すべてのおすすめ
力を籠め
直角を形作る釘を抜く
秋の初めの陽射し
うっすらと汗をかき
N釘 和釘 五寸釘
丸釘 ステープル
亜鉛鍍金(めっき)の太め釘
あらゆる釘を抜いてしまう
すると匣(は ....
宇宙が
じっとこちらを見つめる夜
惹かれあいたがっている
わたしよりもきっと
歯磨き粉のほうがさびしい
あきらめてみる
たとえばわたしでいることをあきらめてみる
すると亡くなった母のこととか
ひとりぼっちの寂しさとか
なんだかふぅっと身軽になれて
お線香のくゆりは相変わらず苦手 ....
首を垂らして歩けば
私の影で縁取られた道路が見える
雨上がり、ミミズが這い上がって
そこいら中でダイイング・メッセージ
無性に腹が立って
傘をぶん投げる
私のこと、好きになってくれよ
絶望があるのと同じように
希望も存在する
楽しみが永遠に続かないように
苦しみも永遠に続かない
人生を希望の方向へ
希望の方向へと
向けていきたい
太陽に向かうひまわりのように
....
現実を見ると怖くなるが
それでも羽をばたつかせ浮力を得るんだ
純然たる生き死にへの矛盾は
最後に答えの一部に成ると信じて
詩はいつも
死んだように
思いを 無くした
見えない感覚なのだろう
私は 見た
いつも それを
川の 畔に 腰を 下ろして
一人で 見ていた
なぜ それを思う必要が ....
駅までの15分
キンモクセイの匂いが
日に日に濃くなってゆく
秋の日差しは暖かい
暖かくて気持ちがいい。
3ヵ月なんて嘘みたい
....
最近はほとんどの時間を
記憶を食べて過ごす
口に含み
よく噛んで飲み込む
そして、
次の記憶を口に含む
ニンゲンは幸せだ
猛暑の代名詞になることもなく
熱い息をイライラ吐き
しばしば彼らを罵倒する
(やつらは実に暑苦しい
いっそ冬に産まれてくれればいいものを)
ニンゲンは幸せだ
数 ....
駅のトイレで歯をみがいた。
わたしは害虫だった わたしにとっての。わたしはわたしを食い荒らしわるいものへとする害虫だった。わたしがわたしを喰らうためには−手っ取り早いのは男と寝ること。どうし ....
小さな小さな自分の世界のごちゃごちゃが嫌になる
心の数だけ ごちゃごちゃがあるってのに
一人分すら処理できないでいるから 大変なんだ
あーって仰いでみると 変わってねぇ
なんも ....
そこがすべてを決める
場所でもない
少しぐらい
いい感じだからと言って
どこにでも通用するとは
限らない
大概は
勘違いに他ならないのだが
誉めそやされると
そんな気にも ....
レジの長い列に並ぶ
列は進んでいるのに
なかなか順番は回ってこない
季節はいつしかすっかり秋となり
半袖のTシャツでは
肌寒く感じるようになった
小腹も空いた
トイレにも行き ....
金木犀をトイレの匂いと感じるほどに
ぼくは素直に毒されていた
ちいさなオレンジの花をあまり綺麗だとは思えないほどに
ぼくは自我に満たされていた
撒き散らされる匂いを
....
赤い月・青い月・黒い月
月はいろんな想いを映してくれる
わたしの心を捕えて放さない
あの月は魔物……
赤い月
男の背中ニ 爪ヲ立て
傷口から滴ル血で
夜の月ヲ 赤く染め ....
十月の午後の坂道は
陽が傾くほど急になる
呆気なく転がり落ちていく
未消化の棚牡丹と
未開封の地団駄
十月の坂道の午後は
追い縋るほど暗くなる
勝手に暮れなずむ
未完の ....
岬の突端にある一本杉
その根元には猫の額ほどの草原が
崖下に望める港町は
なだらかな坂のある町で
火の見櫓以外高い建物もなく
斜面にへばりついた小さな
小さな灰色の箱の集落
漁船が停 ....
先生が窓を開けた
宇宙に抱かれた教室は
零れそうなほどたわわに実った星の下で
たった一棟
冷たい風を鼻孔に満たして
それは冬の前兆
そんなにおいがした
黒い鳥が飛びはじめる
暗い朝
口笛のような哀切
後悔は
仕方ないわけでも
意味があるわけでもなくて
ただスマイル
スマイルだけが
宇宙をわたる方法だ ....
最期の夜、廃墟は夜空に繋がっている
かつては森であった荒野を貫く
高架の瓦礫の向こうへ
私は痩せた狼のように背筋を伸ばし
吼える
石が落ちてくるように
やがて踞る朝が
....
もうサーファーもいない
静かな海
くじら岩を見る
君が高校生の頃名付けた
くじら岩、
高校の時、
友達と遊びに来て
海に浮かぶ岩を名付けた
くじら岩、
その海を
今 ....
ロケットが突き刺さったあの丘は
今日も明日も照らされたまま
火星人の去った夜に
一人泣いているモニタの少女
差し伸べられた手は
もう何万年も前のこと
そんな時からディスプレイで一人
ロケ ....
…遠くに霞む、なだらかな峰を映しながら停車した
彼方と此方では空気の層が違う
人々は起伏のない平野ばかりを気にして
なにやら煙から臭気が近寄ってくる
斜めに閉じ込めた景色が追いついてきて、 ....
僕にとってはどうだっていい
人間が思うことなんて
言葉もなく 流れた
詩には いつも
目的など ないだろう
垂れ流されるだけ
頭痛をもよおす
暗い部屋の ノートの上に
寂しい言葉を書い ....
つながれっぱなしの犬がいる
中型雑種茶色の犬だ
散歩してるのを
一度も見たことがない
コンクリートの駐車場の中
小さな犬小屋で暮らしてる
動けるのは鎖の長さだけ
その空間の中で
お ....
しょくぶつからみたら
わたしもまた
しょくぶつなのだろう
なかなかはながさかないねと
しょくぶつも
わたしをみているのだろう
えんがわで
かきのみをたべている
しあ ....
まっしろだ
この紙は何でこんなに 真っ白なんだ
記憶の無い海のように
僕は小船から釣り糸をたらす
何か言葉が引っかかるのを 待っている
まっくろだ
この鍵穴は何でこんな ....
今朝、半そでのまま外へ出る
肌は、少しの寒さを感じ
ひと風は秋の深まりを運ぶ
かすかな、
かすかなキンモクセイの香りに
街角を覗く
今朝、娘は派遣の仕事を始める
7時15分に起きて
....
一台のテレビがゴミ棄て場で
ずっと雨に濡れている
その画面の
モノクロームの砂嵐の奥に
きみの分厚い唇がうかびあがり
散文で語ってください、
散 ....
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