世界が滅びたその時は
きっと美しいだろう
現在とはその一瞬のための
長大な積み重ねの事
人々の不安も文句も やがては
神の花火となって散るだろうさ
その時、宇宙の犬はそいつを見て
「ワン ....
夜の果てで
俺は俺の孤独を叩き付ける
俺はこの世に存在しない
友人も恋人も家族もいない
ただ、この世の中に埋め込まれて
機械以下の生活を送っているのが俺ーーー
できなければ叩きのめされ、で ....
クロード・ロランの美しい風景に
私は十ニ分に魅せられていた
それはこの世には有り得ない風景
その間、私は現実を忘れていた
俺達はそんな空想的な芸術など見ないと
現実主義者達が言う
彼らは現 ....
天使のスカートにひだひだがついて
俺は卒倒する
夜の陰に怒りは湧いて
人々の中に散る
神々はいつもの沈黙を止め
もつれた舌で喋り出し・・・
俺はいつしか俺へと還る
まるで夢から覚めた午後 ....
死の後に生があり
そうして自然界は回っている
死を怖れる人間が
一代で全てを喰い尽くし、滅亡させようと
驚くには当たらない
性(セックス)もまた同じ事
一時の快楽の為に永遠を失い
そうし ....
詩人が真実を語ると
人は「黙れ」と言う
詩人が美について語ると
「あいつは現実を知らない。空想的だ」と人は言う
君よ 真実を語ってやれ
人々の中に咲くたった一輪の花になれ
例えこの世界が壊 ....
人は名付ける
自然は名付けない
海や空を人が何と名付け
どうやって区切ろうとも
鳥は空を飛び 魚は海を泳ぐ
彼らは人間が作った制限を
安々と越えて飛び、泳いで行く
人間だけが自分の思慮の ....
頬を伝う涙を
俺はもう笑いはしない
人の心の奥底に
本物の涙が流れていると知ったあの日から
人は
悲しまずに泣く事のできる唯一の動物だ
だが同時に
泣く事をせず悲しむことのできる唯一の動 ....
国境の上には雨が降り
それは人が作った小さな仕切りを
嘲笑うかのように降り続け そして
その上空には美しい虹が架かっていた
それを隣国同士の国境警備兵達が
思わず見とれて数分の間、我を忘れて ....
人々の織り成す世界の上を
僕の足は孤独に歩む
一度は人々に見捨てられた身
もう怖いものは何もない
人々の織り成す世界の上を
僕の足は孤独に歩む
僕が歩いたその跡は
やがて一本の道となる
 ....
人間にとって最悪の事態とは
死ぬことに他ならない
ところでその最悪の事態が
この先に来る事は誰にも決まった事だ
という事は今は最悪の事態に向かう途中
いや、今この瞬間こそが最悪の事態と言って ....
大きな声で叫んでいると
段々、自分がしぼんで遂には消えてしまう
一人、沈黙していると
再び僕が現れて蘇った
世界は大いなる言語に包まれて
それ故、人はどこにもいない
・・・僕は君の素顔が見 ....
詩人が詩を書く
画家が絵を描く
それで事は終わる・・・だが
批評家が批評を付け
やたら贅沢な額に入れられ
競売にかけられたりするようになるとそれはもう手が付けられない
誰も詩を詩として
 ....
花の中を歩いていると
僕自身花になったような気がする
それ自身、素晴らしく咲き誇っていて
僕自身もそれらのように
ごく自然に歩みを飛ばす
車の騒音や人いきれの中でも 僕は
見えない花と一緒 ....
輪の上で天使は踊り
光は風に変わり
お前は俺となった・・・
大樹の下では一人の少女が
素朴に読書をたしなんでいるが
その上空には一つ目玉の怪物
更にその上には神様がそれらを見ていて
嘆息 ....
熊の冬眠のように
僕は夢の中でぐうぐうと眠りたい
この世の全てを失って
打算と利害を放棄して
愛したいだの愛されたいだの
何かが足りない、何かが大きすぎる
そんな言葉を捨て去って
僕は永 ....
僕は君と二人
コーヒーを飲んでいる
テレビの中では音と映像が入り混じり
ネットの中では人々が
様々な罵り合いを演じている
僕は君のために
二杯目のコーヒーを淹れる
君は微笑って、コーヒー ....
 シェイクスピアについてはもう言われるべき事は言われているかもしれない。だが、現代ーーー二十一世紀の人間ーーーつまり僕ーーーが今、シェイクスピアに出会った所で、それは全く古臭くもなければ、むしろ新しく .... 春は透明な足音を立てて
僕らの世界を包む
人々の足どりは濃やかで
赤ら顔の盗賊さえも
どこかその顔は呆けている・・・
春風は都市の中にも吹き
人々の襟をすくめさせる
僕はアーチ状の街をく ....
暗いビルの廃墟の間を
一人の男が歩いている・・・
彼は既に亡霊達に取り憑かれている
メロにルカにアンジェリーナ・・・
どれもこれも彼が愛し
そして殺した女達・・・
今宵、月は煌々と輝き
 ....
言葉よ お前自身を解き放て
野に 空に
人々の思惑を越えて
「俺」自身の言葉の限界を越えて
言葉よ この世に一輪の花として
咲いてやれ
お前が「無意味」だとか「必要ない」だとか罵られても
 ....
君は白く透明な手で
温かに僕を抱いた
僕は死にゆく一箇の個体だった
君の魂はそれを知っていた
君の微笑は女神のそれだった
僕はその中に月を見ていた
君は柔らかに僕の首を絞め
僕は刹那に君 ....
僕は一人
透明な橋を渡っていく
世界は外で静まっていて
何も話さない
僕は一人
透明な橋を渡っていく
僕の頭は空っぽで
世界は遠くで静まっていて・・・
橋の向こうに君がいて
僕を手招 ....
川のほとりを僕は
歩いていく
世界は透明な薄く切り裂かれた布だった
それでも僕は独り
川のほとりをとぼとぼと歩いた

  鳥達は自らの生活を楽しむように
  彼らなりの水浴びを
  人 ....
海の向こうで
星は透明に光っている
・・・僕は独りだ
世界はいつも彼岸であって
此岸では僕一人が咲き誇っている
存在しないはずの僕が
世界の真ん中を歩いていく
存在しないはずの僕は
人の目には全く見えない
存在しないはずの僕が
世界の王道を歩いていく
・・・僕の努力は目に見えない
人のいない所で魂 ....
敗北した者達が微笑を湛える夜
勝者達は青ざめて震えて立っている・・・
敗北者達が勝者を殺す夜
馬は青い眼を月に光らす
ああ、この世とは一片の塵なのだ!
誰か、サッカーボールを蹴飛ばすように
 ....
溶けた陽の苦い味を
お前の舌は知っている
人々の凍った冷たい太陽を
今、大鴉達が一斉に温める・・・
黒鳥の群れに希望を見て
画家は一筆のデッサンを描いた
子供達のブランコには死霊が乗り移り ....
海の沖の波の向こうには
一つの孤島があって
そこで妖精達が歌っている・・・
僕が渾身の力を傾けて耳を澄ませば
それは透明な洞窟を通って僅かに僕の耳に届く
人々の耳に聞こえない それは
やが ....
学校はいつも雨の匂い
少年は夏の日に
世界を憂える
学校はいつも陽の香り
少女はデートの当日に
自殺を想う・・・
世界はいつもいつも同じ回転ばかり続けて
飽きないのかしら・・・と
有閑 ....
yamadahifumi(468)
タイトル カテゴリ Point 日付
宇宙の犬自由詩412/5/1 0:26
世界が消える日まで自由詩212/5/1 0:15
クロード・ロラン自由詩112/4/28 10:32
夢から覚めた午後自由詩412/4/26 17:59
人間自由詩012/4/26 17:56
美しい花自由詩412/4/24 20:28
人のにらめっこ自由詩412/4/24 9:41
心の血自由詩112/4/22 11:33
国境の虹自由詩7+12/4/21 9:40
一本の道自由詩212/4/19 19:12
努力自由詩212/4/17 15:28
君の素顔自由詩312/4/16 16:40
妖精の休息自由詩112/4/13 16:35
見えない花自由詩412/4/13 15:39
丘を登る自由詩312/4/13 5:00
起こしてくれ自由詩712/4/11 17:03
伽藍堂自由詩212/4/11 15:11
シェイクスピアの遥かな偉大さについて散文(批評 ...112/4/10 9:46
花束自由詩512/4/8 9:52
魔に魅入られた男自由詩012/4/5 11:40
詩よ 言葉よ自由詩412/4/4 12:04
最高の死自由詩012/4/3 9:41
さよなら、世界自由詩112/4/1 4:06
ミュージック自由詩212/3/31 23:31
此岸自由詩112/3/30 11:29
存在しないはず自由詩112/3/30 10:14
少年とサッカーボール自由詩012/3/28 9:52
地獄の雷自由詩112/3/28 9:51
模倣の歌自由詩212/3/24 10:59
有閑婦人の夢想自由詩112/3/22 11:27

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