いつも 
車両に乗り込んだ人は
先から乗ってきた人に
目で挨拶を交わしたきり
閉じたままの窓の外へ
視線を泳がせたまま
死んでしまう

いつも
死んだ人間が運ばれていく車両に
今日 ....
スーパーで並んでいたときのこと

小学校一年くらいの男の子が
母親とおぼしき人に
何やら言いに行ったかとおもうやいなや
ばしっと音が響きわたるほどの勢いで
頭をはたかれた

理由はわか ....
眠れない
時だけが
刻まれる部屋で

眠れない
そもそも私は
眠りたいのか

眠れないのか
眠らないのか

眠眠眠眠眠…
何だかちっとも
眠くない漢字だ
いや
感じだ
 ....
蟹は
前を向きながら横へ進むのか
横を向きながら前へ進むのか
蟹のからだの構造上
顔のある方が前だから
蟹は前を向きながら横へ進んでいるのだ
が しかし
蟹も何か目的を持って進んでいる
 ....
なじめない街に
あたらしい図書館ができて

あたしはうれしくって
ちいさい頃から本だけはいつも傍にいてくれたと
はたと気がついて

そういえば
だれもいない 一人部屋

まだまだお ....
目がさめたら
やけに喉が渇いていた

水を飲もうと
池のふちで
身をかがめると
なぜか
バランスを崩し
水の中に落ちてしまった

泳ごうとしても
体は重く
水の底へ沈んでいく
 ....
一日の仕事を終え
重たい瞼を閉じると
学生だった頃に
顕微鏡で見たことのある
輪切りにした脳の細胞
・・のような原野に
無数のプラナリアが蠢いていた
その隙間を油の泡が
虹色に発酵して ....
私は十三年間
薄暗い工場の中で
機械の一部になって働いてきました
小さな子どもを連れて離婚した
若くもない女には3Kの仕事しかなかった
子どもを保育園に預けて働いた

毎日々
ベルトコ ....
公園で拾うシケモク春の猫 鏨(たがね)を打ち込む

光沢のある表面に
一閃の傷をつける
堅固な光沢のある表面に
鏨(たがね)を打ち込む

切断する術は腕一つ
振り下ろす鉄槌の微妙な躊躇は
表面を滑り鏨(た ....
Vの発音 Vの発音 Vの発音 Vの発音
言語聴覚士に何度も発音を矯正される
だけどまだできない
標準的なVの発音

ボールを投げて キャッチして
ボールを投げて キャッチして
作業療法士 ....
おはよう
今日も生きている私へ
重い身体を起こし
薬を飲んだら
また眠る私だけど

私もちゃんと
明日のために生きている
銀盤の周囲には
金や策略やら
得体の知れない黒いどろどろが
埋まっているとかいないとか
それと比べたら
ライバルのスケート靴に
画鋲をいれちゃうなんて
(そういう少女漫画があった)
わ ....
父は今日
返事をしなかった
話しかけても

目だけはじっと
私をみていた

まゆみだよ
わかる?

といっても
黙っていた

聞こえる?
と聞くと
うなずいた

声は ....
洗濯物の模様になって
取り込まれたテントウムシ
手足を縮めて
ぼく死んでまーす

アジサイの葉に
赤と黒の水玉模様
手を触れれば地面に落ちて
ころころ転がり
ひっくり返ってぼく死 ....
金属の目録に眼を通した
あらゆる色彩がひび割れる時刻に
百万年かけて落下する思考の速度で

澱んだ大気の底に広がる地衣類のような
無数の金属の結晶が犇めく都市の上空から
走査電子顕微鏡 ....
熱燗の、おちょこの横の
受け皿に
五匹のししゃもが銀の腹を並べ
口を開いて、反っている

いつか何処かで観たような
あれはピカソの絵だったろうか?
絶望を突き抜けてしまった人が
空を仰 ....
回向院眠るあの仔はどうしてる年あらたまり陽はやわらかく


元旦の部屋暖かく恵まれて初詠み刻む亡き父の{ルビ時間=とき}


一月のなみだはじめてこぼす日の夢で会いたいたましいふたつ

 ....
斜面の彼方
架空の消失点に向かって
きみは加速する

ゴーグルに叩きつけては
後方へ飛び去る風が
喝采にも罵声にもきこえる
そのクレシェンドの頂点で

はるかに強く
心音をたたきつ ....
親のない子も育ちたる雨水かな 少女がしゃがみこんで
草むらを見ている

ふいに振り返り
その昔
あなたはわたしだったのと告げる

小さな瞳を通せば
草むらは森になり
水たまりは湖になり
その村の地下組織に住まう ....
【透明なマグマ】


あれからというもの踏切が 透明なマグマだ
車を走らせていて
次第に車を減速させ
遮断機が ゆっくりと降りている
車と車の隙間を ゆっくりと歩いていた猫が  ....
人生のかなり始めの方から
数字とは折り合いが悪かった
なかなか「ひとつ」から「とお」までが言えなかった
私の脳みそは数学に辿りつくことはなく
小学生の算数の始め
特に九九でつまずいて
今だ ....
ねえもういやなのよ
脂の匂いでたるんだ男どもの顔と
画面の中のかわいらしいみんなを見比べる毎日は
世の中をこんな風にしたのは一体誰
いくら泡のような微笑みで満ちていても
私をぶつ手の感触が本 ....
耳を塞いでいたくて
自分にウソをついた
もうがんばれないと
気を奮い立たせれば
本当は立ち上がれる
そんな気はしてたけど

目を背けたくて
自分を見捨てた
ダメなやつだと
気力振り ....
お隣の家の門から沈丁花


雲雀東風初めて背負うランドセル


桜東風あちらこちらでスマフォデビュー


遠足の菓子五百円までの頃


北窓のカーテン揺れる平和かな


 ....
崩落したコンクリート構造物には異型鉄筋が露出し錆びついている
圧縮されたすべてのものがついに限界を迎え
一瞬にして広大な大気圏の天辺に分厚い雲が浮かび
ゆがんだ紫色の空間から雨が降り出した
得 ....
雨はなぜ私をすり抜けていくのか
そんなことを考えながら歩いている
死者を飛び越える猫のように
あるいは歩きはじめた老人のように
それは古寺へと続く苔生した山道であり
田植えが終わったばかりの ....
今日は姪っ子と詩人の誕生日
姪っ子は一歳 詩人は何歳だったかな・・
時々 神と繋がっているはずだから 脳の杖は黄金の如意棒
だから 私たちを唸らせるんだ
生まれ持った持たされた才能に違いない
 ....
大根役者と呼ばれているが色が白いと勘違い
ichirouさんのおすすめリスト(2054)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
いつもの車両に- イナエ自由詩12*14-2-22
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公園で拾うシケモク春の猫- 北大路京 ...俳句314-2-21
鏨(たがね)を打ち込む- ……とあ ...自由詩14*14-2-21
矯正- 夏美かを ...自由詩30*14-2-21
おはよう- 森川美咲自由詩6*14-2-21
そこぢから- そらの珊 ...自由詩11*14-2-21
父は今日- Lucy自由詩22+*14-2-20
擬死- イナエ自由詩12*14-2-20
金属の目録- 壮佑自由詩27*14-2-20
ししゃも- 服部 剛自由詩21*14-2-20
元旦二〇一四_(一〇首)- もっぷ短歌214-2-20
ノーマルヒル- 村田 活 ...自由詩4*14-2-20
親のない子も育ちたる雨水かな- 北大路京 ...俳句114-2-20
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