彷徨い歩く
今日も
現の森を
消そうな歌声
蘇らせるために
でも 悲壮感は
希薄 なんだか
楽しい 遠足みたいで
スキップしたくなる
待ってい ....
雨降りの午後
日曜の午後
約束キャンセルの
電話が鳴った
私もキャンセル
したかった
とってもとっても
ちょうどよかった
雨降りのこころ
....
仕事帰りの車が
ライトをつけて県道を走る
朝の通勤時とはちがい
どことなく
開放感がただよっている
やっと終わったぞ
そんな声が聞こえてきそうだ
みんなの心の高まりを
動力として
....
通りすがりのあの人の
後ろ姿になに思う
通りすがりのあの人に
恋してしまう今日もある
通りすがりのあの人のこと
想像するのは
通りすがりのあの人の ....
時代から遅れている
線路の上は日に炙られた枯れ草の匂い
歪んだ電車が走る
腕に時計は嫌だ
なのに
心に繋いである懐中時計は
いつも壊れている
生きている
というのは
そう ....
アンティークの囁きに耳欹(そばだ)てて
移ろった時代(とき)にこころ飛ばす
見も知らぬあの人この人
知らない異国のあの時代(じだい)この時代
これは紋章の刻印の入ったシルバーの ....
あのね、私のお父さん酒癖悪くてね
ひどかったからお酒やめてね
「うん」と頷いたものの
どうして僕が親父さんの償いを
しなければいけないのか苦しんだ
そしてその我慢の償いを
他に求めてしまっ ....
裏山の湧き水でできた小さな池に
動物たちの残していった
木の実が沈んでる
私は薬罐に水を汲んで
庭でとれた渋柿を置く
いつか絵が届いたら
匂いをかいでみて
今年もここで枯れ葉 ....
真夜中の一時過ぎ
巨大な目ん玉のお化け達
天を埋め尽くし
ピカピカピカピカ
青白く黄白くまた赤く
揺らぎ明滅しながら
迫って来る迫って来る、
大雪原に独りぽつねんと立つ私に
小学五 ....
君の人生の文脈を指で辿って胸の鼓動に溜め息が出る。
◆
朝日がノートを照らした間だけ、私が書いた文字が脈を打った。
◆
今日夜が綴る文脈は深海で忘れ物をしたような輝きがある。
....
きっと、これが最後のお引っ越し
何を残し、何を捨てるか?
たぶん、捨てるもののほうが多い
引っ越し先では、生きるのに
最低限のものがあれば良い
八千代、柏、流山、松戸(以上千葉県)
練 ....
鹿
という字に
お湯をかけるとあらわれる鹿に
みつめられながらカップヌードルをすすっている
いつまでこうしていられるだろう
これからの時代は
もっとたくさん間違ってしまうことも
ある ....
トイレの中であれこれと
考え事などしている時でした
蜘蛛が目の前にスースルリと
下降してきたのでした
名前も解らない小さな おとなしそうな蜘蛛でした
息を ....
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休み増えても給料歩合 酒は増えても出かけない
端からなにも無かったくせに 失くしたものと想いたい
よどむ曇天どんより映す 病める瞳になにを読む
下手なエレキと下手な詩吟と ....
人生の射幸性は何割もないこと、知っているから花を育てる。
子供と大人の境界線なんて見たことなかったよ
いつの間にか大人になっていたし
この先子供に戻るかもしれないしな
子供って
羽がはえたら空へ飛んでってしまうだろうな
きっと
でもね
大人 ....
もこもこセーター
包まれて
見上げた空は
透明と青
伸ばした手のひらの中
走り回る赤色は
わたしのあかし
未来から
遠い遠い過去の木霊
確かに響いてくるのなら
私たちはもはや何処にも属さず
あらゆるものに優しく開かれ
柔らかに終わりを待てばよい
)あまたの感傷を一つの確信に変え
ふる ....
ジュブナイルジュブナイル
どうにもこうにもわしにもあんたにも
いくらおとなになってもエラでちゃって
サンショウウオにもなれへん
ジュブナイルなロートル
ロートルロートルてじぶんで ....
干上がりかけた沢の縁
山椒魚は怒るまい
ペンケのダムもパンケの家も
知らずに不幸と泣くだろか
ただ生きるのみの今世に
祖父の語つた魚に逢へずとも
謳歌せよと、
忘れられ、た、 ....
出會い飽く草木
やあ、ターナーの{ルビ霧月=Brumaire}よ
星
光の馬鈴薯
ジャイナの戒め
肉揉まれ 窒素を厭う
校正の{ルビ時化者達= ....
善いことばかりしてきたけど
うまくいかない事ばかりで
ワタシ、つまらない
悪いことばかりしてきたけど
うまくいく事ばかりで
オレも、ある意味でつまらない
ワタシ不良になって
人生 ....
人は詩人にはなれない
まわりくどく
うんざりするほど
くどい説明しか書けない
月や花は何も語らないけど
存在そのもが
永遠に詩を詠ませる
季節だけが唯一詩人であり
人はその ....
さようならの後ろで
顔を出している人がいる
気付いてほしそうにしているのが癪に障って
無視をして歩き出した
でも何だか涙が出てきて
振り返ってしまったのだ
だけれどあなたは振り ....
ちまたには暗いニュースばかりが続いているから
明るい話題が欲しくなる
そんな思いを数にたとえるなら
きっと算数だよね
数学じゃなくて
悪い噂は
それがたとえデマでも
一度立つと
....
みずうみに
おれんじの泡を沈めたら
柑橘しぶきのみずうみ夕闇
葉の落ちる
ソファーの上に西陽さし
どくどくどくと心が鳴ってる
一匹の
星座の名前を知ったあと
....
あんなに近く
目の前に見えるのに
アメリカより遠いんだと知った夜
私は一番深いところに突き刺さる涙を
すすりながらのんだ
逝った日
最後の言葉は
月から見ているって
は ....
恋が痛いのは私が地球を代表しているからで、私が地球を代表することで困る人は誰もいない。青い細長いボトルみたいなんだよ、かみさまの見つめてた大草原に落ちていた空気の瓶は。空気はそこから生まれ続けて、草原 ....
朝は一番に鶏が鳴いた
庭の隅の小屋のなかで
戦後十六年か七年の頃だったと思う
私は小学校に上がって間もなかったと思う
山間の辺鄙な場所は
食料品に恵まれていなかった
私は痩せこけて ....
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