かいていのえきで
でんしゃをまっている
ホームにはだれもいない
ときどきだれかくるけれど
いつもきまって
うえのほうにうかんでいく
このごろは
でんしゃもくるようにな ....
あるひるさがり
わたしたちは
ひとのふりをして
おしゃべりしていたはずなのに
あなたはとつぜん
てのひらをあわせて
わたしをおがむのだった
どうかじょうぶつ
してく ....
今日も
終職できなかった
思いがけず
終職できたという
幸せな人もいるという
わたしは
終職したいのだろうか
まだこの世の中に
未練があるのではないだろうか
....
もしきょうで
せかいがおわるとしても
きょうのひを
あしたへつなげよう
もしせかいが
あしたはないとしても
きょうのひを
わすれずにいきてゆこう
いすのないブランコが
かぜにゆれている
きっとあれは
おばけのブランコなのだ
ふざけてしゃがんで
ブランコのるふりしていると
かぜのこえが
こどものこえがきこえる ....
れいぞうこをあけると
いつかのなつの
せみのこえがきこえる
わたしは
トマトをひとつとりだし
つめたいそれにかぶりついた
れいぞうこをしめると
せみのこえはやみ
ト ....
かくのうようきのなかで
おばけをぞうしょくさせた
おばけは
ふのエネルギーで
わたしたちのくらしを
うるおした
しかし
おばけたちはにげだした
かくのうようきを
....
いくらねむっても
そこにはいけません
ねむらなくても
ここはここのまま
あさになると
めざめます
よるになると
ねむります
さみしいそこは
どこなのか
....
あさがおが
まださいている
ひるになっても
ひがくれても
よどおし
さいている
あさになると
しぼむ
ゆうひがうみに
しずんでいく
ちいさな
しょうてんがいの
あかりがともる
ろうじんのために
ろうじんがはたらく
まちがここにある
ときどき
だがしをかいに
....
じゅうしょはしらないけれど
かおはよくしっている
むかししたくだらないはなしの
ないようもよくしっている
きみはだれなのだろう
れんらくさきさえしらないのに
わたし ....
ヒロシマ
といって
アメリカをにくんだ
フクシマ
といって
ニッポンをにくんだ
そうして
わたしたちは
にくむべきものを
みうしなった
いなほが
かぜにゆ ....
いすは
ひとがすわらなくても
それじたい
ひとのようである
だれもすわらないいす
それじたいが
まるでひとのように
みずからにちんざしている
やかれたひとも
まだ ....
しぜんはとても
ふまじめだ
こどもができたら
そだてるおかねどうしよう
がくれきは
しゅうしょくは
せきにんは
なんて
まったくおもわない
ふりょうほど
し ....
くさのないところで
おばあさんが
くさかりしてる
むかしこのあたりは
いちめん
くさばかりだったんだよ
といって
おばあさんが
いないところにも
くさがはえている ....
こうそくバスのりばで
わかものがははに
みおくられている
ふりょうに
からまれんなよ
ははにそういわれて
わかものはうつむき
てれてわらった
それをみてわたしは ....
きみがもし
しにたくなったら
ぼくがいっしょに
しんであげる
けれどもし
しにたくなかったら
ぼくがひとりで
しんであげる
そういって
ゆうひはうみに
....
むかしこのあたりに
デパートがあったのだ
といっても
しんじてもらえない
はるかむかしの
しんぶんのかたすみに
にぎやかなバーゲンの
こうこくがあったことなど
....
ここではいろんなくにの
どうぶつがほりょになっている
せんそうはおわったのに
まだはじまってもいないのに
ここにくると
いつもせんそうをおもいだす
いつくにへかえれ ....
ひとつになろうと
ひとはいうけれど
わたしたちは
はじめからひとつなのだ
それなのにひとは
ひとりになるために
ひっしにいきているようだった
ひるもよるも
きせ ....
いしきのないところが
はがれていた
まるでせかいに
あながあいたように
そのすきまを
たましいでうめていく
つぎはぎだらけのきものきて
うつくしくおどる
....
理由があって
朝まで駅で過ごした
ベンチの下に
甲虫が死んでいた
裏返っていた
始発まで眠り
目を覚ますと
甲虫が裏返ったまま
手足を動かしていた
生きていたのだ
理由 ....
タイムマシンは
ないけれど
あるんだよ
にじゅうねんぶりに
ふるさとへ
かえってきた
もうもどれない
タイムマシンにのって
せみが
ものをいっている
ぎえ
ぎいぎぎぎい
いったい
どんないみなのだ
いみをしって
どうするというのだ
せみのことばには
あいうえおも
かきくけこもありません
さしすせそも
たちつてとさえ
いみはありません
ただ、ぎぎぎとか
ぎゃっぎゃっとか
なきながらとびながら
....
まよいのもりで
まよったまよった
まよってすぐに
わかったわかった
もりなんて
なかったんだ
まようことも
なかったんだ
ここにはまだまだ
なにもない
....
わたしが
きらいなのは
むし
なつにたくさん
でてくるから
むしもわたしが
きらいなのかしら
なつにたくさん
でてくるから
だとしたら
すこしかなしくて ....
わたしたちが
ねむっているうちに
またひとつ
よるがまちを
おとずれました
ねむらずにきょうもまた
よるがまちをおとずれました
わたしたちが
ねむっているうちに
....
ブランコにのろうとした
そのときだった
いちじんのかぜがふいて
ブランコをゆらした
たくさんのこどもたちが
ひとつのかぜになって
はしりぬけたかのように
わたしに ....
にゅうどうぐもをみて
しょうじょはいった
みんな
しんでしまったんだ
なにとみまちがえたのだろう
しょうじょもまた
そらたかくきえていった
ひつじぐもがうまれるこ ....
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