肩越しのとまどいに

秋の風か

冬の光か

坂道の横を

電車がいく

秋の匂い

冬の湿り

あなたの小麦の肌に


雑沓がうすくなる

あなたが手をふる
 ....
主体的にして良いこととはゆるすことぐらいのものではないでしょうか

けれどこの身をまとうぼくらにはこの身からしか考える術がないようで

無宗教者までがまるで一神教の熱心な信者のようになっている ....
どちらが嫌われ者の政治家なのかを決めたり

権力を民間人に乗っ取られたり

仲良したちが決定を強行したり

政治家のレベルが低くなっているのか

もともと低かったレベルが明らかになった ....
夕陽が相変わらず色をかえている

美しいとはこのことくらいだ

夜が暗くなるのも目に優しい

当たり障りのない蓋なんて必要か


ナチスが

ハンバーガーにはコーラが合う

 ....
物々交換していた頃ひとは相手がなにを望んでいるかを考え、自らが欲しているものを手にいれていた

相手が望むもの、自らが望むもの

それをジョイントさせていた

貨幣が発明されるとそれは分断 ....
一枚の紙に、一年十二ヶ月のカレンダーを縦横十個ずつ並べたら、百年カレンダーの出来上がりだ。もちろん一番左上にあるのは、今年のカレンダーだ。

今年四十八のわたしは、確実に、このカレンダーの四列目か ....
未来、成功しているじぶんと

未来、過去を悔恨しているじぶん

しっかりとイメージしろ

はっきりとイメージしろ

いずれにせよ、時は今だ

いずれにせよ、ぼくは今にいる


 ....
昨夜も空高くに見つけたのだが

朝まだ空高く

月が浮いていた

文字どおり海月のように

どうもなんだか滞空時間が長すぎる


駅に向かうひとびとの列

左、右、左、右、ま ....
こんな俺だからこうなんだ

どこまで我慢したら我慢になるんだ

すべては生き方のために

どんな歩みだしになるとしても

まっしろな紙のうえで転がる石のように


ほっさなう
 ....
じぶんのことだけいちばんに考えているのに

じぶんのことを忘れていたいだなんて

じぶんのことなんて他人のことなんだ

きっとたぶんじぶんなんて他人なんだ

いちばんに考えているのは他 ....
雲から光が

奇蹟のふりをして放たれている

はっきりと毒されている

それどころじゃない

はっきりと分かっている

もう傷や逆上などないことを

それが可哀想だから

 ....
懐中電灯を照らして女が廃墟にやって来る

残飯をビニール袋に入れてこのビルに住む野犬に餌をやりに来るのだ

蒋介石や李登輝が笑みを浮かべる写真が落ちている

廃墟の壁には河原が描かれている ....
眠るこどものよこで髪をとぐ女の膝や脛や太股には影よりも光があった

鼾のような男の子と女の子の寝息が生きていることの切実と暴力を延々と垂れ流していた

鳥がさんざめく雑木林の一角は日に照らされ ....
みどりの鳥居をくぐるには

あなたの笑みが必要でした

まもなく消える身であれど

この世は占いじゃないから

意味しかないところだから


焼け石に水であろうと

二階から ....
トムハンクスや宮沢りえが月を見つめていたように

ぼくも夕暮れの黄色い雲のむこうに月を見つめている

昔の全米ヒットチャートをにぎわせていたバンドの映像を見つめていると

まだ汚れてない時 ....
曇り空

ひんやりと澄んだ風

休日の午前九時
曇り空

ひんやりと澄んだ風

休日の午前九時


あらゆる不穏が

ただ棲息していただけの頃

天下りの喫茶店で

芳ばしい珈琲と量の多いモーニング

ガラスのむこうに ....
ぼくには海がある

山がある

大地がある

宇宙がある

じぶんに都合がいいところに行けばいい


深夜

腹痛で目をさまし

あなたのなまえを呼ぶ

神のなまえ
 ....
絵本の顧客は

子供でも親でもなくて

図書館や学校だ

だからあんなに高いのだ

絵本とは税金が化けた怪物なのだ


盛り土の予算を空間が喰らう

議員になれば、身内が名ば ....
寄り添ってさんにんで帰っていった

家着でふたりを連れ去っていった

傷つけないようについた嘘八百

魂が引き裂かれて塩をぬられた

子供の頃からそんな風に生きてきた

愛しいひと ....
もし俺がアリなら

昆虫学者はきょう

俺をどんなふうに観察しただろう

観察日誌になんと記しただろう

胸の奥に眠る夢が

きょう陳腐になっちまった

ひとりで歩いて頑張って ....
悲しいとかじゃない

惨めとかじゃない

傷つくとかじゃない

水溜まりを見ているだけ

雨に降られているだけ

雑踏で人にぶつかるだけ


タクシーをひろう

行く先を ....
海はひろいなおおきいな

アリが砂浜で刺される

月がのぼるし日がしずむ

血をおさえてたおれる

救援信号が花火のようだ

裸の声が死相をきざむ

金が波にあらわれている
 ....
天平の空を飛翔する

空とことばで飛翔する


じゅうぶんきっちりと

変わらない粗雑さと

いたたまれない恋愛と


天平の空を飛翔する

空とことばで飛翔する


 ....
防衛庁の巨大なアンテナのさきが霧にかくれていた

富久町の高層マンションのさきも霧にかくれている

そんなことを眺めながら路地を歩いていたら

あ、

きょうの日付をあたまのなかで確認 ....
ひとのようにも

鳥のようにも見えたから

龍のようにも

筆のようにも

糸のようにも

暗闇のようにも

ひかりのようにも見えたから

煙のようにも

花火のように ....
母と久しぶりに会い生まれて初めて外食をした

町の三階建てのビルの二階にあるちいさなレストランだった

ぼくも母も日替わり定食をたのんだ

メインはチーズロールカツだった

豚カツは食 ....
穴から出る瞬時の流速は

その穴の水面からの深さの平方根に比例する

平方根っていったい何だ

自然界は二乗だとか平方根がほんとに好きだ


紙吹雪まくしかないや

扇子をふって ....
トラックが泣いている

ひねもすのたり泣いている

何がそんなに悲しいか

雲のひかりに青ざめて

雲のひかりに汗かいて

ひねもすのたり泣いている

トラックが泣いている
 ....
虫の音がしあわせだ

俺の匂いがしあわせだ

深夜放送がしあわせだ

指原莉乃がいいとこつく

松田翔太がどこか遠い

林真理子がえらそうだ

虫の音がえらそうだ


扇 ....
吉岡ペペロ(4238)
タイトル カテゴリ Point 日付
肩越しのとまどい自由詩416/11/16 1:36
ゆるす自由詩116/11/7 8:37
司馬遷はいるのか自由詩116/11/6 21:48
当たり障りのない蓋なんて自由詩416/11/5 16:54
物々交換の亡者自由詩416/10/30 21:01
百年カレンダーにて自由詩216/10/22 23:04
じきに分かる自由詩116/10/22 22:32
浮月自由詩216/10/19 8:08
歩みだし自由詩216/10/18 8:53
菊花開自由詩116/10/15 18:28
連絡自由詩016/10/12 23:20
廃墟の犬自由詩016/10/10 21:02
郊遊自由詩116/10/10 20:36
みどりの鳥居自由詩516/10/10 1:14
汚れた精神自由詩216/10/9 17:43
曇り空俳句016/10/9 9:09
自由詩016/10/9 9:07
しあわせか自由詩516/10/6 2:33
怪物自由詩216/10/6 2:18
嘘八百自由詩116/10/5 1:28
空車の灯り自由詩116/10/5 1:07
水溜まり自由詩316/10/5 0:44
轟音自由詩216/10/2 13:54
飛翔自由詩016/10/1 13:21
キンモクセイの思い出自由詩216/10/1 13:08
ひとのようにも、鳥のようにも自由詩116/10/1 12:53
初めてのレストラン自由詩216/9/25 21:45
平方根のふしぎ自由詩116/9/24 23:07
トラックが泣いている自由詩416/9/24 8:37
九月の夜自由詩416/9/14 0:56

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