんとの私はこんなもんじゃない

すごいのだ

あたりの様子を伺いながら
どこかの家に入り込み何かを得ようとする野良猫のように

意味もなく尻尾を振り
くるく ....
冷水を浴びせかけられ
びしょびしょのグー
小指から開くと 小さな傘があった


「何故」と問うには細心の勇気が必要だ
「どうして」に至ってはよく咬んで生殺しにする

「誰」かの「何時」 ....
女王は生き血の風呂から手を伸ばし
君の頬をなでまわした
君は少しうろたえて後ずさり
そこここに跳ね散った血液の飛沫に
足を滑らせた

べっとりと頬を濡らす血を
拳で拭いながら
君は家出 ....
五感をはしらせる彼女の指先は
やがて六感に辿りつき
さいごの静寂をきりひらく
ことばを しりなさい
淵のぎりぎりにたって
あれをみなさい
あなたの躯のおおきく脈打つおとよ
裸足の茨に ....
もう二度と私を殺さないでね

水没させようとする時の崩れ落ちそうな顔
覗き込む鏡には無い
こちら側はいつも見えない

もう二度と私を


穆かな闇に在る白い壁には
ひとがたの陰影が ....
外気4℃、窓は全開
要するに火照った身体を冷ますためなのだけれど
それはどちらかというと恋人がやってほしい
暖房も灯けていないのに、温度上昇
する、この部屋は、きっと恋人もいる

窓の近く ....
   

   晩秋の光が影法師のようにながくのびて
   本棚の背文字までてらしている
   いまはガス・ファンヒーターも止めて
   漁師のようにきょうの釣果を量っている
   コンビ ....
さるすべりすべり落ちるあの
寝姿の
視線に匂う
密約の
触感の
柔肌
(とは使い古された)
僅かな湿り気の
伴う
触れる
瞬間の
うなじの
過敏な
さるすべりすべり落 ....
おなかが痛くなって
道のはじっこにしゃがんでいたら
知らないお兄さんがそばにきて
だいじょうぶ?
と聞いてくれた
わたしは顔を上げた
なんと言おうか迷ったけれど
「おなかが痛いんです」と ....
「覚醒剤やめますか?
人間やめますか?」

このCMを子供の頃
見たことがある

今になって思うのだけど
人間やめたい人が覚醒剤やるんじゃないか?
煽ってるだけじゃん、と思う

 ....
泣いているこどもは
湯気が立っていて
かわいい匂いがする

抱き締めて
頭に鼻をくっつけて
くんくん嗅ぐよ

産まれたてのときは
わたしの内臓の匂いがした

今も少し
する
 ....
たちばなまことさんのおすすめリスト(1472)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
銀と柱- 木立 悟自由詩304-12-2
娘よ- 月山一天自由詩15*04-12-1
れんげ- ピッピ自由詩11*04-12-1
美人の母をもちたかった- 天野茂典未詩・独白404-12-1
勝手にねがいで- 石川和広自由詩5*04-12-1
15秒- 月山一天自由詩5*04-11-29
帰路- 青色銀河 ...自由詩404-11-29
男とトイレと悲哀- 藤崎 褥散文(批評 ...11*04-11-28
水色の贄- 佐々宝砂自由詩604-11-28
バレンシアの太陽の下- 木葉 揺自由詩8*04-11-28
十二時のしずく- 望月 ゆ ...自由詩17*04-11-27
- 炬燵未詩・独白104-11-27
その吐息のほどき方- A道化自由詩1004-11-25
期待はずれ- 初代ドリ ...自由詩8*04-11-24
雨のいきさつ- 香澄 海自由詩604-11-24
女王は生き血の風呂から手を伸ばし- 佐々宝砂自由詩404-11-24
Chika- オオカミ自由詩304-11-24
- かのこ自由詩2*04-11-24
冬が近づいている- ピッピ自由詩504-11-23
童貞論序説- 天野茂典自由詩304-11-23
百日紅- いとう未詩・独白804-11-21
おなかが痛いとき- チアーヌ自由詩804-11-15
■□■小泉総理大臣大麻所持で逮捕!■□■- よだかい ...自由詩1004-11-12
かわいい匂い- チアーヌ自由詩7304-10-4

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50