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疲れた同僚に声をかけ
代わりにゴミ袋を、捨てにいった。
困った顔した同僚に声をかけられ
休憩時間を少し削って、手伝った。
(あなたを助けたい)という一念は
口に出さなくとも ....
毎日僕を職場まで
車で送ってくれる君は
無邪気な少女になって
窓越しに、手をふる。
門の前で振り返り
いつもは緩んだ顔を
きりっと締めて
こめかみにあてた掌を
真直 ....
少しゆすってみる
星が降ってくるかもしれない
わかってるよ
ありえない話でもしないとさ
空気が悪いじゃないか
も少しあたたかくなったら
急がなくていいから
決めようか 行く先
....
切り撮らないで
って景色がいうから
そっとかえしました
すこぉしだけ触れて
ごめんね
私がいること確かめたかった
白かぶころりん
土の上まで飛び出てる
ふたつ並んで
雪の ....
木枯らしが子豚のレンガを
吹き飛ばしてしまおうと
肺活量一杯に呼吸をぶつけてくる
その風の強さを外壁に浴びて
小さくくしゃみを繰り返す家の中
テーブルを囲んで家族で鍋
大した具は入って ....
あなたに逢えてよかった
あなたには何故か海の匂いがする
こすって
しごいて
叫び声を上げながら
生ぐさい
希望の臭いがする
町は今
眠りの中
あのタネをまき散らすのはあなた
....
涙は何れ枯れるって
あれはうそです
歳をとればとるほど些細な事柄が胸に凍みてきて
それには
深い傷痕の縫い目を自分に重ね合わせたり
生きものの
生きものたちの還る姿が地 ....
つまがとなりで
ねている
ときには
いとしくてだきしめて
にくらしくてせをむけて
つまがとなりで
ねている
そのどちらでもない
よるも
灯火のような色を夕暮れのオレンジ色の無人の通りに見た
橋でもない影は 流れていく 時間なのだ
人と自分を比較しながらなんとなく思っていた どこかで
なびいていたのは黄色い 旗たちだった
....
クラシックの呟きに
大気までもが
眠ってしまう
信号機の
明滅する夜にも
確かにいる
歩いている
星が流れる
星を集める
夜という鳥は
光るものが好き
採ってきた
星を
....
101227
実りある時を
稼ぎ時と思いたい
足し算に飽きたサイコロ
賭博に手を出して
痛い目に遭うこともあり
さいの目に切り刻んだ膾を呑み込 ....
放課後の黒板にチョウクであの人の名前を書いたことがある
海辺で集めた白い石を並べて書いたことも
消しゴムのケースで隠れたところにボールペンで書いたことも
くもった車のガラス窓を指でなぞって書いた ....
年の瀬戸際につかまって
泡立つ街を浮遊する
地が足につかないような
こんな感じもいいかもね
とりあえず全部棚上げにして
ニュートラルコーナーへ
今なら許してあげるから
本当のこと ....
人は自分に降りかからない惨事には
とても親切になれるんだよね
心配してるよなんて言えたりする
だけどそれでいいのかもしれないと思うんだ
最中の自分だったら平気で踏みつけてたかもしれない
....
と
海苔をはっつけて
白米にまく
明太子
鮭
あられ
わさび
お茶づけにする
うまい
塩こぶがあれば
なおうれし
なんにもない
かえり道
僕は
小さくなって
街の大きさに
おどろいた
そらは夜だから
つきが出ていて
それよりまぶしい
ビルのあかり
お金を稼ぐと
なに ....
僕は白く色のついた風の中に立っていた
見渡すかぎり真っ白で
春のように温かだった
風に背をむける
その行きつく先をながめながら
とてもかなしかった
なぜかなしいんだろう
と、考えてもわか ....
その歳で何言ってるの
冷たい言葉をピシャリとかけられ
心臓が止まるかと思うような反撃
リスタートはいつでもできる
ドラマに出てきそうなセリフには
年齢制限があるのよと教えられて
....
「ここで一緒に
いけたらいいと
俺だって思っているさ」
その場しのぎの
言い訳をして
乳首のペロリ舐め
もっと要求してくる声を
無視してひたすら
乳首を舐める
ペロペロペロ ....
素敵な蝶々
ハナタレ小僧
青い空
君が好き
地球は丸い
宇宙は遠い
僕は小さい
君が好き
12月26日のサンタクロースは、
たった一日で、
こんなにも小さな背中になってしまうのかい、
疲れきって、
足はしもやけでむくれ、
街はツリーや電球の撤去もいまいましそうで、
はや、お正月 ....
武蔵野を行く快速電車
僕の正面のシートに
座る柔らかな君
君が頬ばる、クリームパンの
甘い香りに誘われて
僕の視線は君の口元に
紅をひいた唇に囲まれ
齧られ押し出され
唇の横にへばり付 ....
街にイルミネーションが輝きだす冬の夜
羽虫のむれがあつまるように
はなやぐ街の通りに
人々がつどい
きらびやかな建物のなかにはいってゆく
わたしは場末の
赤提灯のともる、家の軒下にきえ ....
彼の家というものに誘われたのが
初めての クリスマスの夜だった
家族に紹介するというので
料理など持参してみたり
めいっぱい緊張して気を使って
ぎくしゃくと挨拶をすませて彼の部屋に行くと
....
窓がとぶ
屋根がとぶ
全裸のマネキンが宙をとぶ
狂った風が吹きやがる
傘がとぶ
帽子がとぶ
純白のパンティーが宙をとぶ
狂った風が吹きやがる
笑いやがれ、
笑いやがれ、
笑 ....
生きていると
死ぬことを忘れてしまう
私たちは
生きているのではなく
死に向かっているのだ
夜明けのように
死は訪れる
目を覚まさないうちに
私たちは死んで
約束されたように ....
多分、初めて思う
病院で、見た景色
残された、老人の
心の景色
隣り合う、夫婦
齢を重ねた、二人
刺身とケーキと、記憶
そこにあった、幸せ
消失
心が壊れ ....
無人のブランコが揺れる
温かくても冷たくても
風はいつもものを動かそうとする
ジャングルジムの天辺に登れた人が
みんなから尊敬されていた時もあった
そんなに昔のことではないけれど ....
白い球はカーブを描き
握り損ねた手
ほら
頭上を、空高く飛び越え
砂原を駆け上がり
野を越え 谷を下り
小川をながれて
目のまえのどぶ板に 隠れると
あなたは道を横切りしゃ ....
骨のしびれと肉の痛みに
霊魂が戸惑う堤防の草むらで
空き瓶と空き缶が寄り添い
密談をしている
亀裂の入ったトルソと
染みの入った掛け軸の ....
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