すべてのおすすめ
かたちだけ人なんて
腐るくらいにいる
もしかしたら
もしかしなくても
人のたましいには
汚れきった血液と
清みきった空があるんだろ
かたちだけ人だけど
どうすればいい
....
緑の{ルビ扉口=とぐち}で世界がはじまる
アナザーバード
ありふれた季節に
誰でもない名前を探していた
初めて逢うひとのような
遠い
横顔を
朝露に濡れた
葉裏がひるがえる
....
つくりあげた虚栄が
交差する連鎖
反応
捉えようなく
涙する波が
一人の部屋に隠れて
窓の外は雨
照明を落としても
流れてくる昼の明かり
薄暗い
とても不在
嫌になるほど会いたい ....
大きな空と 大きな山を見た
幾何学模様を合わせたような 目を細めて時間軸を仰ぐ
私と人類の記憶に滞る しんと降る空気が浮く
説明する辞書がない
この大きな空と この大きな山
私の瞳にお ....
死んだ
食い潰そうとしていた夢は死んだ
世界は
眠らずに何かを待っていた
だから死んだ
宇宙人の襲撃も
ヒーローの登場も
何もなかった
台風 ....
神の指で巻かれたゼンマイは軋み
石刀で標された暦が螺旋状に印され
メスで切り裂いた細胞のそれは
分裂を繰り返し体系化され
天の川の白い流れ惑星また小惑星
思索や憶測を遥かに超えた真理は
啓 ....
「何処の誰だかわからないのでいらいらしてしまう。
何処の誰だよ、とわかればもっといらいらするかも知れないね
見慣れた表情で、毎度違う話を持ってくるのは狸たち
、狭い世界だな。とかいう伝 ....
わかれのよかんをかんじたら
おんなはすばやくはんのうし
あたしをどおしてきらうのと
きっとつめよることもする
うそだ
うそです
うそだといってと
きらわれてもいい
すがりつ ....
犬にもあるか 仏性が
ウイルスにもあるか 仏性が
AIにもあるか 仏性が
いい加減に書き散らした日記を死ぬまでつけようか
時間と空間が混乱しては想いは惑い腹も減るだろう
冷たい朝の空気が夜に萎えた神経に障るあさは
棄てられた男は塵箱のように
女を浄化できるの ....
{引用=ふりしきり
牡丹雪
ふみつぶし
雪のこと
バターや砂
小休止の記号
時計
飛び回る鳥たち
訳について
目盛りの隙間に
蜂鳥の逆巻く
海馬に一つの ....
弟よ
見失うな
一日ずつ進む
不安と愛しいこと
今日という本当のこと
向き合う意味がある
ずっとなくならないと思うことがあるだろう
強い風のなかでは息がしにくかった
心をわだかまらせた ....
子供の頃に母親の財布から小銭を抜いた。
母親はそれを知ってか知らないか何も言われなかった。
勿論、紙幣には絶体手を出さなかった。バレてしまうし、それ以上に私んちが貧乏なのはイヤと言うほどわかってい ....
雨が降る
漆黒のタール、銀に輝かせ
雨が降る
懐かしい匂い、散布しながら
雨が降る
遠い記憶の感触、浮き上がらせ
今宵すべてすべて静まり返り
わたしは独り寝の床を整える
未知の予感 ....
朝の生ぬるいミルクは狂者に揺れる鏡
それは夢と希望を織りまぜた苦い蜂蜜の跡
急ぎ足に躓いた 襟巾の呼吸が
今日も樹海を彷徨う亡者の影が みえてくる
....
耳飾り揺れて
響く音楽
あれはバイオリン
嗚呼
声が聴きたいな
なんて
恋する乙女は
また歩みを進める
あなたのさした傘の下
秘密を一つ分け合って
大事に大事に
心臓に埋め込 ....
わたしの潮位はあたたかいですか
あの肌のぬくもりよりも
潮汐ふたつ
重ねたりして
潮騒も遠く
弔意をしるべ
さすれば息が上がっても
さすれば息が絶えても
....
誰かの口から
誰かの口へ
思いがけず飛沫する菌が
感染しやせぬか
警戒セヨ 警戒セヨ
と、怖れるほど
ビニールシートの向こう側へ
あなたの顔は遠のいて
ぼやけて・・みえる
....
引き出しの隅から出てきた
100円ライター
大学生の時に
二箱吸ってやめた
ラークマイルド
高揚もリラックスも得られず
友達と一緒に手放した
十年振り
試しにと
でも
火は ....
いつでも蛇口を捻れば水は出るのに、スーパーマーケットにミネラルウォーターを買いにいく人たち。ちまたにあふれている。
私は含まれない。
非常事態になるほど売れるのはなぜだ?
いつでもLIN ....
小雨は
薄日を乗せて
銀の色
濡れて
照り映える
ふくらはぎ
白く優しく季節に溶け
小雨は
薄日を乗せて
銀の色
遠く
夏の予感を
膨らませ
....
ひとり
寂しいワタシが
砂の穴を抜けてみても
つきの
静かな夜は
寒い
ひとり
小さいアナタが
火の花を食べてみても
ほしの
転がる夜は
寒い
夜空からたれ下る
....
たとえば
対岸に貴方が立っている光景
声をかけても届かない事実と
合いまったわたしの感情
たとえば
左手薬指の傷
日に日に薄くなっていく記憶と
合いまったわたしの痛み
たとえば ....
夜空に手が届いたなら、星を触ったなら、
どんな感覚だろう。当たり前に恋をして、
幸せ、そうかな、君のためなら、地球が、
逆に回って日の出で止まる、そのせいで、
星は見えなくなって、それが、幸せ ....
売っていたらしい
老舗のうふ
かしわ餅
もうおっさんなのに
死ぬまでくうきか
かしわ餅
においにかられ
かしわの葉に
とまる
懐疑的な
蠅
一息
ちぎれ花びら
ひらり
揺れ落ちて
世の川の瀬に
流れ漂う
目を凝らす
空の果て
悲しさ滲み
なみだ
零れる
愚かさの
只中で
葦は折れ
萎れ行く
されど
祈る
遠く
....
とてもつらいことがあったとき
暖かいご飯を一口食べて
涙が止まらなくなったことがあったな
生きるって
そういうことだな
愛は真っすぐ丘を登って行った
蹄の跡を頂に置き去りにして
光は渦巻いている
春の風がむき出しの土を{ルビ弄=まさぐ}っている
あの日太陽を塗りつぶしたのは誰だったか
わたしの心臓を突き刺 ....
今日は
楽しかった
みんな
またね
って言って
僕は
終電に走る
なんとか
間に合って
来ていた
LINEを
返す
みんな
ありがとう
出会えて
よかった
そしてスマホ ....
遊びトモダチ
トモダチ意識が煮詰まったマブダチ
仕事仲間
仕事以外で
趣味が同じ 夢がいっしょの
気持ちのあう仲間
一切私にはおりません
なので余計な気は使わないし
お金も出ていき ....
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