朝が黒い
青黒いし
青灰色の
朝が白い
シン・ゴジラを1.7倍速で観ていた
多くのひとが早口で喋ることが
正しいかは別にして災いを遠ざける
朝が黒い
....
味方を撃つものも
殺しに来るものも
写真を撮るものも
みんな仲間のようだった
不愉快な仲間だ
宇宙から見たらこの有り様は何だ
死んだらみんな
あっけない顔 ....
倒れない木
死なない人
瀬戸内海が耀いている
それを望める田園では
枇杷がなる
葉がさわぐ
ラブはラヴでも
LOVEでもなくて
気になる憂うつ
....
あの人に送るはずの希望を
間違ってぼくに送ってきた
気にしない
気にしない
一休さんは気にしないから
冷たく無視でもしておこう
冬空の電飾は
ごみごみしな ....
気にしないでいいからと
そんな優しい嘘を
ぼくみたいについてくれ
閉店まぎわのパン屋にはいつも
じぶんの好きなパンをとって隠す
アルバイトの女の子がいるから
....
北の空
灰色の雲
これしかない
という不安
コンドーム
の懐のような舞台
雨が降るかも知れない
画家たちが思案する
すぐ止むかも知れない
....
仕事もテストも駆け引きも
さいきん連戦連敗だ
もう少し若ければ
人生を投げ出してしまいそうなくらい
生きてきた自信かごう慢か
叶わないことに慣れてしまったってことか
....
安心やよろこびというものは
じつに居心地のわるいものだ
だから不安にもなるのだろう
不安や悲しみというものは
だれにとっても心地いいものなのだろう
だからいちいち
....
内堀通りを青山通りまで
皇居は暗くて見えないけれど
そんなに高くはない高層ビルの明かりが
なんだかとても優しい夜
自分を傷つけたら追いかけないで済む
だから自分を傷つ ....
泣きたいくらい疲れている
目を真っ赤にして踏んばっている
生きていることがぶれそうになる
無味乾燥の風がふいている
ひとは超能力者じゃないから
ぼくのまもってやりたい ....
かっグぅんくる
かっグぅんくる
かっと指上げ右手首だらあん
グぅんと下腹しぼれば肩は脱力
くるっと正面で前腕がまわる
かっグぅんくる
かっグぅんくる
ロン ....
あたしがまだ二十代のころ
三十代のひとなんておっさんだった
えふさんもえぬさんもわいさんも
あの頃三十代前半だったんだ
あのおじいさんみたいなひとなんて四十一才
月日はた ....
ぼくらはぼくらを中心とした宇宙しか持っていない
ぼくらはぼくらからしか世界を考えられない
なのに地動説がまかり通っているのがとても不思議
犬の散歩をするひとが冬の街角に消えていく ....
大好きな高校を成績がわるくて退学させられる次男が心配だ
乳癌とたたかうためにオレは子宮を全摘した
来月右の乳房をとる
オレの生への執着は次男だけだ
子宮をとったら鬱っぽくなると ....
大好きな高校を退学させられる次男が心配だ
生への執着は次男だけだしお前たちにとって
変わった母に違いないだろうけれど母は母さ
乳癌とたたかうためにオレは子宮を全摘した
子宮をと ....
目をつぶると発作に襲われる
しかたがないからデパスを飲む
こんな苦しみのような不安に
誰もがさいなまれているのだとしたら
誰もが静かに降る雪のよう
誰もが深海のプランクト ....
鏡にわりとかわいいあたしがいるよ
父のニコレットを噛んで見つめてた
なんだか誇らしげに鏡を見つめてた
いつのまにか母の遺骨を見つめてた
学校から帰ってきたら母が死んでた
....
静かに祈っているのに落ち着かないよ
なにしにここに祈りに来たんだ
諸行無常のスローモーション
日常をひとと関わり生きていく
なのに孤独だなんてまったく失礼だろ
深かっ ....
深海でいらついてら
なにしに潜りに来たんだ俺
朽ちていくスローモーション
日常を自転車が過ぎていく
孤独なんて失礼な話
つぎはぎだらけじゃないか
恋より愛の方が ....
大女優が余裕のリハーサルするような君をいとしいと思う
牛乳たすヨーグルトはヤクルトだったっけ
神経質な目をしたりスヌーピーみたいになったり
生きていることすべてがみんなをいい雰囲気に ....
命を賭けて紡いだ音調を
なんどもなんども口ずさむ
歩いてるときも部屋に入るときも
なにかに取り掛かるときも
寝るときも起きるときとかも
口ずさみまくれば落ち着くだろうか
....
くだらないことしてレッテルはられても
練習ではいたいけな演者が一生懸命
頭のてっぺんから前髪たらして
カツラみたいな顔してシャウトしている
バス停のよこを過ぎていく
夜の ....
不器用なふたりは
まだ小学生の正義感と
まだ中学生の逡巡と
高校生のような恋愛と
大学生のような季節の風と
二十代のような甘さと
三十代のメリーゴーランド
....
台風一過の朝ひかりが秋過ぎて
きのうの幸福が嘘のよう
影の長さで測ってみるか
ひとつ幸福でもつねってみるか
あんまり振り幅が
大きいもんだから
失くなることから ....
もうだめ
じゃあないだろ
おおきないんせきが
このほしにぶつかろうと
わるいほうこうに
よのなかがながれていこうと
まだだいじょうぶ
いのちをかけて
い ....
宇宙サイズで見たら
地球が爆発したって
なんにも変わらない
京の命が消えたって
なんにも変わらない
村田諒太がWBA世界王者なったって
季節外れの台風が来たって ....
命の意味は宗教的
命の意味は種の保存
命の意味は空間的
命の意味は
命の意味はたくさんあるけれど
命の定義はひとつしかない
決めつけたら駄目
決めつけたら駄目 ....
今会社が社長に私物化されていて
そのつけがいずれは社員や株主に廻ってくる
そしたら新しい社長には経験不足の頼りない社長がいいのか
やっぱり今のまま会社を私物化している社長がいいのか
....
あったかも知れないもう一人のぼくを
過去もみらいも夢想できないけれど
傷つけることなんてもっとできないや
きのうあのひとが嬉しそうだった
ぼくがいなくてもみんな大丈夫だ
....
あたりを探してしまう
記憶からはじまるここではない世界
懐かしがることも
未来を夢想することも
むなしくならないように
あの音楽を聞いている
恋や授業や催しに
....
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