フラクタルな現実が 左肘の辺りで破壊音を放つ

アスファルトの憂鬱に 存在意義を失う電話ボックスのソウル




電子的なマリンスノウ 液晶画面が北北西に明滅

天空 ....
今日もいちにち
風の中を歩いてきた
ひとは揺れている雑草の
つくつくぼうしだった

音は声となり
形は姿となり
匂いは香りとなり
色は光となるように

風景は風光とならなければなら ....
「 よいしょぉ・・・! 」 

どしゃぶりの雨の中 
三人の男は 
橋の欄干にぶら下がり 
川へ落ちそうな独りの女を 
心を一つに、引き上げた。 

(ソノ時彼ハ、ジーンズノ腰縁ヲグィ ....
あなたでした。

(のほほんとした真昼のじかん)

小雨のようにぽつりと呟いて、砂利道を手をつないで歩いてくれたのも

(ありがとう、がかいま見えたけれど)

そうやって森のようにひっ ....
憶えてないくらい前から僕は
屋根裏部屋の
喋らないラジヲと古雑誌の間で
首を傾げてる
別に忘れられたことを
恨んでるわけじゃない
淋しさのように埃は積もっていくけど
僕は元気

 ....
今夜も窓ガラスを
こつこつとノックする
かぶと虫だ

息子よ
きょうの収獲はいっぴき

絵葉書はいくども読んだよ
寝苦しい夜は流氷の夢でもみたいものだ
熊の肉と行者ニンニクをかじる
 ....
観察室から
病室に戻った日

夕方
鉛色の空に
虹が出た

儚く
でも色鮮やかで
ガラスのような

こんなに
美しいものが
あるなんて

消えるまで
見ていた

鉛色の空に
滲んでいく
虹を

わたし ....
ねえねえと肩を揺すっても
寝たふりしてたはずの
あいつは
いつの間にか深い眠りに落ちていて

久しぶりに触れ合いたかったのに
わたしのこころは
ちょびっと傷ついてしまった

それでも ....
ハシブトガラスのジョージが死んだ

浄瑠璃町の舗道の上に
骨の折れたこうもり傘みたいに
貼りついていた

アオサギのジミーが言った

南の島のまがいものの空に焦がれて
旅行社の馬 ....
明日のことばかり考えている彼女と
昨日のことばかり振りかえる僕
針で突いては
月は破れ

倒れこんだ水のない
手もつなげない花が二輪
カーテンレールの、かららと転ぶ音
風が吹いてる ....
カルピスを飲んだら、凄く濃かった。
何故なら、氷が溶ける前にすべて飲んでしまったから。

南極の氷が溶ける前の海の水と、今の海の水は、濃度が違うんだろうか。
小学生の夏休みに行った海の水の味と ....
夏の終り
小さなローソクに火を点し
山深い夜の川を
ぼく等はすこしだけ明るくする

澄んだ水を飲み
あふれる流れを浴びて生きた
名もない魂が火となって
再び水に帰る

死んだ人との ....
先日の夜、だったかな。
それとも朝、だったか。

誰も食わねえ北海道みやげのわかさいもをバリボリやりながらテレビをみてたら、
すき屋のCMをやってた。有名な牛丼のチェーン店だ。
そこで俺は信 ....
「免許を取るには、年齢位の金がかかる」 

誰かさんが言ってた通り 
33歳にして33万という金を 
母ちゃんは惜しげもなく貸してくれた 

二俣川で筆記試験に受かり 
初めて免許を手に ....
             080826



衣といえば
自給自足の時代
主婦が植えて紡いで
織って仕立てたものさ
買ってくるなんて
お大尽のところだけ
訳知り顔のお兄さん
弟の ....
西へと
みじかい眠りを繋ぎながら
渦潮の海をわたって
風のくにへ

海の向こうで
山はいつも寝そべっている
近づくと
つぎつぎに隠れてしまう

活火山は豊かな鋭角で
休火山はやさ ....
暗闇に指を伸ばして
知ろうとしている
指先が暖かく湿る
聞こえるのは、ピアノだけ

鳴いている
泣いている
うまく言えない
でも大好きだよ

ピアノのトリルのような ....
充血した方の目で
窓の外を眺めた
赤い網目の向こう側には
いつもの景色があるのだが
その虫捕り網には
穴が開いているから
僕は呆気なく
ホントを取り逃がしてしまう

白濁した方の ....
結果が重要なのではない
そこに至るまでの過程が
もっとも
重要
なんだ

一足ごとに
アスファルト踏みつけるたびにそこから
名前のない生命がうまれて
燃えながら
 ....
永遠に交わらぬはずの者同士が
交わろうとする



水と油
そんな感じで



高温にまで熱せられた油は
邪険にも寄せる思いを弾き飛ばして
ふつふつと
行き場の無い怒りに震え ....
大塚
都電の線路沿い
ホープ軒の隣の隣にある世界飯店は知る人ぞ知る世界飯店
一番の人気メニューはぱりっとした鴨焼飯
1000円
B級グルメというジャンルがあるらしい
B級
俺が今 ....
僕らが見なければならないのは夢と幻
窮屈すぎる日常と
電車の傾きをも気にしない非日常
混み合った道路と時間のジレンマ
そこらへんに転がっている無数の意味

太陽は少しずつ傾きながら変わり続 ....
{引用=laisser vibrer

(音楽)鳴らしたままに。(打楽器で)振動を止めない。}

0,

ポリリズム、
異なるリズムの孤独が、偶然同期する
ほんの一時の間だけ、でも
 ....
地の底の歌を聴き

暗がりの言葉をまさぐり

ざわめく井戸端をなぎたおし

しどけなく横たわる絹のストールを引き裂き

ヒリヒリと苛立つ昨日を脱ぎ捨て

ゆがんだ唇を真っ赤に塗りつ ....
音の闇があり
むらさきがあり
白い泡を染め
闇を抜ける


夜の会話が屋根を歩き
窓から入り
まばたきに驚き
再び出てゆく


夜に咲く花と脇道
小さく手を振る気 ....
柔らかな肉をはむ様に
どうしたって優しくしなくっちゃ
毎日が退屈になっちゃうから
目の前で小さな虫が跳び跳ねる様に
何かの儀式みたいに意味も無く踊りながら

風が涼しいね

夜だから
 ....
「オクターブ」という 
ぼくの素敵な詩友の本 

表紙を照らす 
オレンジの陽だまりが 
不思議な熱で 
夏風邪に冷えたぼくを 
温める 


頁を開くと、追悼詩。 


若 ....
雑踏のあちこちに
発生する
ポップな電子音

それぞれの手のひらの中
ぽろぽろと
カラフルな想いをつかまえる

まるでゼリービーンズのよう
人工着色料かけた
ねじれた言葉が小窓にな ....
 なつの朝に
くりかえしくりかえし
泣きながら、うまれる
声と声と声が
遠くの地球
むこうにしろいくも
横ばいに漂う

 わたしたち
くりかえし生まれて
体操して
朝の匂い
 ....
{画像=080907104708.jpg}


夏休みにはいつも母の実家に帰って、
おばあちゃんのおとぎ話を聞いた。
従兄弟達と一緒に横になって
おきまりの昔話を聞いた。
遠くに盆踊りの ....
たちばなまことさんのおすすめリスト(1472)
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