真っ青な空の彼方へと
こたきひろし
イチメン真っ青でなくていいよ 空
雲一つない空の下にいると
何だか無慈悲に
剃刀で切り裂かれる様な痛みが襲って来るんだ
子供の日には帰れない
あの日
いとこ同士で籠もった押入れの中で
お互いがあやしい気分になってしまった
隠れんぼの最中だったけれど
鬼は見つけられずに
真っ青な空の彼方まで探しに行ってしまった
おねえさんだったあのこは早熟だった
男のこもそれなりだった
男女のカラダの仕組みの相違を
見せ合いたくなってしまった
そして二人が交わした指切りげんまん
絶対 大人には秘密にしよう
の約束
イチメン真っ青でなくていいよ 空
澄み切っていない方がいい
美しくて清らかなままで
大人になんてなれる訳ないんだから
生臭い肉の臭いを嗅がないでは
いられないから