真っ青な空の彼方へと
こたきひろし

イチメン真っ青でなくていいよ 空
雲一つない空の下にいると
何だか無慈悲に
剃刀で切り裂かれる様な痛みが襲って来るんだ

子供の日には帰れない

あの日
いとこ同士で籠もった押入れの中で
お互いがあやしい気分になってしまった

隠れんぼの最中だったけれど
鬼は見つけられずに
真っ青な空の彼方まで探しに行ってしまった

おねえさんだったあのこは早熟だった
男のこもそれなりだった

男女のカラダの仕組みの相違を
見せ合いたくなってしまった

そして二人が交わした指切りげんまん
 絶対 大人には秘密にしよう
の約束

イチメン真っ青でなくていいよ 空
澄み切っていない方がいい

美しくて清らかなままで
大人になんてなれる訳ないんだから

生臭い肉の臭いを嗅がないでは
いられないから


自由詩 真っ青な空の彼方へと Copyright こたきひろし 2020-09-11 06:29:26
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