ゆきの降らない冬の日々
吊られたあらいざらしの
Tシャツはふるえていた

それはゆきを待つわたしのように
次第に乾いていく暖かい日差しのなか
磔刑にされしろくしろく待ちわびている

誰 ....
とてもちっちゃなテーブル
だけどぼくのテーブル
幼い日は僕のテーブルなんてなかったんだ

いまは大切なものをそのテーブルに展げたりして

東京下町大衆酒場ノ味
と銘打ったトーキョーハイボ ....
さみしい夜にはいつも君がいてくれた。
寒い冬でも君がいっしょなら大丈夫だった。

さして面白くもないことにも君は笑って、
さもありなんと僕はおもったりした。

さあ何をしようかと、いっしょ ....
オナモミのように世間にしがみつく奴
落花生のように自分の殻に閉じこもる奴
球根のように地に足つけて生きる奴
綿毛のようにふわふわと漂っている奴

その

遥か遥か上をトンビは飛んで

 ....
光溢れる夏の午後
庭の梅の木が微かに揺れて
三才の僕はその瞬間、
〈じぶんは自分なのだ〉と不意に気付いた
なにものにも替えられ得ない〃この私という存在〃
その認識が僕を稲妻のように打ったのだ ....
紙に巻いた夜闇を吸い込むと
久々なので立ちくらみを起こす
街灯もない田舎
そこはもう「世界」ではない

こんな季節では虫も鳴かない
夏に気が滅入るあのざわめきも
今はない
じっとりとし ....
最後に泣いたのいつだったかな
思い出せないくらい
泣いてないな

赤ん坊は泣くのが商売
大人はやすやす泣いちゃいけない
男は人前でおろおろ泣いたら笑われる

最後に泣いた日忘れたな
 ....
野球の国際試合面白い日の丸背負い重そうな選手

スキー場夏は一面花畑客を呼び込むアイデアを練る

スキー場のレストランが有名にどの料理でも何処よりも美味い

歌を聴き耳に残った詞の一部強調 ....
ギター弾きが曲線のボディーを抱きながら
少し酔ったような眼で女を見ている

虚ろな瞳を漂わせて 少し狂ったビートで
弦をかき鳴らして
エロティックに悶え酔っている

それは魅せているだけ ....
鋭いつららを
振りかざしていた

独りよがりで
闘っていた

何かを傷つけたかも
しれないけれど

握ったつららは
やがて溶けていった
あなたの涙をビーズにして
空になった薬のビンにいれましょう
寂しいときは手のひらの
陽だまりにこぼしましょう
一つ一つ心に溶かせば
懐かしくて震えてしまう
今なら思う
涙でも幸せだっ ....
私の名は「ゼロワン」
このスキー場のゲレンデを
演出するゲレンダーです

一人淋しく
ペアリフトに乗る時は
さっと、隣に飛び乗って
心が凍える時間を与えません

一人激しく転んだ時は ....
静かなお堂で
ばらばらにされた体が
くるりくるりと再生される

経もなく
極めて無音

境地に至り
柘榴は美しく気高く
ぽてりと転がる

菩薩が私を触れる
菩薩に私が触れる
 ....
祖父の名前をふと思い出して
口にしてみると
聞こえてくる祖父の名前がある
祖父は他界する間際まで
新鮮な毛布にくるまれ
駆けつけた親戚たちは
その周りで酒や水を飲んだ
酒も水も飲めな ....
私が喫茶店の一隅に座ると
非人称の意識が渦を巻き始めた

)眼前のアイスコーヒーはシャリシャリ音を立てて波打ち
)ガラス張りの向こうは久々の晴天で
)遠くで笑う老人の顔はとても幸せそうだ
 ....
 北の国には幽霊船がいるという。誰もそれを見たものはいないが、晴れた日には沖合に蜃気楼のようなものが立ち上がる。それが幽霊船だという。幽霊船は千の魂を積んでいく。幼くして亡くなった者、戦争で命を落とし .... 目の前の
馬鈴薯と玉葱の炒めものは
たった一枚の皿であれ
時と所により
どれほどの幸いを、もたらすだろう
「背側側頭窓」からチーズケーキがみえる。
その表面にはいくつものき孔があいている。
が、たべてもおいしいだけで、孔の味は発見できない。
唇を重ねていたら冬の揺れ

喪を忘れ投函したの?叱られる

隙間から寒気も入る倦怠期

いさかいの後に沈黙息凍る

店先に売れ残ってる寒椿

地下にある喫茶の店へ冬籠る

寒く ....
のがしたくない つかまえて しまっておきたい

ひかりのはいらない はこのなかへ

ときどき ふたをあけて みて たのしむのさ

きにいったものを あつめ

とくべつなやつにだけ みせ ....
1

コミケの意味さえも知らずに、そこでは生身
のラムちゃんが見れると聞いたのもので。中
味も知らない冊子を所定の場所にドンと置く
と、待ってましたとばかりに、とは言え、一
言 ....
車を買おうと思ったが
高くて手が出ないので
ジョウロを買うことにした
どこのホームセンターでも売っている
水色でプラスチックのやつ
軽くてなかなかいい感じだ
私は徒歩で出勤することに
せ ....
家に帰ると
母がひとり
猫背になって
ゲームをしていた


この部屋に
子供が集まって
みんなでゲームをしていたなって

なんとなく思い出し
急に泣きたくなった
不老の薬
不死の薬

もし開発されてしまったら

それ以外の薬はきっと売れなくなるだろう

病院は閉鎖されて
斎場も葬儀屋も墓地もこの世界から消えてなくなるに違いない

そうなる ....
プレパラートと実験室
ハサミの形をしたコウモリが
逃げ出した。
そいつは
闇に馴染みながら、
すいすいと夜を裂いた。
研究者たちは
議論するばかりで
探し出そうとは
しなかった。
 ....
風が語りかけます
という詩的なフレーズからも
白い饅頭しか連想できない
埼玉県民の悲しき性に
想いを巡らせつつ
北風に逆らってペダルを漕ぐ
世の中とちょっと
気が合わないだけの今日
けんけんぱらん
けんぱらん


みぞれ落つ昼

とんとんとんとんとん


だれもいないやね走る


甘いお茶
ちっとも

おもしろくない午後だったのに

いま ....
 
愛ゆえに

あなたを、許さない

そんなわたしを、許して


 
彼女の股間に棲む生き物
その名称を公に口にしてはいけないルール
文字にしてはならない決まり

誰が決めたか知らない

知らないけれど守らなくてはいけない
暗黙の了解を経て今ここにいたる
 ....
どうでも良い人は傷つけないのに
いちばん大切な人に傷つけてしまうのは

いまの

の使いかたがおかしいとはおもうけれども
そこは

でいこうと思う

なんども繰り返して
繰り ....
クーヘンさんのおすすめリスト(691)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
暖冬のしたで- 帆場蔵人自由詩4*20-2-7
テーブル- 梅昆布茶自由詩1220-2-6
無題- おぼろん自由詩3*20-2-6
種と空- Tsu-Yo自由詩120-2-6
対峙- ひだかた ...自由詩420-2-5
夜のけむり- 和田久也自由詩320-2-5
最後に泣いたのいつだっけ- こたきひ ...自由詩320-2-4
料理- 夏川ゆう短歌120-2-4
ギターがうまく弾けなかった- あおいみ ...自由詩4*20-2-3
つらら- シホ.N自由詩220-2-3
涙の処方箋- 丘白月自由詩320-2-2
ゲレンダー_ゼロワン- イオン自由詩1*20-2-1
ずっと繰り返されていた- 秋也自由詩1*20-2-1
祖父- たもつ自由詩2*20-1-31
呑まれる- ひだかた ...自由詩820-1-29
幽霊船- おぼろん自由詩4*20-1-29
昭和二十年、或る夏の夕餉- 服部 剛自由詩1020-1-28
ヴェロキラプトル- ナンモナ ...自由詩5*20-1-27
邪推の- こたきひ ...俳句320-1-25
箱職人- 墨晶自由詩1*20-1-25
Egg-Lab-Mates- AB自由詩9*20-1-24
ジョウロ出勤- やまうち ...自由詩1*20-1-24
ファミコン- ガト自由詩4*20-1-23
作用と副作用- こたきひ ...自由詩420-1-23
[:urban_legend- プテラノ ...自由詩420-1-21
今日風- Tsu-Yo自由詩420-1-20
記憶- タオル自由詩320-1-19
愛ゆえに- 殿上 童自由詩5*20-1-19
詩にしてどうするの- こたきひ ...自由詩420-1-18
いちばん- 次代作吾自由詩220-1-18

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