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ゆきの降らない冬の日々
吊られたあらいざらしの
Tシャツはふるえていた
それはゆきを待つわたしのように
次第に乾いていく暖かい日差しのなか
磔刑にされしろくしろく待ちわびている
誰 ....
そこにいて、あそこにいて
あちらにもこちらにもいる夕ぐれ
夕まぐれ、ぽつりと川の中洲に
陽が落ちている、ぽかんとしている
誰もが知っていて誰も知らない
歌を烏が知らないよ、と歌う
なん ....
課題詩・秋に再挑戦
『栗への讃歌』
青い雲丹のようであった
トゲトゲが今やえび茶色に
染まり機は熟したと落ち始めた
栗よ、お前は縄文の昔から
人びとの口を楽しませ、飢えから
救っ ....
さて、秋か
そろそろ秋か
まだ夏か、と
迷う、日に
レモンが採れた、と
走る声あり、爽やかな
気配に夏が背を向けて
すれ違いに部屋を
出て行きました
まだそこかしこにいる
....
軒先に脱いだ靴が消えた
会社にばかり通ってる靴だから
会社に向かったのかもしれない
いや、しかし、通勤電車に嫌気が
さして旅に出たのかもしれない
文なしの旅先で困ってやしないか
いやいや、 ....
遠い国の少年の歌声が柵を乗り越えて
仔馬がいなくなった落日に秋が来た
枯れ葉が地を水面をうちながら
次第に翳る空の気まぐれに高原で
樹々に寄りそう祖霊たちが笑っている
やがて色褪せて ....
お日さまをつかんだ
ちいさな手、まだ開かない開かない
蛍になるか、星になるか、それとも
お月さま、猫の瞳かもしれません
お日さまをつかんだ
ちいさな手、まだ開かない開かない
ギュッと握 ....