感動を止めさせる事はできない
いかに美学者や歴史学者が口酸っぱく
その作品について力説したところで
感動を止めさせる事はできない
為政者がピストルを突きつけて
「それを止めろ」と言ったところ ....
今、世界は一つの夜
言葉はただの剃刀
今、世界は一つの真昼
驟雨すらも我々を怖れる
今、世界は一つの戦争状態
嬰児の髪の毛すら武器になる
今、世界は俺の庭
俺の足跡すら一つの音楽となる
 ....
   
『役人が机を叩いて叫んだ
 「お前達はパスポートがなければ死んでるも同然だ」
 だけど俺達はまだ生きている そう、生きているんだ』


これが僕達、詩人というものだ
土くれ一つ持 ....
    

一編の音楽が世界を奏でている時
僕は一体、何を歌おうか?
世界が一つの交響曲である夜
僕は一体、何を叫ぼうか?
人々が一つの怨歌である今
僕は一体、何を怒鳴ろうか?

  ....
死者の嘆きが聞こえる
誰にも殺される事のなかった
死者の嘆きが俺の魂の耳に聞こえる
言葉を失って
生と死を剥奪された
現代人の死体の呻きが
俺の耳に今はっきりと聞こえる
心を越えて
空は有る。
魂ほどの大きさの
宇宙の容量についての論文。
光。
夜。
今、君が見せた裸体についてーーー。
言葉を失うことについて。
誰もが知っていることを「知らない」という ....
雨よ 降れ
俺達の世界を濡らせ
おんぼろ小屋にも大豪邸にも
等しく雨を叩きつけてやれ
豪邸の中にも貧乏長屋の中にも
等しく人の醜さと卑しさが満ち溢れているから
雨よ 降れ
そうして俺達の ....
何を考えることも
何も書くこともできない
そんな時に詩はやってくる
僕は寝床から身を起こして
それを薄汚れたノートに書き付ける
時間は深夜四時過ぎ
鳥もまだ眠っているというのに
雨に濡れ
ネロは行く
自らの死骸を引きずって
彼は昔に死んだ
その時に彼には
彼の死を詠んだ一人の詩人がいた
今はもういない
ネロは行く
自身の死そのものを
廃棄場に捨てに行くために
夜の果てを
伝わり
私の声は
電波のように響く
タワーマンション253Fに
幽閉されたかのような
あの子の元へ

私は受け取った
彼の声を
地下53Fに住む
奴隷のような暮らしを ....
  

真実は
森の端に
そっと咲いている花のよう
人がそれを見まいとしても
やはりそれは美しく咲き誇っているから
死を
怖れるなかれ
死は
友人だ
この与えられた生のなかで
何事かを為そうとする者には
風よ吹け
そして俺達のみすぼらしい魂を笑え
みすぼらしい事にみすぼらしい姿で
汲々としている俺達を
風よ吹け
そして俺達の腐った魂を凪いでくれ
世界はまもやく穏やかな風になり
人間などは ....
   
この世界が滅びても
僕の世界はある
人間がいなくなっても
僕はいる
一本の枯れ木のように
一輪の花のように
そして君もそこにいて
僕を見つめている
何のためかも知らずに
生きる事は辛い事だから
時々死にたくなる
それで「死にたい」と言うと
「ネガティブだ」と言って怒られるから
益々死にたくなる
そうしてほんとに死んでしまったら
みんな忘れてくれる
そした ....
一杯のコーヒーと一枚の白紙と一本のシャープペン
これが僕の全てだ
他には何もない
ここに僕は無限の宇宙を作る
それが詩人の仕事だからだ
人はそれを笑うけれど
時々、蝶々がペンに止まって
 ....
札を数えて
何年も過ぎた
それを見てニンマリとしている内
何百年も過ぎた
そしてとうとう使う機会のなかった札束は
今ちょうど土に還った
僕の人生は
一本の折れた樹
それでもその折れた箇所から
新たな花が芽吹くかもしれない・・・
そうしてそれは嵐の抵抗に打ち勝って
この世に清々しく咲くのかもしれない
人間は負けて始めて
美 ....
全てが忘れられ
全てが過ぎ去っていく
人々はその事を
時々忘れたような顔をするが
やっぱり全ては忘れられ
全ては過ぎ去っていく
それでも君の笑顔だけは
僕の心に残っている
何かを守るため
大切なものを守るため
そうやって全てを失った
優しさが人を殺し
優しさが惑星を殺す
それでも時に、優しくならねばならない
強さを内に秘めたまま
「もの思う歯車」という
フレーズを考えた事がある
この世では何でも利用されるから
僕はいっそ壊れてやろうと思う
精神病院の奥底で
体がベッドに縛り付けられたままでも
心だけは自由なままだ
 ....
宇宙が
人差し指と親指の間の距離だとしても
誰も困らない
それでも人と人は
相変わらず憎しみ合い殺し合ったりもするだろう
そしてささやかな蝶のように穏やかに愛し合ったりもするだろう
さて僕 ....
雨が降る
夜の途中で
僕はいつも言葉の橋の真ん中で
立ち止まってしまうのだが・・・
世界はガラクタの集積
そう言える事で心がすっきりとする
今この瞬間、僕がいなくても
誰も困らない
と ....
朝9時香港の少女は
まどろみながら一つの夢を見る
それは白い牡牛にまたがり
全世界を練り歩く夢・・・
朝8時東京の少女は
自殺する夢を見る
せいせいした自分から遊離して
魂だけが離れてい ....
雨が降る
誰もいない海洋の上を
雨が降る
殺人者の泥濘んだ足元を
雨が降る
高地の笛吹きの笛の上を
雨が降る
思索する哲学者の頭蓋の上を
雨が降る
愛人と並んで店に入る男の毛皮の上を ....
僕が死ぬ時
あなたはそこにいて
僕の目を見つめて下さい
僕は死ぬのです
少しくらい我儘言ったっていいだろう?
・・・できれば、僕の膝枕をして下さい
そして僕の目を見つめてこう言う
「あな ....
もうどんな言葉もいらない
一滴の涙が聞きたい
言葉はいらない 詩は不必要
・・・今、俺はお前の微笑みがただ見たい
どれだけある事だろうか
笑いのための笑い 涙のための涙
皆、目的因をも ....
川の向こうに石を投げ
それが水面に反響するのを静かに見つめている
川の向こうには小学生くらいのちっちゃな女の子がいて
手を振ってやはりこちらを見ている
僕はその子まで届かせようと石を投げ続ける ....
人はみんな死んでゆく
美人もブスも
天才も凡才も
そうして人の為した事だけが
後に残る
あの美しく散った流星の光が
目の中にだけ残るように
水星の岸辺で
海洋生物が体を洗っている
俺は地球人
何故、この地球を離れられないのか・・・
人間共が小さな惑星で
悲喜こもごもとしている間
神は宇宙をおはじき代わりにして
遊んでいた
yamadahifumi(468)
タイトル カテゴリ Point 日付
感動を止めさせる事はできない自由詩312/5/28 9:58
一本のスミレ自由詩312/5/28 7:08
W・H・オーデンに自由詩112/5/27 21:08
微風自由詩012/5/25 9:51
自由詩012/5/24 19:44
ある論文の主題自由詩112/5/23 11:33
雨よ自由詩312/5/22 10:28
詩作の時自由詩112/5/21 10:35
あの時のネロへ自由詩2*12/5/21 10:32
一つの声自由詩312/5/20 9:50
真実の花自由詩312/5/19 15:10
自由詩612/5/18 11:21
動物達の会議自由詩412/5/17 10:42
見つめる自由詩112/5/17 9:47
自殺自由詩1+12/5/16 10:25
詩の賞賛自由詩412/5/16 10:24
土の札束自由詩412/5/15 9:36
冬のとある一日自由詩412/5/15 9:35
君の笑顔は自由詩012/5/14 9:29
秘めたままで自由詩212/5/13 19:51
ベッドの中の全宇宙自由詩512/5/13 1:14
電源自由詩312/5/12 6:19
川べりの散歩自由詩612/5/12 6:07
少女の夢自由詩312/5/11 22:01
雨が降る自由詩112/5/10 10:19
みんな死ぬ自由詩312/5/6 17:43
一滴の涙自由詩012/5/5 11:23
長い昼休み自由詩312/5/4 18:27
流星の光自由詩212/5/3 18:59
おはじき遊び自由詩112/5/2 10:24

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