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乗せる者がいるから
風船 と呼ぶのだろう
風を借りるから
風船 と呼ぶのだろう
いずれ返すことになる
風も
命も
空も海も
ひとの返る場所は
こんなに広い
たったひとつ足りないばかりに
水になれない命がこの世にはあるのだから
たったひとつの決まりごとのために
美になれない命があっても おかしくはない
(だからこそーー )
ふと眺めた死 ....
うまれてから
なんにちたったのだろう きょう
うまれた日は だれにもいちどしかないのに
たんじょうびは なぜ
なんどもおとずれるのだろう
あつめるほどに 足りなくなってゆく
ことばのた ....
かべの絵葉書はもう永いこと陽に灼かれている
白い空に
白い海をまたぎ
白い太陽が 浮かんでいる
(しずかすぎる痛みは いつも
もっとも深い傷となってあらわれたーー )
わたし ....
海のかたちがある。
水を蹴る一枚のうすい尾ひれがそう
波に浮かんだふくよかな船体がそう
同じく、
空のかたちがある。
土のかたちがある。
宇宙のかたちがある・・・
〈美しい〉という現 ....
いつかわたしが生まれ帰ってきたとき
もういちどこの詩をみつけたい
なまえも知らないひとの詩として
ささやかだけど悩みや哀しみ 楽しみなんかを書きとめて
人肌のあやうさを伝えたい
....