くらい森の中、葉からこぼれたひと滴が百の詩篇になりながら堆積した過去を濡らすとき、僕は口を開くことはない―瞬間の眩しさに射貫かれて心を停止している、汗に濡れ、歩き続けて疲弊した身体を抱えて ....
夜の足元に浸透する無色な表情たちは鋭利な棘を準備している、浮かれた心はだから、すぐに冷めて大人しく蹲る、折り曲げて抱いた両の膝越しに見える足は爪が少し伸び過ぎている、無色な表情たちはそいつ ....
枯れてしまった花々が横たわる道端で
明日来るバスを待っている
夕方まで降り続いた雨のせいで
街は水のにおいがする
ターミナルのベンチはわたし一人
これ以上誰もやって来ることはない ....
横滑りする思考が頭蓋の内壁に残した掻き傷、そいつが過去や現在をイレギュラーに跳ねさせてマインドは行き場のないジャンプでいっぱいだ、昼なのに薄暗いのはきっと雨のせいなんかじゃない、なにかが俺の瞼 ....
僕は死に始めた、見慣れた部屋の中で
僕は死に始めた、変わりない日常の中で
僕は死に始めた、まだ果たせぬ思いのまま
僕は死に始めた、いびつな過去を抱いて
石灰色の目覚めがこめかみを締 ....
生温い雨に濡れながら午前二時、あらゆる神経が脳天に向かって空虚を届けるころ、おれは寝床を拒否してキーボードを叩いている、ヘッドフォンのなかではインプロビゼイション・ノイズが存分に掻き回している、お ....
すべてはくたばって散ばり、火をつけられて焼け焦げた炭になってしまうだろう、ポンコツの目玉が呼び起こす小さな頭痛に舌打ちをしながら、長い長い夜の幕開けだ、心臓が轟音を上げている、それは俺に大 ....
指の隙間で結晶化する高濃度の殺意を洗浄しようとしてすべてが化膿する記録されない洗礼の日、鋼鉄の悔恨はカルシウムの欠片のように胃袋の底でごろごろと感染を続けていた、嘔吐の予感は十二時間も脅かし続 ....
微細なノイズが連続する頭蓋の内壁で半端な崩落のまま凝固した自我が瓦礫の隙間で高笑いをする午前の一瞬、極限まで見開いても目視ままならぬ目と麻痺した鼻腔の捉える嘘、甲状腺の異常の懐 ....
無数の刃は君を切り刻むが、程なく飽きて君を放り出してしまうだろう
君は致命傷こそ受けてはいないが、失血死の危険にさらされている、そのとき
無数の医者が現れて君に様々な治療を施すだろう、君は ....
望みもしない話でひび割れだらけの手のひらを訳知り顔で誇ることなどやっぱり出来ず、気の遠くなるような昔から気の遠くなるような尺度で気が違うような既視感、身体を紐で結ばれていることも知らず杭を中心 ....
すべてにはぐれたまま
失われた魂は
どこへ帰るでしょうか
あなたが
安らかに眠るあいだ
ぼくは
夢を見たでしょうか
雨のせいで三月にしては肌寒い夜 ....
咳き込んで
数日
まともに眠れず
置き薬は
役立たずで
ようやく
よく効く薬を
手に入れても
結局
それまでの
蓄積か
少しも眠れず
動画サイトで
....
忘れた?
それとも覚えている?
あちこちで跳躍する囁きは
たったひとつのおぞましい現実を
僕らの前に突きつける
朝もやの中
最初の電車が走り抜ける瞬間を狙って
血 ....
欺瞞にまみれた利き腕を手首から切り落として、尺骨に鉛筆をぶっ刺して再びの羅列を深く刻め、小鉢を並べて澄まして見せるような小賢しい真似はこの俺にゃ不要だ、真実はいつでも殴り飛ばし ....
人が時を自由に出来ぬというのならなぜ人は時の中に生まれるのだろう?考えてみろ、人が生まれる前には時なんてものはなかった、それは人が生まれなければそう名づけられることはなかったのだ、時計など目印 ....
ベジタリアンの夫は機械が刻んだ野菜を好まないのでわたしは毎日大量の野菜を刻む、薄切り、千切り、いちょう切り、短冊、ささがき、タワーマンションの最上階に住んでいながら、窓の外なんかほとんど見 ....
いつもくりかえす
ディンディンダンダンディンディンダン
いつもくりかえして
終点はどこにもない
ある日とつぜん断ち切られ
カット・アウト、はい、おしまい、ご愁傷さま
晴れた空をまっぷた ....
猥雑な今日が
冬に凍りつき
床に転がされている
意味など
求めなくなった
そのほかの
どんなものにも
そんな気づきが
人を
どこかへ連れて行ってくれるなんて
寝言も
いい ....
ときに、視界からはぐれてしまう魂は、だけど
気がつくといつも「そこに来たばかり」といった調子で息を弾ませている
消化試合のようなくだらない時間のあと、身体を、身体を休めて
ウィリアム ....
のべつ幕なしぶちまけられる脳下垂体のジャミングに幻覚と幻聴のオンパレードだ、グラついた壁の下敷きになった二人の子供の話をだれかが耳元でずっと囁き続けている、それがどんなに酷く損傷していたか ....
白昼バランスでも崩したのかすっ転んで縁石で頭を打って死んでいる老人が漏らしてスラックスに滲んでいる糞を一匹の野良猫が執拗に舐めていてその傍を通り過ぎる子供用の鉛筆みたいな服装をした若い ....
凍りついた脳髄は断片的な記憶ばかりを吐き出し、当然の如くそれは順序通りなどである筈も無く、たとえ拾い上げて並べてみたところで穴ぼこだらけで見られたものじゃない―古い舗装道路は山の麓 ....
)
夜更けに
ロック・ミュージック喰らい
寝具の中でサナギになる
血流はゆっくりと、くたばらない程度に
脳味噌はないものを見つめながら
まどろみをクルージングしている
いつも ....
夏に
その場所に貼りついて
そのまま
息絶えた
ひとりの蛾が
いつしか淡い影となって
冬には、なくなった
それはありふれた風景だったし
毎年のように
繰り返さ ....
脳髄に出来た亀裂から饒舌な空虚が垂れ流される夜だ、信号はどこかに、信号はいつもどこかに…アンテナのないところで途切れる、雨を待つ空は紗幕のように奇妙な光を放ち…まる ....
汚れた床に落ちた埃は
身元不明の死体に似ている
掃除機をかけて横たわると
失われた影だけが見える
固定電話が久しぶりに目を覚ます
でも答える前にベルは ....
冬の風に冷えた鋼鉄が、花の記憶を掻き消す、すべては結晶化してしまい、現実として機能するには足りない、なにもかもが完璧に足りない、朝食のスープはほんの少し食べるのを忘れていた ....
アパートメント二〇二の壁の裂傷
フラグメントの終焉と彼女の吐瀉物
ポリスの出動はいつでも間に合わない
彼は絶望の寝床にうずくまったまま
ダイヤルの記録は悲鳴のような声ばかり
テー ....
化石を敷き詰めた絨毯のうえで胡坐をかいているような心境でおれは真夜中にこの部屋に打ち込まれた用途不明の一本の杭だった、外ではここ数週間の決まりごとのように雨が降り始めていて、濡れながら冷え ....
ホロウ・シカエルボク
(1179)
タイトル
カテゴリ
Point
日付
いまはそこから立ち去っていくだけの
自由詩
2*
16/5/16 23:06
夜光虫たちの晩餐
自由詩
2*
16/5/11 2:48
夜明け前、記憶の中で明日を
自由詩
10*
16/5/2 0:33
白紙のページには何かを書いておけ、次はそこから始めればいいと ...
自由詩
0
16/4/21 15:32
僕は死に始めた
自由詩
2*
16/4/17 13:46
独白は無責任に(けれど真剣さを持って)
自由詩
1*
16/4/7 1:49
撹拌される真夜中の指向性(望まれるのはイレギュラーバウン ...
自由詩
0+*
16/4/5 22:51
死体の頭を数えて、永らえた今日を。
自由詩
1*
16/3/27 23:18
ランチの時間
自由詩
1*
16/3/26 11:39
放り出された世界の中で着地点を見つけたとき
自由詩
2*
16/3/19 23:09
歯の裏で
自由詩
2*
16/3/13 22:35
また眠りの終わるときが来るように
自由詩
4*
16/3/10 1:45
ロー・パワー
自由詩
2*
16/3/8 12:53
あてのないまなざし
自由詩
2*
16/3/4 18:36
少しずつ余計に解き放たれる (逃げ惑うリミット)
自由詩
0
16/2/20 22:46
まだ明かされてない問、まだ晴れてない闇、そうしてお前がお前で ...
自由詩
1*
16/2/3 23:06
カッティング・エッジ
自由詩
2*
16/1/30 0:39
虫、虫、虫虫虫
自由詩
3*
16/1/27 23:50
不眠の内訳
自由詩
5*
16/1/27 0:56
夜をぶっとばせ
自由詩
1*
16/1/18 23:58
まともな話をするやつは正面からやってくる
自由詩
1*
16/1/10 23:04
証拠なんかなくてごちそうさま
自由詩
0*
16/1/3 10:28
ミサ
自由詩
0
16/1/1 0:36
それは抽象性以上の具体性を持たない(そしてしばらくの間循環を ...
自由詩
2*
15/12/25 23:57
ガ
自由詩
4*
15/12/24 23:20
暗転の種類
自由詩
3*
15/12/21 23:52
光線の名残
自由詩
4*
15/12/13 22:45
最初で最後の、樹氷が見る夢
自由詩
0*
15/12/7 22:42
すべての夜は悲しみの膝元にあり
自由詩
5*
15/11/26 0:48
リフレクション(鏡像に風穴)
自由詩
2*
15/11/23 1:54
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