子供の頃のある秋の日
滑り台の下を掘ると
もぞもぞと何か動いた
見つけたのは 妖怪の幼虫

普通の芋虫に似ていて
体は白くて顔は黒い
目が一つしかなくて
その周りに 赤い隈取り

 ....
20年前のイギリスのロックバンドの

いまさらファンになっている

有名な曲が多いから聞いたことはあったけれど

いまさらファンになっている

これがYouTubeのおもしろいところだ ....
ぼくはあなたが好きである
部屋のあなたが好きである

こっそりしているあなたが好きである
ひとりでやろうとしているあなたが好きである
検索しても出てこないあなたが好きである
youtube ....
十人十色と言うが
実は三人ぐらいは
同じ色の人がいるから
七人七色なのだ

人は彩られて
生まれて来る
虹には白がないように
生まれながら
真っ白な人はいない
人との重なりかたで
 ....
家を出る秋の耳打ち襟を立て


空は澄み夢の骸か月白く


十姉妹通風孔を{ルビ窺=うかが}って


靴の紐ほどけて結ぶ霜の朝


人気ない路を横切る枯れ落葉


見上げ ....
太陽。日ざし。朝。鳥の声。鳥の姿。新聞配達のオートバイ。園児達。お母さんが主婦に帰る。郵便配達のオートバイ。宅配のトラック。昼休みの鐘。木々のざわめき。帰宅する学生。さよならの挨拶。夕暮れ。夕食とその .... 少しづつ泡立てた
雲をたくさん集めて
妖精が空を洗う
石鹸の香りが
雨で流され土に染みる
やがて花の匂いになり
庭にいたあの人を思う
 
 意思のない言葉が飛び交う中で

 自分の発した言葉をかみしめる

 交差点も曲がれない

 直進すら迷ってしまう

 手から離れた風船のように

 行き先のない言葉がさまよ ....
数十年に一度の強烈な台風が通り過ぎた
当然のように数十年に一度の甚大な被害が出た
でも熟れた木の実を一番落とすのは時間
もっとも多く人を殺すのも時間
地球はお饅頭
地球外星人がやってきて
その超高度な文明の力で二つに割った

「パパあたしに半分ちょうだい」
分かったあげるよ
だけど娘よ
マグマが垂れるから
やけどしないように
そそくさと駐車場へと向かう脚、
そそくさと駐車場から向かう脚、
終わりかけの短い休憩時間と、始まったばかりの長い休憩時間が、
ちょうど低い丘の上にある玄関先の広い石段ですれ違うとき、
ちょうど ....
ジェラシーのベーキング?
押しつけがましくならないようにと
出来るだけ削ぎ落としたつもりで
膨らんでしまうもの
必死に抑えながら
Lineを確認しています
私もしょせん凡百のパン屋の男に ....
紙で男女が知り合って
紙に写った思い出を
紙に綴って交換し
紙で思いを伝えあい
紙への記載で結ばれる
紙で住まいを探し出し
紙へ幸せ記すうち
紙で私の受胎知る

紙の暦で生まれ出た
 ....
電車に乗ると自宅の電気が消えた
おかしいなと思い電車を降りて電気をつける
大丈夫そうなので再び電車に乗る
今度は台所の水が止まらなくなってしまい
電車を降りる
蛇口を逆にひねると水は止まり改 ....
恋割れた悲しい夜に稲光り


名月をよごしてごめんと淡い雲


失恋に馴染まないよう柿を食う


牛乳を飲み干す高い空見上げ


オリオンをよるの真水のようにのむ ....
手をと、指をと、爪をと、

下弦の、琵琶の、定めの、

触れ合う、意識の、明証は、

我になく、汝にもなく、

流れゆく、雲にさへ、なく、

今しがた、潰した、蜘蛛の、
 ....
ティーカップには、なんだかしらない花模様が描かれていて。
そっとつつんでわたしは手のひらを温める。
海の部品が落ちていた
大事な部品を落として
海は今頃
どこで凪いでいるのだろう
行方を捜すにしても
持っている地図は改訂前のものだし
海に関係する友達も
親戚ももういない
海を作っ ....
思考する
宇宙の糸を
一本借りては
掴まり
ふわふわふわふわ
揺れ踊る
わたしのなかをながれ
静かな時流の奥へ奥へ
少しずつ速度を上げ
着実に遡行しながら

来るもの来るもの
 ....
かしこまりました。
上司に電話で確認させて頂きたいと思いますので、少々お待ち下さい。


午後5時43分四十秒をお知らせします。

お疲れ様です。

午後5時43分50秒をお知らせしま ....
つきなみさんがいちごけーき食べたい
つきなみさんのつきなみないちごジャム。
あ……
つきなみさんのつきなみなかたおもい。
ね!

ね?じゃなしにハテナ寄りの「ね!」

わけわからんこと言ってても
ね!
て、つけたらリズムが生まれる。
不思議よね。

ね!
さて、秋か
そろそろ秋か
まだ夏か、と
迷う、日に

レモンが採れた、と
走る声あり、爽やかな
気配に夏が背を向けて
すれ違いに部屋を
出て行きました

まだそこかしこにいる
 ....
初めての恋をしているひとの声

ものすごく笑顔なわたしになっている

ゆうがたの猫にささげるかつおぶし
いたずらめ
げんこつとんできて
くわえたばこだ

おとうちゃんのたこ
ふといあしいとぐいっとひくと
どこまでものぼった
ぎんがのうでに
まーじゃんぱいがぐるぐるまわる

よるになる ....
しゅるりんしゅるりん吹く風に
かんかんかんかん鳴る踏み切り
急がず慌てず立ち止まれば
秋晴れの空、圧倒的に
降って来る青、降って来る青

生きて初めて開ける光景を
次々と開けるこの現実を ....
愛死体秋すぐに冷たくなって


泣くように笑う男が書いた遺書


未来捨て過去と駆け落ち心中する


蝸牛踏めば悲しい軽すぎて


傘の花みんな流れて校門へ


ひっつめ ....
苦労に苦労を重ねて
塗りつぶされた日々
でも塗りつぶしたから
白い文字がかける
ふつうと違う台紙に
なっている
私だってその若さを羨ましがられた
時代がちゃんとありました

今でこそ
冴えないお爺ちゃんですが
二十歳頃は
冴えないお兄ちゃんだったんです

残念ながら
冴えないだけは共通してたん ....
雨の一滴が右手の甲に 落ちた
ズシリと 重たかった
ミシリと 胸の空洞が鳴った

私は慌てて滴を振るい落とした
軋む胸が一瞬、
張り裂けそうになって
クーヘンさんのおすすめリスト(665)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
妖怪の幼虫- 藤山 誠自由詩219-10-21
星座みたい- 函館ドラ ...自由詩119-10-20
部屋のあなた- 宮木理人自由詩219-10-19
七人七色- イオン自由詩2*19-10-19
真似事――破れた包装紙- ただのみ ...俳句3*19-10-19
ゆっくりとした主題の急速な展開- おぼろん自由詩8*19-10-19
雨の日に思う- 丘白月自由詩319-10-19
そうですね- 佐白光自由詩4*19-10-18
台風、過ぎ越て- 黒田康之自由詩119-10-18
地球外星人がやってきて- こたきひ ...自由詩619-10-18
中秋の- 本田憲嵩自由詩319-10-18
パン職人- 本田憲嵩自由詩419-10-18
紙でできている- イオン自由詩2*19-10-16
帰宅電車- たもつ自由詩419-10-16
割れたのは、こころか、鏡か- 秋葉竹俳句919-10-16
- ナンモナ ...自由詩5*19-10-15
teacup- おぼろん自由詩7*19-10-15
鼓動- たもつ自由詩1019-10-14
思考の糸- ひだかた ...自由詩519-10-14
自報- ねなぎ自由詩119-10-14
how_far_from'a_bit- おぼろん自由詩3*19-10-14
最強の日本語1- 次代作吾自由詩219-10-13
レモンがなる頃に- 帆場蔵人自由詩3*19-10-13
ゆうがた- 水宮うみ川柳2*19-10-13
おとうちゃん- soft_machine自由詩319-10-13
秋晴れマーチ第五十九番(改訂)- ひだかた ...自由詩319-10-13
真似事――愛・死体・秋- ただのみ ...俳句4*19-10-12
苦労で塗りつぶせ- イオン自由詩2*19-10-12
私だってその若さを- こたきひ ...自由詩419-10-12
哀しみ一滴(改訂)- ひだかた ...自由詩1019-10-11

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23