すべてのおすすめ
街がすっかり眠り 
オリオンが西の空に瞬く夜更け 
部屋の中で一人の男が 
ペンを走らせている 

時の経つのも忘れ 
言葉にならない思いを綴る深夜に 
何処からか聞こえてくる列車の音  ....
お正月に風呂屋へ行き 
入口でもらったサービスの甘酒を手に 
目に入った「足湯」に 
ズボンをまくって、足を浸す 

紙コップから{ルビ一滴=いってき}の甘酒がこぼれ 
お湯が一瞬、白く濁 ....
一年の仕事を終えて 
家に帰った年の瀬の夜 

テレビで久しぶりに 
「ガソリン値下げ」のニュースを見て 
はじめて(嬉しい)と思う自分に少し驚く 

僕の顔に似た赤ちゃんを 
今夜も ....
職場で調子が出なかった日 
凹んだまま布団に包まり、さっさと寝た。 

目が覚めて、妻が見ていた 
朝のニュースは 
{ルビ白鳥=スワン}の舞を
世を去った母に捧げる浅田真央 

場内 ....
今日、天は私に 
新たなる日々の舞台を与えた 

「12月から服部君がうちに来ます」 
会議で所長は皆に、言った 

「これからの現場をつくる1人になりたいです」 
密かな決意で、あいさ ....
嫁さんのお腹がふくらんだ頃に 
富山に嫁いだ姉から 
大きなダンボールに詰めこんだ 
育児セットが届いた 

やがて赤ちゃんが生まれてからの日々を 
哺乳瓶や抱っこひもが 
育児に追われ ....
いま「時」は体を{ルビ傾=かし}げて、私にふれる 
あの不思議な金属音に 
私の感覚はふるえる、そして感じる 
私にはできると―― 

(それは遠いスクリーンに 
 映し出されている、まこ ....
あんまりがんばり過ぎちゃうと 
ぐったり疲れてしまうので 
心の中にたった一ヶ所 
小さい風の抜け穴がほしい 

あんまりまじめに働くと 
人々の囁く声が気になって 
ろくに寝れなくなる ....
仕事帰りの若いサラリーマンが 
夢庵でネクタイを緩めて 
しゃぶしゃぶ定食を食べていた 

思えば僕にもそんな 
寂しさにみたされた夜があった 

職場の老人ホームで 
お年寄りが喜ん ....
今夜も、仕事から帰った家で 
待っていてくれた嫁さんの 
台所で、とんとん
野菜を刻む音がする  

僕の安月給でやりくりする 
我家の食卓 
  
昨日炒めた野菜の残りでつくった
 ....
そろそろ(忘れるコツ)を身につけたい僕は 
凹んでしまいそうな夜にこそ 
「Today is anotherday」と言ってみる 

自分の落度に指をさされて 
眉をしかめそうな時にこそ 
 ....
今日の入浴介助は 
全身をばねにしてバリバリ働くAさんと 
一人すろーに働く僕のペアで 
一人のお年寄を介助する間に 
Aさんは三人位してそうで 

天井あたりから
数時間の動きを見ると ....
 三月十一日・午後二時四十六分、彼はデイ
サービスの廊下でお婆さんと歩いていた。前
方の車椅子のお爺さんが「地震だ」と言った
次の瞬間、壁の絵は傾き、施設は揺さぶられ
る海上の船となっ ....
私という人間は、一冊の本なのです。 

四角いからだに手足を生やし 
不恰好に揺れながら 
人々の間を往くのです 

私が通り過ぎる時 
誰もが振り返り 
「何だい奴は」と{ルビ嗤=わ ....
いつやって来るかも知らぬ 
嵐を恐れたところで、始まらない。 

夫婦というものは 
四つの瞳でみつめたものを 
二つの口で語りあい 
四つの手を重ねて 
一つの心で、祈るのです 

 ....
日を浴びて 
風にゆらめく木々の葉は 
風呂に沈んだ我に囁く 


まっ青な、あぁあまりにも、まっ青な 
仰いだ空を、胸に写さん。 


旅先の、風呂の{ルビ水面=みなも}に ....
僕の履いてる靴の踵は 
ぽっかり穴が、空いており 

電車待ちのベンチや 
仕事帰りのファミレスで 
片足脱いでは 
いつも小石を、地に落とす。 

給料日が来るたびに 
「今月こそ ....
「 赤イ羽根共同募金ノ御協力、オ願イイタシマス 」 
後輩ふたりを左右に、僕はまん中で募金箱を首から下げて 
通り過ぎゆく人々の誰かの胸へ、ひとつの声が届くよう 
道化のふりした明るさで、一心に ....
夕暮れの窓辺から 
あの煙突の上に昇り 
空へ吸いこまれる 
煙を見ていると 

昨日 
頭に来た誰かの一言や 
恥ずかしかった自分の姿が 

いずれ何処かへ消えゆくよ ....
きみは東京という街にやってきて 
やがてセンスを身につけるだろう 

流行りの服を身に纏い 
流行りの帽子をかぶり 
そして 
流行りの店で可愛娘ちゃんと食事する 

しかしだな 
 ....
旅人は{ルビ叢=くさむら}に埋れて 
横たわり  
いちめんの空に 
浮雲の群を見ていた 

それぞれに{ルビ流離=さすら}う雲は 
違った形の膨らみで 
西から東へ流れゆく 

自 ....
ベビーカーに寝かされて 
泣いている赤ちゃんを 
若い母が覗きこみ 
「痛いの痛い飛んでいけ」と囁けば 
不思議と笑みが浮かびます 

産声を上げた誕生の日から 
幾十年の月日は流れ 
 ....
チェーン店のカレー屋で 
「グランドマザーカレー」
を食べていた 

自動ドアが開き 
ヘルパーさんに手を引かれた 
お婆さんが店に入り 
隣の席にゆっくり  
腰を下ろした 

 ....
くたびれた足を引きずって 
いつもの夜道を帰ってきたら 
祖母の部屋の窓はまっ暗で 
もう明かりの灯らぬことに 
今更ながら気がついた 

玄関のドアを開いて 
階段を上がり入った部屋の ....
「 いってきます 」 

顔を覆う白い布を手に取り 
もう瞳を開くことのない 
祖母のきれいな顔に 
一言を告げてから 
玄関のドアを開き
七里ヶ浜へと続く 
散歩日和の道を歩く 
 ....
生前の君と最後に語り合った 
このCafeに来るといつも 
テーブルに一つ  
硝子の灰皿を置いてもらう 

向かいの空席に 
ぼんやりと君の面影を浮かべ 
日頃誰にも言えない 
秘密 ....
どうやら僕は
今迄の思い出を 
大事にしすぎたようだ 

部屋の中は 
まだ終えてない宿題みたいな 
山積みの本  

ポケットの中は 
札は無くともささやかな記念日の ....
「 よいしょぉ・・・! 」 

どしゃぶりの雨の中 
三人の男は 
橋の欄干にぶら下がり 
川へ落ちそうな独りの女を 
心を一つに、引き上げた。 

(ソノ時彼ハ、ジーンズノ腰縁ヲグィ ....
「免許を取るには、年齢位の金がかかる」 

誰かさんが言ってた通り 
33歳にして33万という金を 
母ちゃんは惜しげもなく貸してくれた 

二俣川で筆記試験に受かり 
初めて免許を手に ....
「オクターブ」という 
ぼくの素敵な詩友の本 

表紙を照らす 
オレンジの陽だまりが 
不思議な熱で 
夏風邪に冷えたぼくを 
温める 


頁を開くと、追悼詩。 


若 ....
たちばなまことさんの服部 剛さんおすすめリスト(41)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ある真夜中のポエジー_- 服部 剛自由詩5+12-2-1
甘酒の味_- 服部 剛自由詩8*12-1-6
家族の船_- 服部 剛自由詩712-1-1
妻のひとこと_- 服部 剛自由詩511-12-31
絵の世界へ_- 服部 剛自由詩111-12-7
オルゴールの唄_- 服部 剛自由詩411-12-7
天のポスト_- 服部 剛自由詩611-11-11
湯呑み_- 服部 剛自由詩411-11-3
あの頃の青年_- 服部 剛自由詩1011-11-3
残りもの家族_- 服部 剛自由詩1211-10-13
はじまりの詩- 服部 剛自由詩311-9-14
亀のつぶやき_- 服部 剛自由詩511-9-4
日の丸の旗_ーSAVE_JAPANー_- 服部 剛自由詩411-3-17
幸福の本_- 服部 剛自由詩811-2-24
夫婦ノ樹_- 服部 剛自由詩410-10-16
高井戸温泉にて_- 服部 剛自由詩3*10-4-26
穴の空いた靴_- 服部 剛自由詩810-2-4
赤い羽音共同募金_- 服部 剛自由詩5*09-10-2
あたらしい太陽- 服部 剛自由詩6*09-7-23
寅さん、語る。_- 服部 剛自由詩509-7-21
ペネタの雲_- 服部 剛自由詩909-6-5
ベビーカーの青空_- 服部 剛自由詩409-5-31
稲穂のこころ_- 服部 剛自由詩1109-3-22
遺影のまなざし_ー四十九日前夜ー_- 服部 剛自由詩2009-3-10
海に還った祖母に捧ぐ_- 服部 剛自由詩3509-1-24
硝子の灰皿_〜亡き友との対話〜_- 服部 剛自由詩208-12-7
Freedom_Song_- 服部 剛自由詩32*08-9-22
いのちの綱_- 服部 剛自由詩908-9-1
免許を取れた日_- 服部 剛自由詩27+*08-8-26
ジムノペディ_- 服部 剛自由詩10*08-8-12

Home 次へ
1 2 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する