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北の地を放浪しても
得るものは老いた馬の
澄んだ瞳だけだった

若駒とともに嘶いたが
そのように走れなかった

鞄をひらきぶち撒けて
夢も希望も熱狂も棄て
敗残兵なりに鞄は軽く

 ....
ふるい嘘を すてた日
体が軽くて
歩きにくかった

曲がっても曲がっても
曲がり角
街はらせんに伸びつづけ

かわいたパン くらいの
気持になって
飛び降りるとき
空は
わ ....
公平と平等
当然ある筈のものがなかった

肝心な人の命を計る物差しにさえ
公平と平等に目盛りが刻まれていなかったと
思い知らされた

それぞれの人には
それぞれの値札がついていて

 ....
長すぎる夜に
ほんの少しの朝のきれはしを
しのばせておく
ばらばらになった風景が
夢のなかでぼんやりと
それでも一つに結び合おうとすると
空に向かって曲がりくねりながら伸びて
その先で開 ....
衣のすれる音がする
明け方の雲にうすく
細い、オレンジ
つまびらかな膚に
そそいで
横目にそれて

意味もなく
十字をきって
さかさまに
花束を放って
その線上にさいごの
星が ....
雛鳥の
巣を抱くような
恋をして

心臓を
貪るように
交わって

雪の降る
街で
そっとお別れを

そんな
お伽噺のような
時を過ごし

漆黒と
戯れる今は
孤独 ....
雷鳴
地面を走る
わたしの怒りの様な
空は暗い
まだ眠るあなたの知らない内に
わたしは走る
怒りが走る
バターのように
じんわり溶けた


融和かな
消滅かな

さしも発酵熟成は進み
腐敗か食べ頃

収穫する葡萄を初手からかびさせる
貴腐ワイン
甘く甘く舌鼓

果たして国と ....
強い潮風にあたりながら薄味な浜辺を眺めていた。

縦から水平線へと、スマフォの向きを変化させてはシャッターを何枚か切った。
岩をくり貫いたトンネルを抜ければ岩場がある
使われない海藻が密集 ....
瞼のおくに
鼓動がやどって
かなわなかった祈りも
血肉となって
いつか
癒える日を
ゆるさないでいる

それぞれの
さいはてに立って
白い旗をふる
くさはらのそこここは
まあた ....
乗せる者がいるから
風船 と呼ぶのだろう

風を借りるから
風船 と呼ぶのだろう

いずれ返すことになる
風も
命も
空も海も
ひとの返る場所は
こんなに広い
 雨粒よ
 溶かしこんでおくれ
 流して
 運び去っておくれ
 塵状となって
 わたしたちを取り囲む
 不安や哀しみの全てを
 
 肺胞の奥底に
 堆積させて
 その重みに
 身 ....
今夜は雨もしとしと降っていて
もうずいぶん遅いから
誰も訪ねてはこないだろう
だから玄関に鍵をかけて
雨や風が外の空気を伝えてこないように
窓もしっかりと閉めて
ひとりで
瞑想するように ....
山の中腹に
本堂が鎮座する
その床下の
戒壇を
 独り
  降りる

   ひんやりとした
   そこは真っ暗
   右手は壁を伝い
   左手は闇を泳いで
   目を見開いても ....
音もなく雨が
鳥の羽根に乗って
木立ちの枝を滑って
猫のしっぽにくっついて

雨はどこまで行くのだろう
楽しんでいるのだろうか

綺麗な雨がこぼれていく
誰か拾って下さいな
あなた ....
原初のもりのなかには
原初の夢があったのだろうか

生命ははじめて声をだしたときに
詩を綴っただろうか

曖昧な系統樹のはてに僕たちは
何の権利もないことを知るが

それが自由なのか ....
今日、JAZZ喫茶映画館に集う僕等は
日常の仮面をそっと外す。

万葉の頃から続く〝言の葉〟への思
いを胸に秘め、見えない風に背を押
され、見えない糸に導かれ、この夕
べに集う僕等は一枚の ....
いたみから
目を背けられない夜の月のような
白く甘いこどくと
カップの底に残ったままのココアは
あの手が握りしめたやさしい日々の
ちいさな祈りをいくつも
いくつもつないで

告げること ....
「せんせい」
僕たちがそう呼んだ
すべての人たちへ

せんせいたちが
愛し愛された
たくさんの教え子のなかの
最も従順で
素直だったあの子に
せんせいたちが
今日
後ろから刺され ....
人に向かって歩く
遠くに見える人
人が点滅する
そうして人は消えてゆく

離れている時はつながっていた
いくつそんなため息をつけば
光を育てられるのだろう
もうたぐり寄せるものもなく
 ....
海岸に流れ着いた死体は
名前のないまま葬られた
世間から隔離された
小さな漁師町の住民たちの優しさは
どちらかといえば退屈から来るもので

テツは一五歳
マチは一六歳
ラノは一四歳だっ ....
雨がポツリポツリと
傘をたたく
低い音
高い音
いろんな音色が
傘を滑って落ちていく

言葉が聞こえる
雨音の中に

妖精が言葉を
降らせている

私に気づいて欲しいと
雨 ....
どろんこ遊びは楽しいか
どろんこだらけのこの子どこの子
シャワーを浴びたら
そこにいたのは
人ではなくて、猫でした。

このこどこのこねこ
このねこどこのこ
こねこねこのこ
このこは ....
交差点で行きかう人を 市バスから眺める
私には気付かずに
けれど 確実に交差していく人の、
行先は黒い地下への入口

冷房の効きすぎたバス
喋らない老人たち
太陽に乱反射する高層ビルの窓 ....
十三歳
中学生でした

担任の男性教師は怖い先生でした
柔道部の顧問をしていて有段者でした

先生の口癖は
人間は感情の生き物だ
でした

その言葉が出ると
クラスの中の誰かが頬 ....
朝の始まりには いたって鳥が鳴き
雲がまだ暗い空を覆う
ゆっくりと始まる一日に自然と頭を下げる

随分と長いこと眠っていたようだ
あれからどのくらいだろうか

いくつ寝て いくつ眠れなか ....
パパが偉人をほめるとふぅんと聞く

当時の社会情勢や趨勢を凄く読んでいる
と語気を強めるパパに

ほむほむと首肯する
パパは今の情勢も趨勢も読めていないのであるが

こうして現代、偉人 ....
太陽の中の受精卵が
笑ったり怒ったりしながら
こっちを見ている

(周期不安定な回転運動)

念仏を唱える君
私は狂ったように笑う

本当の暖かさを忘れた春が
待ちわびる正真正銘の ....
{引用=破傷風}
この世界を憂い悲しむ心は知らぬ間に
蜘蛛より細い糸で繋がっている
見たことも触れたこともない天の何処かと
教育によって与えられたのではない最初からあった
見えない傷口のよう ....
朝を磨こう。あなたの朝でいいよ。それはとても蒸し暑い午後三時かもしれないし、泣きたくなるほどこごえる夜の二時かもしれないよね。でもそれが、それだけがあなたの朝。あなたはめをさまし、その瞬間から終わりに ....
もとこさんの自由詩おすすめリスト(1049)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
海への帰路- 帆場蔵人自由詩6*20-4-21
2001- はるな自由詩420-4-20
明と暗- こたきひ ...自由詩220-4-20
眼の奥処- 岡部淳太 ...自由詩120-4-19
Morning_Glory- むぎのよ ...自由詩1*20-4-18
孤独- ひだかた ...自由詩420-4-18
雷鳴- 卯月とわ ...自由詩120-4-18
病流行れど地球動ぜず- 秋也自由詩1*20-4-17
偏西風- アラガイ ...自由詩5*20-4-17
くらげの骨- むぎのよ ...自由詩10*20-4-16
風船- ぽりせつ自由詩2*20-4-13
_雨乞い- 北村 守 ...自由詩120-4-12
訪問- 岡部淳太 ...自由詩1120-4-12
よみがえる- もちはる自由詩2*20-4-6
音もなく雨が- 丘白月自由詩120-3-23
原初の森- 梅昆布茶自由詩1020-3-23
『詩の映画館』に寄せて- 服部 剛自由詩420-3-23
夜の月が祈りのかたちを照らすとき- かんな自由詩320-3-23
先生- 両性具有自由詩2*20-3-23
点滅- 木葉 揺自由詩520-3-22
からっぽの世界- ホロウ・ ...自由詩8*20-3-22
言葉の雨- 丘白月自由詩120-3-22
どろんこだらけのこの子どこの子- 足立らど ...自由詩120-3-22
転がる- 為平 澪自由詩220-3-22
感謝しない心- こたきひ ...自由詩220-3-22
わたし_あなた_夢を描くものとして- 二宮和樹自由詩220-3-22
お父さんの言うことには- りゅうさ ...自由詩1*20-3-22
春光に寄せて- TwoRivers自由詩4*20-3-21
壊疽した旅行者_一- ただのみ ...自由詩2*20-3-21
命はめぐまれた- 万願寺自由詩120-3-21

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