最初の 真昼の 星が

ことばの 紀元前に またたいて いる

やってきた 9月

地には ことしの 豊穣を

やくそく した 稲穂たちや 曇った空

透明な 稲びかり ....
よく夢で見る町を、歩く。
ずっと前から何度も何度も歩いてきた、町だ。
久しぶりだったので少し切なく、なる。
この町も変わったよなと、思う。

夢の中ですら、時は移ろう。

見知らぬ誰かの ....
ぼくの 住む 土地で

自然に ひぐらしの 声を 聞いたのは

10年も むかしに なる

それは かぼそく いっぴきの 系譜が

つづいて 啼いて いたのだ けれど

 ....
水になろうとするように
魚が魚のかたちで泳いでいる
そんな潮溜まりでは
生きものの群れがまばゆいという


空を仰ぐひとは
吐息ほどの
祈りの水を浮力にかえようとする
浮いては沈む
 ....
コッペパンを3分の1
残して 思案する
枝豆とチーズを少し
小さい親指で ぎゅぎゅっ
と 押し込んで
可愛い子 口角が少し上がっているね

『よくできました』◎

「ちゃんと食べ ....
白い 塗りかべの 建築や 小路を 抜けて

とまどいながら 最初の 一声が いまだ

はばたいている ように かぶさって いた

こちらがわの 無垢な 海砂の 地へ

いく ....
ジャンプして
空の高さをめざしていた
虫たちの翅が透明になった


さみしいね
ぼくたちの夏が行ってしまうね


とうとう本も読まず
砂だらけの栞を挿んだままで
ぼくたちはまた
 ....
庭に舞うチンダルブルーの鱗粉が日に灼かれて
ちりちり して
なんだか今日は風がうるさいなあ

小さい頃の家の庭にも
同じのが飛んでいて
つかまえようとしてもひらひら
ひらひらと

あ ....
  カントリーが聞こえる




「もう歌わなくても良いかな?」


「ああ、いいんじゃない」


「ああ」


「ていうかさぁ、あなたが勝手に歌い始めたんでしょ?」

 ....
「え?リーチなの?」

「うぉっふ」

「嘘だよ〜、またチョンボじゃないのぉ?」

「うぅぉふ」


「ほんと?今度チョンボだったら罰金だよ、モモンガ〜」

「そうだよ、そうだよ ....
パンの いる 午後

滑るように わたるように 遠投...

その 距離は 長く 零の領域で 黙秘 して いた

コバルトの 蜃気楼の むこう から

泣きながら 出て い ....
夏は
山がすこし高くなる
祖父は麦藁帽子をとって頭をかいた


わしには何もないきに
あん山ば
おまえにやっとよ


そんな話を彼女にしたら
彼女の耳の中には海があると言った
 ....
かんらん石を積む夢と
黒砂が舞い踊る夢を
秒針が殺したので
小指にてそれを折りました

ざあざあと鳴る
雨の音の降りしきる
信じ
終わり
嫌疑は流れず
淀み腐り異臭を奏で
雨の音 ....
      光がきれいだといいますが
      朝日が夕日がきれいだといいますが
      太陽で人は死ぬんだと思うわ
                            ....
いつか 夏を 見たので 夏のことを ものがたり

旅を したので 旅のことを ものがたる...

やまと 吉野の 山なか で

灼熱した 午後 数刻の 焦点は ひび割れて

 ....
見上げれば星屑が眩ゆすぎて
さすらえば闇が深すぎて
若いぼくらは歓喜で眠れなくて
そんな国があった


言葉でもなく指きりでもなく
確かめ合った
赤い木の実を食べて
甘い草の根をかじ ....
髪を 切った 襟足の ひみつ から

娘たちは 飛んで ゆくと いう

純朴な 神話が 解かれて いる

風祭を 孕んだ {ルビ帆用飛行艇=はんようひこうてい}の 陶酔は

 ....
わたしたち
流れて
真夜中の水になる
あなたの喉をやさしく潤して
そっと
夢の中にしのび込む


水は落ちてゆく
あなたの肩から腕をなぞり
そして
温かな水の中へと
導かれて
 ....
霧のエニグマ
降り停まり 指に纏え

…………………………

空に掴んだ
君の手を 僕は妬む

…………………………

霞み疲れた
恣意的な 下卑るソウル

………… ....
無音なんて瞬間はない
なんていったのは4分33秒のジョン・ケージか


見上げる路線図に刻まれた黄の疵は
痺れ絶えた僕の海馬を流す距離の苦厄紋様だ


ほら
見てみろよ
さ ....
新宿を追い越して夜が廻る
整頓された宇宙

小麦色のウサギを探すが
大抵は気の強いものに護られている

バッティングセンターからチンピラの声が聞こえる

宝石売りが乞食に餌をや ....
アンドロイドになるのは容易い




くだらねえ、というなら
くだる人間になれよ馬鹿だな
愚かとかももー安っぽくて
足りない
足りないから100万回くらい言うよ

でもそ ....
ロッキングチェアーにもたれた
揺れて、揺られながらも
パパに貰った上手い生き方
が、出口を求めている

夜の内、網戸の向こう側
君の描いた闇、に似た闇が
すそを広げていく
 ....
ずっと向こうの
そのまた ずっと向こうの
背中の海で
泳ぐひとがいる


しずかな潮がつぶやいている


わたしたち
泡ぶくだったのね
小さな水とたわむれて
いつか
生まれた ....
アンドロイドになるのは容易い


右足から、脱却

酸素すらも、
身体を通れば純粋でなど
いれないのだから
僕らがプラトニック、で
在り続けられるはずはない

ので、 ....
銀の鱗たちの抱擁に
十重二十重に被覆されたまま
世界の深奥に 沈むもの



嵐 過ぎて後
マンホールの隙間より聞こえる
ゆるやかに 鼓動するもの



いつか伊太利亜 ....
アンドロイドになるのは容易い

毎朝 世界にいざ、入獄
反復する彼の言葉だけ持参

雨ざらしの秘密
振りながら縺れる水、を笑う


時に大きくうねる
波、それからプラト ....
僕は生まれつき両足があります

歩くことを簡単だと感じていた

僕には生まれつき両手があります

名前を書き

ウタを描きます

何も持っていなくても良い

風に

遠くの ....
無知は孤独を理解できない

彼は言った

私にはただ、昨日のキスのように思える
暖かい気がして、いいえ、それは確かに暖かいのに
温もりは消された

振り返って、それからまた ....
午後、1時からの洗濯
洗剤のにおい、
太陽が働く時間めいいっぱい
を、使って
潤い逃がす 洗濯物、たち

普段聞かない洋楽を
選んで轟音、飛ばすのは意識
心が帰ってこないまま
 ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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氷点下15度の灼熱- ムラコシ ...自由詩607-8-1
メモ- 那津自由詩507-8-1
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あまのじゃく。- うわの空 ...自由詩5*07-7-31
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ライフ- うわの空 ...自由詩4*07-7-26
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ライフ- うわの空 ...自由詩7*07-7-24
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前兆で泳ぐ魚- 那津自由詩707-7-24
アダージョ。- うわの空 ...自由詩3*07-7-22

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