4階部分まで破壊された5階建ての団地が放置されている

コンクリートの仕切りは家々の跡だ

道の駅は廃墟でよこに松の倒木がいくつも転がっている

それでも残骸はもうほとんどなかった

 ....
湿気たひかりで夜がほの白い

どこからか沈丁花の香りだ

この汚いお堀を渡る風がそれを運んでいるのだ


国賊にも一理あるのだろうか

国を護るこころとは時代遅れの思想なのだろうか
 ....
どんな悪事も輪郭はひかりだ

どんな不幸も輪郭はひかりだ

ピアノ

ソプラノ

バイオリン

合唱

どんな悪事も輪郭はひかりだ

どんな不幸も輪郭はひかりだ
木蓮が咲いていた

咲き初めの蕾かもしれない

どこかでミモザも咲くだろう

さくら木も紅く染まるだろう

繰り返し繰り返し

繰り返すことで育まれて

否応もなく育まれて
 ....
壁は藍いろに塗った

そしたらソファのよこがとても汚れていたので

そこも塗ろうということになった

そしたら、なんか、気に入らなくて

また白に塗り直すか、そこに絵をかけるか

 ....
あらゆる調和は○を目指している

宇宙も

交通標識も

林檎も

なぜ○を目指しているのか考える


物理や化学の法則?

社会や自然の流れ?

理性だけではない

 ....
うしなわれたことへの

とうめいないさぎよさ

ぼくよ、たちつくすな


かこからのびてゆく

みらいをむそうする


うしなわれたことへの

とうめいないさぎよさ

 ....
がらにもなく雪の心配

いっしゅんのキャンディが溶ける

影をゆく水色のバス

こんなに日が照っているのに

こらえてこらえて寒いのはこらえて


くしゃみ先生

黒板にずっ ....
感謝ってぜったい

肩に力いれて感じるものではなくて

楽しい×愉しいって思って感じるものなんだ

頭でっかちになって感謝するんじゃなくて

楽しい×愉しいって思って感じるものなんだ
 ....
ごめんなって思った

あやまるぐらいなら

なくなればいい俺だ


役に立ちたいだけだ

かかわりたいだけだ

そんなの優しさじゃ

そんなの大きさじゃ

そんなの愛じゃ ....
たかじんのさくら

すこしだけほんとうの悪意を混ぜておけば

あとはぜんぶ嘘でも善意に見えてしまうのだ


つるりとした少年のような

興福寺の阿修羅像のような顔をしている

た ....
ひとを刺すことも

フルーツを剥くことも

できる包丁のようなもの

生き物を潤わすことも

土砂崩れを起こすことも

できる雨のようなもの

行いや物言いや思いとは

き ....
むかし日本もそうだったように

大儀を見出だす国がなくならないのは

人類のこころぐせというようなものだ

絶対的な正義があると信じてしまうと

人類はそこについ大儀を見出だしてしまう ....
からだはどこへゆくんだ

いでんしいがいを

たいせつにするのか

おまえのちいさなてが

くちからむねをつかむんだ


何を生きてゆく

地図が少しだけ

変わる

 ....
母はおもての植物に水をやりにいくのだろう。

母の背中について歩くようなかたちになってぼくは新聞を取りにいった。

ちいさい灰色の母の背中。

ぼくはこの背中から生まれたのだ。

そん ....
梅の香りに妻が風呂敷をかけた。風呂敷は青いビニールシート。数字が日にち。逆算しなきゃ。それさえも忘れた。子供たちがぼくとおなじ高さにいた。妻がタッパーからみそ汁。それをこぼす。ひるがえって青空。どきど .... 胸に枕を敷いてうつぶせになって寝転んでいた。

そして自分の指を見ていた。

あんまり近すぎてぼやけた指だった。

あんなことのあったあとだ。

しばらくこうやって気を静めていよう。
 ....
ぼくは祖父ちゃんによく似ているらしい。

子供のころよくそう言われた。

祖父ちゃんは島で暮らしていた。

釣りとかカブトムシ狩りとか教えてもらった。

祖父ちゃんは昼間釣りをしていて ....
梅園のあとゲームセンターでコインゲームで盛り上がった。

いま古本屋で子供たちはカードを選んでいる。

ぼくは財布が欲しくなり皮の長財布を見ていた。

このあとどうしようか。

ほんと ....
子供たちと久しぶりに会うことになった。

金髪を見たらなんと言うだろうか。言わないほうがおかしい。

洗濯されたものだけを身につけた。

出かけるまえ父がじろっとぼくを見た。

晩ごは ....
会社を辞めたのは転勤の話が出たからだった。

もともと地元採用だったのだがぼくの仕事ぶりが無残で本社で無期限の研修を言い渡されたのだった。

たしかに会社には迷惑をかけていた。

でも妻と ....
たくさんのひとの手に触れて仕事を終えた。

アルバイトといっても仕事は仕事だ。

半年前会社を辞めて就活はうまくいかなかった。

就活を休憩することに決めて地元のコンビニで働いていた。
 ....
どこでどう間違えたのか今日ぼくは髪を金髪にした。

32にもなってほんといまさらな金髪だった。

妻は先月好きなひとがいるとかで子供たちと出ていった。

友達からもあやしいぞと言われていた ....
神は天にいる

理性ではそれは嘘になる

寓話になる

妄想になる

だから神は天にいる

我ら罪びとは地上にいる


朽ちた木々から秋の落とし子

茶いろ金いろ紅茶の香 ....
にんにんにん

にんにくにん

にんにんにん

にんじんにん

にんにんにん

にんにきにん


いいひといいこと

いっぱい、にん

あんまりおおくて

わから ....
50年まえの工場が

いまじゃ膨らんで傾いて

崩れ落ちてしまいそう

それに面した道を

その端っこを歩いていた

太陽の塔がはみ出していた

嘘くさい万国のダンス

あ ....
速い馬が欲しかった

チャゲ&飛鳥が歌ってる

同窓会

同性だけの同窓会

母さんに

子供を預けて

異性だけの同窓会

同窓会

松田聖子が歌ってる

田原俊 ....
細道に街灯がしろく続いている

向こうに暗闇なんてなかったのだ

車がテールランプを連れてゆく

医院の壁の横でひとを待っている

夜空が道のかたちで続いている


ああ、ひとが ....
もうオリオンはその身を

西だとか北だとかに移している

水気をふくんだ夜空

雲が町明かりを吸っている

風もないのに春を嗅いだ

ばらばらな思考

水気をふくんだ

ば ....
カラヤン先生は言った

まずフルートの音を聞け、と

目で団員を承認し

的確な言葉でポイントを伝え

本番では団員に任せるのだった

自由を感じさせ

音に命をこめさせた
 ....
吉岡ペペロ(4238)
タイトル カテゴリ Point 日付
人間>社会自由詩615/3/20 0:34
沈丁花自由詩215/3/18 19:22
輪郭携帯写真+ ...115/3/18 19:14
また来ん春に自由詩515/3/15 18:43
壁は自由詩015/3/15 11:49
自由詩215/3/14 11:43
かこから自由詩315/3/14 11:41
くしゃみ自由詩315/3/11 21:46
楽しい×愉しい自由詩215/3/10 23:53
ごめんなっ自由詩415/3/10 23:40
たかじんのさくら自由詩215/3/8 10:09
肩の力自由詩315/3/7 22:43
人類のこころぐせ自由詩115/3/7 8:19
地球自由詩115/3/7 1:39
最終回ジグソーみそ汁自由詩415/3/4 14:45
8ジグソーみそ汁自由詩415/3/4 0:23
7ジグソーみそ汁自由詩815/3/2 22:24
6ジグソーみそ汁自由詩415/3/1 20:24
5ジグソーみそ汁自由詩415/3/1 13:50
4ジグソーみそ汁自由詩615/2/28 19:29
3ジグソーみそ汁自由詩515/2/28 8:18
2ジグソーみそ汁自由詩415/2/27 0:52
ジグソーみそ汁自由詩515/2/26 10:56
神父の発見自由詩115/2/25 21:19
にんにんにん自由詩215/2/25 21:02
こころの世界自由詩715/2/21 1:07
速い馬自由詩115/2/21 0:33
冷たいからごめんね自由詩215/2/21 0:22
早春賦自由詩415/2/19 22:59
カラヤン先生自由詩515/2/17 0:57

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