受話器を耳に当てたけれど水難事故の被害者の泡音が聞こえてくるだけだった、そこでそうそうに電話を切って、そのとき電話が鳴らなかったらしようと思っていたことを実行しようとしたけれど、それがなんだったの .... ぼやけた眼鏡のひとが
わたしを連れていく
とんかつのお店
ご飯は小盛りで
と言うのでわたしも小盛りにする
遺伝子の特集をとりあげた雑誌をながめる
ばらばらになったいくつかの ....
宇宙を呼吸せよ
哀しみは何時か消える
宇宙を呼吸せよ
苦しみも何時か消える
宇宙を呼吸せよ
星々が喜びを連れてくる
このコスモロジーは
人生にYESという
今度、年金が入ったら

自転車を買うつもりだ

レイチェルというメーカの

26インチのマウンテンバイクが

ずっと前から欲しかった

今、働いていないので

運動不足だから
 ....
遠く離れて屹立
みんなから離れた場所でひとり屹立
人より低い場所に屹立
頭を垂れたまま屹立
垂れた頭を小突かれながら屹立
愛想笑いを浮かべながら屹立
電波も届かずバスも来ない場所に屹立
 ....
秋深し金木犀のご近所に銀杏植えたの誰や出てこい

{引用=#においが混ざり合って大惨事に。}
砂漠の上に雪が降る

とてもときどき





どこまでも続くような草原を走る馬の筋肉と

艶のある毛並を思いながら


燭台の明かりで本を読むような事


わ ....
さようならは

何色ですか
真っ青ですか
真っ黒ですか
それともあの日の夕焼けの
だいだい色ですか

さようならは

どのへんですか
指先ですか
つま先ですか
それともア ....
とびきり悪い日には
分数をする
医者で貰った計算ドリルは
保険適用外
だから
自前で以て
数字の上に棒を引き
その棒の上に別の数字をおく
だって
おんなじ数字じゃ
さっさと話が終わ ....
中秋の名月に照らされて
天空の階段が
音もなく
月へと動いている

それが見えるのは

今となっては
限られた者だけ


遺伝子に隠された
遠い過去の記憶が

宇宙に浮かぶ ....
白くてぼんやりしている一日
読みかけの本は表紙から冷えていく
犬はどこどこ毛を生え換わらせるから
死んで右往左往している夏の毛を集めて
新しい子犬として
毛糸玉に魂を吹きいれる魔法の息を
 ....
どうしようもなくなったら
髭をそるだろう
髭をそることを するだろう
油っぽいバサバサの白髪まじりの髪や
そろそろ着替えたい肌着をさしおき
やはり髭をそるだろう と思う
詩 ....
澄んだ眼の秋刀魚を
団扇で煙を飛ばしながら
七輪の炭で焼く
一文字のまま
黄金色に

皿にのる
香ばしい皮の下には
柔らかな身を支え
小骨をたくさんつけた
背骨が真横に走っている
 ....
けさを生誕としたい
何度目かの生誕 と
そしてもちろん 日曜は日曜らしく
整列を して欲しい
(これは
健康です)

味付け海苔には 醤油をさします
自分は

 ....
紐を引き旗を立て
はためく側に歌唱し
紐を引き旗をしまう

模様が好きで
歌も好き
この入れ物も好き
テレビから鈴虫届く午前四時

過ぎてなお白に蒼差す蕎麦の花

しみ豆腐卵にとじられ杖に葱

欣ぶと小糠雨降る草の秋

入口の分からぬ銀行実南天

善きものと小さきものの蛍草

 ....
テーブルにこっそりと封筒が届いた
茶色い養生テープがしかつめらしく巻き付けてあった
テープを剥がしてねちゃねちゃ丸めたが
丸めるべきは封筒であったかもしれない
危険なものは遠ざけておくように
 ....
インターネットに文章を投稿する事に嵌っている
依存性と呼ばれる病気かも知れない

精神を蝕まれる領域に至ってしまったから
心療内科を受診するべきかな

もしだけどさ
受診したとして受け付 ....
止まらない口から熱湯この気持ち


上を向きみんな口あけUFO


心臓をぎゅっとにぎられ恋である


貼り紙を貼りたいほどの横恋慕


針を刺し縫いたいほどのスキャン ....
台風の通り道から離れたい呑気に欠伸して過ごしたい

あのお菓子無くなると聞き買い溜めたここ数年で人気が落ちた

予想すら出来ないゲリラ豪雨来る今日も来そうな予感が襲う

梅雨明けの発表後か ....
{引用=汽水魚}

魚になりたい。淡水か塩水、いやそのどちらも行ったり来たりできる、汽水魚と呼ばれる魚になりたい。海での名前と川での名前いずれも本気の汽水魚になりたい。

{引用=突端}

 ....
あなたとの糸が終わった冬の服


正しくはないけど楽しかった日々


空っぽな瞳の奥の海になる
211
おはようって
誰かが誰かを愛する事と同じように
金色の穂が夕陽に輝くように


212
裏の用水で彼岸花を見たよ
と言っても
きっとそれどころじゃない


 ....
瓶はこちらを向かなくていいのだ
羽をたたみ 地に降り立ち
夜のむこうの夜を見ていればいいのだ
やっと 眠れぬ 暑苦しさも

終わったらしい

空は ひたすら 秋です

鳥肌です 風が吹けば

ページを めくれば

忘れられる

苦しさなんて
孤立

死病

人は人と
繋がらなければ
生きていけない
のに

金を持って
いないと
キリストだけ
を信じて
いないと
健康で
いないと
胃ナイト 
クエネェシ ....
娘に渡すものがあって
部屋のドアが空いたら歌が流れていた
「リッケンバッカーが響く
 リッケンバッカーも泣く
 おんがくも人をころす」

「これ、ギターの歌なの?」と聞いたら
リーガルリ ....
イチメン真っ青でなくていいよ 空
雲一つない空の下にいると
何だか無慈悲に
剃刀で切り裂かれる様な痛みが襲って来るんだ

子供の日には帰れない

あの日
いとこ同士で籠もった押入れの中 ....
六畳の部屋いっぱいに
写真を並べて
二人で黙って整理した
思い出は語らない

海の写真を 見せて
と言ったら
あなたがどの海?
と聞いた

今じゃなくて
私が死ぬとき

二人 ....
モスグリーンの空
淡いピンク色の雲から
紅白ストライプ
包み紙にくるまった
パイナポーキャンディー
降ってきた

僕はタイヤを
パイナポーの輪切りに替え
シースルーカーで
ドライブ ....
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秋深し金木犀のご近所に銀杏植えたの誰や出てこい- 46U短歌5*20-10-5
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