すべてのおすすめ
忘れたことの{ルビ仲=なか}に
あるんだよね
詩は
自動記述というのが流行ったのが百年前なら
意識が流行ったのはいつのことやら
なんなら
アウストラロピテクスの頭蓋骨を
電子レンジに ....
眉毛は太くて下がってて
一重瞼の団子鼻
唇厚くて しもぶくれ
良いトコ一つも無いけれど
語り口調は可笑しくて
さっぱり分からぬ話でも
話下手でも どもっても
心の綺麗な人だから ....
日頃ぐうたらな僕が
一念発起して
庭の草をむしり始めた
夏の太陽はぎらぎら笑い
ぽたり、ぽたり
{ルビ滴=したた}る汗は目に沁みる
草のむしれる感触に
無心で熱中しながら、熱 ....
真面目に仕事してても文句ばっかり言われるし
客だけじゃなくて同僚からも恨まれるし
何のために仕事しとるんか、よく分からんわ
自分のためとか家族のためとか金のためとかさ
いろいろ自分自身に言い訳 ....
子供のころ
ある 二月の夜に
こんな
ふ
う
に
電
線
を
伝
っ
....
海が見たい とつぶやいた
あなたは今日の今頃は
白いベル付きの
ドアの向こう
あなたののこした
たった一つの
小麦色の帽子をもって
記憶の底の海へ行こう
※※※※※※※※※※※ ....
空になった麦酒の樽が火傷する位に熱くなってる
アサヒビールも麒麟もサントリーもサッポロも
あっ企業名書いてしまったよ
まったくもってけしからんな
スーパーやドラッグストアやお酒の一般店から ....
星の刻
ぼくは砂漠のトカゲで
歩き疲れたラクダは銀河を見ていた
水溜まりにはジュラ紀の鬱蒼が
ネアンデルタール人の女の子とも恋をして
{引用=弄ぶ時流のうねり
倦むことなき鍾 ....
百よりも承知で
まちがいをした
星や花やきれいな色を
片端から万引き
雛の初恋も
水際の目配せも
みんな無理に抱きつぶした
夜よりも深い穴を開いて
世界からはなにも盗めないと
....
淋しい金魚は
ひらひら、きれい
冷たい水の
いちばん冷たいところを
その身に負った
見事な絵の具で
ぬくめて渡る
淋しい金魚は
なんにも言わない
わたしにわかる言葉など
ひとつ ....
女性には関心のない振りを装っている。
だけど私が勤めている物流センターには沢山の異性が働いているのだ。
その大半はパートタイマーの奥さん連中。勿論男連中もいるがそのほとんども非正規雇用の従業員だ。 ....
何故か苛立つ
原因が分からない
タバコも旨くない
コーラも飲む気がしない
時にはそんなこともある
憎しみの波動を感じる
謂れのない悪意が伝わってくる
そんな時は
冷たい水に浸か ....
大きな山だった
立ちはだかったまま青く動かないで
汚れたままの靴と
広くて深い空
その空に追突していった
ま白い鳥が
置いていった羽をくるくるもてあそびながら
雲の上や切れ間を流れる風に ....
朝の山
露の草むらから
ぬっと 雉
蹴爪が
近付いてくる
深い新緑の塊
深紅の顔
すくっとした首
獲物を狙う目と嘴が
迫る
と
光沢の羽を広げ
僕をきっと視
....
まず、南部風鈴の音色がある。それから、木のまな板をリズミカルにたたくステンレス製包丁の軽快音。スリッパの薄っぺならビニール底が台所の床の上でぺたぺたと笑う声。朝焼けのなか、小刻みに振動する洗濯乾燥機は ....
彼女は持つ
花を 花に似た見目姿を
その花が育ってゆく時間を
温かい自嘲を 揺れるブランコを
隠している本当の名前を
潮の満ち引きを
握り拳の中にあるものを
下降と上昇と停滞を繰り返す ....
深くて静かな宙を一羽の鳥は行く
深くて静かな宙の深い静けさを私は感じる
私は気付き言い思う
たましいという いのちは、
山を形作る石の石としての役目であり
手紙入れに眠っているあの人の涙 ....
その蜩は、おそらく、その日暮らしで生きておられる。
その鳴き声は、その日一日のための鳴き声ゆえに美しい。
何となく生きている
僕のいる今はそんな朝
食べ飽きたトーストや
冷めたコーヒーが
さよならの条件に当てはまる
燃えるゴミの日
本当に捨てられるのは
僕だったんじゃないか
生きる意味とか ....
暮らしの貧しさは容易に数字に出来るけど
人の心の貧しさは容易に言葉や文字には括れない
日々の仕事に心底疲れながら
休日にそれを癒せない
そこには命の貧しさが潜んでいるからだろう
平凡 ....
去年の夏
海沿いの古い集落の
小さな宿に泊まった
窓から見えた自販機だけが
灯りらしい灯りで
ジュースを買いに出たとき
本当の夜を知った
すぐ近くなのに
宿の灯りが届かない
夜がこん ....
ほんとうは、たたかうほうが好きです
若いことを踏み潰した、地続きの傷
なぞると忘れた横顔に似たきり、
痛みにしがみつくことなく
目を閉じます
白い配りもの、光って、子に散る声 ....
縁側で
ぷっと
西瓜の種飛ばし
放物線の先を
追っている
幼い子供が
独り居て
遠い夏の日
夏の午後
その日を生きる
幼子が
風に吹かれて
風に吹かれて
名無しで ....
ポプラ通りの真ん中らへん
すべすべの感覚で
まぶたを閉じれば
少年を見つけられる
少年は息を止め
そっと手を伸ばし
とんぼの羽根をゆびさきでつまむ
瞬間を点でとらえたのだ
でも虫か ....
つま先にあたった石ころが
ころころ
ゆるく転がって川に落ちる
何の音もしない
七年前
職場のわたしの歓迎会は
小ぎれいな洋風レストランに皆集まった
こ ....
地下室への階段を降りてゆくと
探していた言葉があった
それは難しい言葉なんかではなくて
なんてことはない言葉だった
くだらないなぞなぞの答えのような
拍子抜けするようなやつ
でも 昔は仲良 ....
たそがれて
いちにちが終わる
いつかは
このくるしみも終わる
すくなくも
わたしが終われば終わるだろう
その時は
世界が終わる のではなく
世界のなかで
わたしが終わる
わ ....
本当は存在しないもの
駄菓子の当たり
国境線
赤道
風
本当は存在するもの
自販機の当たり(たまに当たるんだぜ)
戦争
ひとり
花
地球儀にキャプテンがいる
片言の日 ....
小学校の教科書だったろうか
あの坂をのぼれば
海が見える
あの坂をのぼれば
海が見える
と繰り返す文章が
40年近く経った今も
あのときの少年たちの声とともに
ここに聞こえている
あ ....
最初に狙ったのは豚野郎でした。次に手を汚したのは芋野郎です。鍋に蓋をしてお釜で煮込めば消えました。お粥はいいなあ。茶粥には甘藷の薩摩芋。甘い芥川塩!コンニャク芋ではござりませぬ。蝗の佃煮。味噌 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179