死語の道徳を囀る一羽の小鳥が
超高層ビルからヒラリと飛んだ
喪失した記憶 飛び方を思い出すための荒療治
ところが思い出したのは
自分が本当は魚だったということ
《しまった早まった! 》
だ ....
隣の家の目覚まし時計に起こされた 沼のほとりにあなたは立って
覗き込む
濁る水底
揺らぐ藻の影
素早くよぎる魚の気配に
煌めく泡が
まっすぐに
昇ってくるのを待ちながら

言葉の淵にあなたは立って
覗き込む
尾び ....
不完全な春に花を盗もうと今から用意している

星が堕ちても拾わないで誰のものでもないのだから

約束って悲しい響き裏切りを孕んでいるから

一足飛びに人生を俯瞰してでも今が好きなんだごめん ....
あの草原のうえに浮かんだ雲はいまもかわらない
風はやわらかな吐息とともに春をはこんでくる

春待ち鳥は歌声を整えてこぼれる季節にそなえる
翻弄されながらもまた花びらとなって流れてゆく
ひとの ....
 むかし、ぼくが田舎で少年をやっていたころ、野性の動物が家の周りを彷徨いていた。畦を通れば、蛇が逃げ、イタチやムジナに出会うことも、珍しくはなかった。イノシシは畑の作物を喰い荒らしていた。雪の日には山 .... 左腕に
浮き出た内出血の痣
八年前に受けた
ハーセプチンの点滴は
あたしの血管までもぼろぼろにして
以来 採血は
看護士泣かせの儀式となった
その痕を
老いた母は
かわいそうにと
 ....
 こんな朝から大好きです
 あなたと連絡が取れた1ヶ月前から
 わたしの気持ちはふわふわしてます

 片想い なんだけど
 メールしたら 返ってきて
 しかも 柔らかい内容で
 ナイ ....
夕ごはんの買い物帰りにママンが仔猫を拾ってきた
パッパは余計なもの拾ってくるなよと言った
ぼくはびっくりして、触ったりした
今日から兄弟だよって
ママンが言った

少し震えながら
鳴 ....
朝まだき鴉溶けゆく菫色


ごうごうと北国の川動き出す


シロツメとレンゲソウなりどこまでも


御堀端風の戯れ桜花飛ぶ


蝶々が母をたずねて三千里


蝋梅を写真で ....
片隅に花

飾られた花

精一杯咲いていても

根なし草

命短し
赤い花

愛でて綺麗だとは

儚すぎる
明日

色褪せれば

色鮮やかな
新しい赤い花 ....
片方の手を取って
九十歳のきくさんと
介護の青年は
デイサービスの廊下を
ゆっくり、歩く。

きくさんは、皺の寄った右の拳で
くしゃくしゃなちり紙を
握り締めている。  

「それ ....
いつか
虹がでてるから空見て!
って
メールでおしえてくれたね

わたし
ありがとうって伝えなかった気がする

いつも
はずかしいとか
てれくさいとか
そんなものに
負けてたん ....
カーナビの知らぬ公園風光る 赤ちゃん言葉がしゃがれている 交響曲第一番「亀戸」を作曲しようと思ったが
口笛も吹けないので断念し
リーマン予想を証明しようとしたが
9の段が苦手だし
素数はブルドッグしか知らないので諦めた
4回捻りに挑戦しようとも考え ....
生まれてくるときはひとり
死ぬときもひとり

だけど
笑うのも
泣くのも
怒るのも
ひとりではできないのが不思議

そして
笑ったり
泣いたり
怒ったりしないと
 ....
さめたみそ汁

水たまり

霞や雲が

大人しく降る


風に運ばれ

光に刺激され

歴史の束の間

毒をおびる


ああ、黙っていたら

損をするなんて
 ....
もう会わない人が夢にあらわれて息子と夫に背を向けている




初恋は夫なんです本当に誰に言い訳しているのやら




日曜日夫のてづくりおにぎりを大きな口で子と食べる ....
西側の二脚の椅子に
座っていた
子らは
ふくふくと育ち
ようようと三月へと出かけていった

つながったひとつのベンチに
結果 残されたようになった
夫婦は
横に座って
同じ景色を眺 ....
 瞳


二月の白い雨の中
何もかもが凍りついた冬日
畦の匂いさへ凍りついたまま
も吉は冷たい闇の中で
いつもの道を見失ってしまった
今日はどうしても
まっすぐ歩けない

も吉を ....
詩をつくるとき、「大きさ」を意識しているだろうか?
私の場合、心の大きさなどは考えることはあるけれど、
ことさら「大きさ」をテーマにしない限り
物の大きさを考えることはあまりない。

さて「 ....
出来るでしょうか
目に見えない心を磨くことなど
出来るでしょうか
形のないものを磨くことが

かつてある食品会社が
「水を磨く」と言いました
大河の水は汚れています
池の水も汚れて ....
闘牛やパコ・デ・ルシアの薬指 月が昇らぬ夜もドカドカ歩く 寒すぎるサーバー室で眠った彼は
真冬に新月で小指を切る夢を見た
次の朝になって彼が目覚めると
世界の半分が失われていた

空腹の彼はコードで繋がったまま
駅前まで歩いて喫茶店に入った
注 ....
野辺に咲く花は彩りささやかな風に揺れていた
太陽の光を浴びたその場所は緑の芝生が敷かれ
青い空と白い雲が浮かび眩い光景に満ち溢れる

花園と小鳥と蝶と蜜蜂が飛びかい猫や犬と戯れ
時には小 ....
都合の悪いことや
不快なことは
予め伏字にするという
配慮が
いつからかこの国では
行きとどいているので
よほど気をつけていなければ
事実は見えない
まして
事実を都合よく見誤ろうと ....
いのちの素描 
躍動の結晶を背景に
白い天啓の不規則性
欺くように舞って

――つめたい耳たぶに腰をかける
   そとには沈黙が降り積み
   うちには言の葉降り積む

  
   ....
ボールが転がる音がして
振り向いたら
それは冬が去っていく音なんでした

冬は寒いものを転がして
古くなったものを巻き取って
辺りをふかふかの風景にしていきます

それが春なんでした
 ....
ichirouさんのおすすめリスト(2054)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
歴史の礫- ただのみ ...自由詩14+*14-2-28
隣の家の目覚まし時計に起こされた- 北大路京 ...自由詩714-2-28
沼のほとり- Lucy自由詩19*14-2-28
不完全な春- 梅昆布茶短歌1014-2-28
流れる- 梅昆布茶自由詩1314-2-28
掌編「悪夢」- イナエ散文(批評 ...7*14-2-28
【紫の華】_詩人サークル「群青」二月のお題「紫」への提出作品- そらの珊 ...自由詩13*14-2-28
すき- はるこ自由詩2*14-2-28
メーピスカリャー- 末下りょ ...自由詩4*14-2-28
春「シロツメ、蕗の薹」_(一〇句)- もっぷ俳句2*14-2-28
片隅- くうに自由詩114-2-27
白いちり紙- 服部 剛自由詩1014-2-27
ともだち- 弓夜自由詩3*14-2-27
カーナビの知らぬ公園風光る- 北大路京 ...俳句614-2-27
赤ちゃん言葉がしゃがれている- 北大路京 ...自由詩514-2-27
夢を見るバカ- 花形新次自由詩414-2-27
その間だけでも- 小原あき自由詩6*14-2-27
天気予報- 吉岡ペペ ...自由詩414-2-27
初恋- 小原あき短歌4*14-2-27
二月は未来を調整します- そらの珊 ...自由詩17*14-2-27
北の亡者/Again_2014如月〜皐月- たま自由詩25*14-2-27
「大きさ」という視点- 殿上 童おすすめリ ...9*14-2-27
磨く- イナエ自由詩22*14-2-26
闘牛やパコ・デ・ルシアの薬指- 北大路京 ...俳句314-2-26
月が昇らぬ夜もドカドカ歩く- 北大路京 ...自由詩614-2-26
ある朝- 自由詩1214-2-26
花園・・・- tamami自由詩1014-2-26
配慮- Lucy自由詩24+*14-2-25
二月・北国では- ただのみ ...自由詩16*14-2-25
春待ち- 小原あき自由詩11*14-2-25

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