田田田田と早歩きして足跡は深い印しの春のぬかるみ
瀧の音がする
雪解けだろうか
それとも
凍りついた瀧の裏側が動き始めたのだろうか
いずれにしても
寒い冬にあるとき
人はあたたかな春を待つ
つまりはこの瀧の音が
春を招き 冬を ....
てぃっしゅぺいぱになりたい
てぃっしゅぺいぱは用途さまざま
なみだをぬぐえ
こぼしたお茶もすえ
はなもちんできる
こよりにしたら耳の水ぬきだって
かためてなげても危なくないし
お皿がなけ ....
{引用=「不思議な天気」}
I don't know why but
{引用=何故だか}
I like "the sun shower"
{引用=「天気雨」が好きだ ....
青空に白球が高く高く沈み
二度と落ちてこないような気がしていた
外野手は優しく恋人に触れるように
右手をフェンスにそっと添えて
これから起こる無常を背中で伝えている
ぼくはといえ ....
自分の存在しない世界なんて何の意味も持たない
そう思えてしまうから人は誰でも死を怖がるんだろう
若かったあの頃のある時期
私は自分でも怖いくらい この世界が終わる事を怖れない自分を所有してい ....
影を、焚べてしまいたい、なんて思いながら、
森で、火を囲んで、物語を聴いた。
そのとき、焚べられた影が今、街をうろついている。
私を火刑に処そうとして。
あの焚木はとっくにない。語部もいない。 ....
鎖で繋がれた折りたたみ自転車(通称キュキュ)を
散歩につれていったアトー
どこか遠くの外国の人のような名前
でもれっきとした日本人
キュキュは電信柱におしっこを引っ掛け
ほかの自転車にううう ....
刺すような寒さとは
まだ刺されていないのに
おかしい
なぜ皆知ってるんだ
刺されたときの痛さを
何か私に隠してるのか
もしかして
刺すような痛さは
刺した時の痛さだろうか
胸 ....
時々 ぼんやりと 窓の外を見ている時には
街の景色を思い出している
自分ではなくさせられた 朝を
描いた部屋で
電柱を見ているのだ
たぶん きっと 誇らしげに
一個
半分こ
二個
丁度
三個
幸せ
四個
満足
五個
アンバランス
六個
拒否
七個
怒声
八個
終了
一個
丁度
かんぜんに
腐った土くれから
一本の
新しい草が
天に向かいのびる
天のなにかを
知らず
また
土くれの何かを
知らず
のびること
それを
ただ一つ
羅針盤 ....
ぼくのおじいさん
座ったままで移動するぼくのおじいさん
落ち葉の中に 腹這って
なかなか伸びないキャベツの長さを
指で計って書き付ける
ぼくのおじいさん
秋の散歩道を彩るぼくのおじいさ ....
つまりは嘘になるから
すべてをさらしてみたいとは思わない。
書いていると気は楽になるけど、
、友や家族を前にして言葉を発したことがないのよ
なんで照れちゃうるのかな。
それ ....
今年新しい人が生まれる
かつてないほど平凡で
かつてないほど正常で
そうあることを祈っている
新しい人は
何も特別なものなどいらない
ただ平凡で正常であることが
私たちの願い
とびぬけ ....
わかいおまえさんはきいたことがないかもしれんが
このよには
だんぼーるや
ぷらすちっくや
きでできた
だいしょうさまざまの
はこだらけの
ひのあたるへやがあっ ....
手からスベッて落としたお皿
思わず両手で耳を塞ぐ
割れてしまう筈のお皿が割れない
あなたとの関係が割れないのは
気を遣っているから
落とさない様にしているから ....
毎年様々な
クリスマスケーキが売り出される
見た目に引き寄せられる
家族みんなで食べたり
友達と食べたり様々
似たり寄ったりだけど
見ていると楽しくなってくる
クリスマスを感じる ....
{引用=星、片付ける
古詩はポケットでゆらし
{ルビ掌=たなごころ}に於いて
ポインセチア
聖夜の{ルビ閂=かんぬき}おろせば
樅ノ木の
{ルビ馥郁=ふくいく}
いざ
めいもくし
三 ....
自分もいい年だから、仕方ない。
それは、わかってる。
前は、
お、その服新しいね、似合うじゃん、
とか。
へーそういう帽子も持ってるんだね、似合う、
とか。
何か私に、小さな変化があると ....
ドーナツを選んだ夏がなつかしい
深海が仄かな星のなかにある
ほんとうのこと カーテンは風に揺れ
虚数軸方向を見る虚ろな目
一生のお願い一緒に願いたい
雨の匂い
それは鼻先で嗅ぐ匂いじゃなくて鼻腔の奥の粘膜に染み込む匂い
終日降っていた雨に気持ちが鬱がれるのは誰にでも起こる現象だ
一日の仕事から解放されて退勤のタイムカードを打刻する
作業 ....
ラムネって
響きが好きよ
夏の広い空や
夏祭りや
風鈴の音や
懐かしいことを思い出す
今は飼えないけど
いつか猫を飼って
ラムネって名前を付けたい
透き通った
空のよう ....
時々
としょかんで
少年詩の本を借りてきて読む
うんことか
おとうさんおかあさんとか
でっかいかえるとか
そんな言葉が
のってるやつだ
むつかしい現代詩とか読んでると
なんか
疲れ ....
ゆかりもなにもない
あぜ道を素足で歩いている
傍らにはばあさんがいる
表情もなにもわからない
妙なまぼろしの人
俺は俺でたぶん不定な人間でしかない
いつも平穏をもとめている
....
はっとせん 酵乳・処方 飛ばし読みするきみの小指の黒に
ちちちちちさささささささちさちさち 反転しては埋め尽くすマス
左手で書いてみる文字よれよれの私みたいだ昔のままの
鉛筆を好きだ ....
大海原
スコール
タンカー
岩礁
熱帯風
剥げた塗装
水平線
海鳴り
南十字星
弁当を開けると
見たことも無い空が入っていた
妙に縁どりのギラつく雲と
エメラルド・グリーンの空が一つだけ
箸で一口くちに運ぶと
ジャリっと歯に何かが当たった
たまらず吐き出すと
プテラ ....
季節は完全に冬
絶えず冷たい風を感じる
寄り添い歩けば
あなたと共に歩けば
何となく寒さが遠のく
温かいものに目が行く
少しでも寒さを忘れるため
カフェでしばらく過ごす
あ ....
魂迄ずぶ濡れにされてしまうくらいの雨があがった
のっけから魂なんて書いてしまうなんて
我ながら恥ずかしい
天上では死者たちの霊魂が集まり
火を燃やし始めた
濡れた衣を乾かすためらしい ....
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